8月24日(金) お茶の堀野園 堀野裕一朗さん

今年は台風がよく通過しますね。熱中症にもまだ注意してください。
 
今回はタンクマ営業企画部 部長の園城雅子さんと一緒に、株式会社お茶の堀野園 代表取締役社長 で
日本茶インストラクターでもある堀野裕一朗さんにお話を伺いました。
 
 
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堀野園は熊本でも有名なお茶屋さんです。
詳しくは、お茶の味を決める「茶舗」という部類のお茶屋さんだそうです。
堀野さんはお茶屋の息子として生まれたことからお茶の事に関してはエキスパートです!
 
堀野さん曰く、日本の文化はすべてお茶から派生しているそうです。
例えば茶道に関連する事柄として、句、連歌、掛け軸、生け花、庭や茶室(建築)、陶芸、竹細工、懐石料理(和食)に
至るまで様々ですよね。
そのなかの和食は身体に良くて美味しいという「医食同源」の考え方も含まれます。
昔からお茶を飲むことは死なないためという意味合いもあったそうで驚きました。
食べ物に関連した死亡率が8割もあった昔の時代は、食中毒予防や殺菌のために食後にお茶を飲む習慣があったのですね。山葵や酢もお茶と同じような効果が期待されています。
食後のご飯茶碗にお茶を入れて飲むのは単純に洗い物が楽になるだけではなく、ご飯粒に含まれる澱粉質が
アミノ酸としてお茶に加わることでお茶をより美味しく飲むための先人の知恵なのだそうです。
 
熱中症予防でオススメなのは麦茶に少量の塩を加えた塩麦茶です。
お茶や麦茶は身体の温度をあげにくくして 体温を下げてくれるとは気づきませんでした。
堀野さんが多くの気づきを教えてくださるのも日本茶インストラクターとして、茶育士としての資格を
お持ちだからなのでしょう。終始、ほぉ~、へぇ~と驚いてしまいました。
 
普段 何気なく生活に溶け込んでいるお茶のことを、実に95%の人はよく分かっていないと堀野さんはおっしゃいました。
急須の取っ手は日本では注ぎ口の横(90度)にあるけれど、それは何故か?
日本では家の主人がお茶を淹れるので、お茶の滴がお客様の方に跳ねないように手前に注ぐという意味があるんですね。
全世界のティーポットは注ぎ口の真向かいに取っ手があります。
あれは使用人がお茶を淹れるので効率よく注ぐためなのだそうです。
急須の蓋の穴も注ぎ口に向けるとお茶が出やすくなります。
おもてなしの精神や作法は全て先人の知恵なのですね。
それにしても、今の小学生は急須を見たことがない生徒が半分くらいいると聞いた時はショックでした。
自宅に急須が無いご家庭が増えているのか、お茶=冷蔵庫のペットボトルという認識はコワイものがありますね。
 
 
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堀野さんはお茶の味は産地では変わらない、お茶の淹れ方で味が変わるとおっしゃいました。
プロであれば番茶でも美味しく淹れることができるそうです。
急須の中に入れるカゴタイプの大きい茶こしは実は粉茶用なんですね!
あれでは茶葉がお湯で踊らないから適用ではないそうです。
 
日本人は味覚も鋭いと言われています。
低学年の子供にしっかりと苦味や渋味を教えてあげないと将来的に味覚異常に悩むことになるようです。
子供の味覚を親が奪わないためにも食育の大切さを感じました。
 
海外では健康志向が高まっているためか、セレブがグリーンティーを好んだり、ニューヨークのエリートが
朝からお茶とお粥をいただくそうですよ。
COOL JAPANの一角を担うお茶を世界中の人に知ってもらうには、東京オリンピックなどで日本を訪れる観光客に
日本茶を体験してもらうのが良いかもしれません。
 
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堀野さんが“ZERO”になる時は戦略を練っている時間です。
いま熊本県のお茶を使って全世界に輸出できるような香りを楽しむお茶を開発しているそうですよ。
お茶の香りというと、お茶の堀野園さんの店舗が上通りアーケード街にあるので良い香りを楽しんでみてください。
茶葉の選び方のアドバイスもしてくださいます。
残暑もお茶を飲んで乗り切りましょうね!
 
 
 
Sakiko Yoshimoto

Program info

熊本市中央区安政町にあるサテライトスタジオ「ZERO」。
金曜日の夜、第一線で活躍する様々な人たちが集まり、ゼロから広がる無限の可能性を求めて、クリエイティブな会話が行われます。
今回はどのようなケミストリーが生まれるのでしょうか・・・