被災時の心のケア その3

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お知らせ

この時間は、「被災時の心と体のケア」について、TOKYO FMの古賀涼子さんに聞きます。

災害時の心や体のケアに関する情報をお届けします。

きょうは、「高齢者の方が避難生活を送る上でのケア」。

防災心理カウンセラー下條茂さんに取材した内容を元にお伝えします。

キーワードは「被災者にならない」です。

実際に被災しているのに、どうしてどんなことを言うんだと思われる方も

いるかもしれませんが、是非そんな方にこそ聞いて頂ければと思います。

 

下條さんによると、

ご高齢の方と言うのはつまり、いろいろな経験を積まれてきた方です。

子育てや地域のこと、生活の知恵も沢山知っていらっしゃいます。

だから、その知識や知恵を避難所生活で積極的に生かしてもらうことが

とても重要なんだそうです。ある意味、頼るべき存在なんですね。

そうすることで、高齢者の方の気持ちも前向きになれます。

 

そして、体を動かす。

下條さんたちが被災地支援に行くと、

例えば、避難所で食事が配られるのをじっと座って待っているだけの方、

お掃除などにも手を貸さない方もいるそうです。

ご高齢で体を動かすのが元々大変な中、

ショックを受けて動く気力がなかなか湧かないかもしれませんが、

動かないと、筋力は落ちていきます。

そうすると、更に寝込みがちになって、

元に戻るのがますます難しくなってしまうんです。

周囲の方やボランティアの方が高齢の方を気遣って、

何もしなくていいと言う状態を作るのは逆に、

その人を「被災者」にしてしまうと、下條さんは仰っていました。

いま避難所でこの話を聞いて下さっているご高齢の方、

どうか、心と体が更につらい状態にならないために、

ご自分でできることは、ご自分でしてみてください。

ちょっとでも動ける方は、まわりの方を助けてあげてください。

昔の体験談や知恵も、避難所運営の大きな力になることがあります。

そして、昨日もお伝えしましたが、暗い所ばかりにいると、

心に安らぎを与えるホルモン「セロトニン」があまり出なくなってしまいます。

日差しを浴びる、と言うのがポイントでした。

このところ、避難所や家に閉じこもりがちだなと感じたら、

日中は、窓際で短い時間でもいいので、日光浴をしてください。

 

なお、高齢の方だけでなく、

子どもたちにどんどん仕事を与えてあげるもの大切です。

体を動かすことによって、心も元気になっていくとのことでした。

 

これらを踏まえて、これから避難所などで

お手伝いやボランティアをしようと考えている方、

避難されている方の身の回りのことを代わりに全部やってしまうと

逆にその方を心身ともに弱らせてしまうこともあるということ、

心に留めて頂ければと思います。

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