ご機嫌いかがですか、千田浩未です。

5/19 そろそろ紫外線が気になる季節になりました。信号待ちする時、街路樹はあった方がいいですか、なくてもいいですか?

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そろそろ紫外線が気になる季節になりました。信号待ちする時、街路樹はあった方がいいですか、なくてもいいですか?

1896年、第五高等学校の英語教師として赴任してきた29歳の夏目漱石は、京町台から眼下に広がる熊本のまちを見て「熊本は森の都だ」と口にしたと言われています。確かに熊本城周辺の緑は大変美しく、藤崎台球場や二の丸の大楠なんて抱きつきたいほど魅力的で、1972年、熊本市は森の都宣言をしています。けれど、今、熊本市を本当に森の都と呼んでいいのかどうか、怪しいと感じることもあります。そして、その典型的な例が水道町交差点の木です。

一時期、ここの木には、夕方になると鳥が大群でやってきて、その鳴き声と、糞が問題になっていました。確かに信号待ちで立っている時に上から落し物があるのは、ちょっと困ります。でも、そこに木があれば、鳥も来るでしょうし、木から離れて立つ、とかネットを張る、とかいう選択肢だってないわけではないと思うのですが、先月、ふと見上げると交差点の木は見事に裸になっていました。今年の夏、あの交差点で信号待ちするのに日陰は期待できなくなっています。

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去年は夏、とんでもない暑さでした。木陰があるかないかで、どれだけ体感の暑さが違うかは言うまでもありません。けれど熊本市で夏に向けて街路樹が裸になることをこれまで随分見てきました。おそらく剪定のタイミングがその時期であったり、秋になると落ち葉で危険なので、など色々理由はあるのだと思います。けれど、それで森の都を標榜するのも、どうなんだろう、と考えたりもするのです。水道町交差点の木を切ってしまうことを願う人たちにとっては、愛すべき自然は阿蘇や天草や、熊本城のそばだけなのかもしれません。

自然って人間にとってありがたいことばかりじゃない。地震も津波も噴火も自然。プラスもあればマイナスもあるのが自然だし、人間の都合で裸になってしまった交差点の街路樹のそばに、「全国都市緑化くまもとフェア2022年春開催決定」という看板を見て複雑な気持ちです。夏に日陰がたくさんある熊本、悪くないと思うのですけれど。

Kumamoto Curio, 提供は熊本での多言語表記を推進するKuma Visit.

今日のBGMは “Heart Shaped Locket” by Brothers Osborneでした。

番組内容

熊本を “visitor-friendly"(訪れる人に優しい)地域に!
2019年にはラグビーワールドカップ2019、2019女子ハンドボール世界選手権大会の開催地となり、翌2020年の東京2020オリンピックにはインドネシアのホストタウンとなる熊本。
海外から訪れる人の増加が見込まれる今、店舗・施設の多言語表記を推進し、熊本の魅力を発信する5分番組。
クラウドファンディングにより、リスナーの応援が作る新しいスタイルのプログラムです!

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