ご機嫌いかがですか、千田浩未です。

「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」、英語ではどういう翻訳で登録されているかご存知ですか?

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「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」、英語ではどういう翻訳で登録されているかご存知ですか?

先月、12の構成資産の一つである﨑津集落を生まれて初めて訪れました。集落の中で、一番有名なのは、教会なのでしょうけれど、案内してくださった方の言葉で一番心に残っているのは、「ここは観光地ではなく、祈りの場所なのです」という一言。

世界遺産の認定を受けることで観光振興につながるというのが、よくあるイメージですけれど、どんな観光客が、どのくらい来るのが、崎津にとって、どれだけプラスになるのか、というのも、忘れてはならないポイントのような気がしています。

潜伏キリシタンが、絵踏みをした後、絵を踏んでしまった足を洗い、その洗った水を沸かしてお茶にして飲んだ — そうしたエピソードを聞いた時、信仰とは何か、考えさせられるとともに「自分が崎津を訪れるきっかけになったのは、やはり世界遺産になったからだし」と登録の持つ意味を改めて感じた次第です。

ただ、この世界遺産、英語での登録名称は Hidden Christian Sites in the Nagasaki Region 。そう、Amakusa という名前はまったく出てきません。最初にそれを3月頃知った時、結構ショックでした。Kuma Visit は、熊本の魅力を外国語で発信する、という活動ですので、せっかく登録されるのに、天草という言葉が入っていなければ、こうした潜伏キリシタンの構成遺産を訪れるのに、長崎には行っても、天草には来てくれないんじゃないかって。

「どうしてなのだろう?」と何人かの人に尋ね、そのたびに「政治的な理由」という言葉が返ってきました。一番わかりやすかったのは、天草、という地域名を入れると、長崎の方も、長崎という一括りではなく、平戸、とか外海などそれぞれの地域の名前を入れるということになり、そうなると英語ではやたら長くなる、という理由。確かに、例えば熊本は、漢字では2文字ですが、英語では8文字と4倍に増えますし、英語表記での問題はあったかもしれません。個人的には、それでも天草か熊本という名前が英語名に入って欲しかった気がしますけれど、友達の一人は「外国の人って、名前に関係なく、いいところを見つけるのが、日本人よりも上手い気がする」とも言ってくれて、それが当たっているのを期待するばかりです。

ちなみに、「ガリヴァー旅行記」にも絵踏みの話が出てくる、ということを、つい最近、歴史研究をしている友人より聞き、「え?ガリヴァー、読んだはずなのに絵踏みの話、記憶にないなあ」って我が身を恥じるとともに、この夏、もう一度読み直したいと思っているところです。あなたもいかがですか?

Kumamoto Curio 今日のBGMは “Bird in a Cage” by Sugarlandでした。

番組内容

熊本を “visitor-friendly"(訪れる人に優しい)地域に!
2019年にはラグビーワールドカップ2019、2019女子ハンドボール世界選手権大会の開催地となり、翌2020年の東京2020オリンピックにはインドネシアのホストタウンとなる熊本。
海外から訪れる人の増加が見込まれる今、店舗・施設の多言語表記を推進し、熊本の魅力を発信する5分番組。
クラウドファンディングにより、リスナーの応援が作る新しいスタイルのプログラムです!

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