「エース出版株式会社」

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会社のヒミツ
企業にまつわる気になる疑問を解決する「会社のヒミツ」。
今日は、エース出版株式会社のヒミツに迫ります。
創刊から29年を迎える熊本観光情報誌「旅ムック」などを発行している会社です。
 
● ご出演者のプロフィール
 
氏名:井口昌武 (いのくちしょうぶ) さん
正式社名:エース出版株式会社
役職:代表取締役
プロフィール
20歳から前職ACプラニングに就職し、当時携わっていた旅ムック事業に従事。
24歳の平成12年1月に「旅ムック」のライセンスを買い取り独立。
今年で17年目を迎える。
 
Q 「エース出版」の会社概要を教えて下さい。
 
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エース出版を平成12年1月に設立しました。
熊本観光情報誌「旅ムック」の発行の他、企業や飲食店のチラシ・パンフレット制作、ホームページ制作等を行っています。
平成16年からはJTBパブリッシング発行の「るるぶFREE」の熊本版を企画編集しています。
また、大手出版社や東京の出版社の九州地区や熊本エリアの冊子の企画・取材・編集なども行っています。
先程の旅ムックとるるぶFREE熊本がメイン事業で、共に熊本を訪れるビジネスマンや旅行者に無料で観光情報を提供する為に現在は年4回づつ発行しています。
ちょうど今年で旅ムックは100号を迎え、るるぶFREE熊本も50号を発行する予定です。
 
オフィシャル・サイト:http://www.tabimook.com/
 
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Q 「旅ムック」という冊子の由来を教えてください。
 
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皆様からよく聞かれますが、ムック(mook)はマガジンの頭文字のMとBOOKのook(オーオーケー)を合わせた言葉です。
マガジンは主に雑誌の事で月刊誌等、定期刊行物の意味合いがあります。
また、ブックは書籍等を指し、それぞれの中間を指してMOOKという言葉が生まれたと聞いています。
そのムックに旅をつけて「旅ムック」が出来ました。といっても私が付けたのではなく、前職の代表が付けた名前をそのまま引き継いでいます。
創刊は平成元年なので、当時は熊本でもそんなに雑誌やフリーペーパーの数が無かった時に発行したと聞いています。
その中で、来熊者向けの冊子というのは他に無く、「ニッチ」な媒体として現在も続いています。
観光地としては役場等の観光パンフレットは存在しますが、郷土料理の説明はあっても、有名店はどのなのか?名物料理を出すお店はどこなのか?など個店情報までは発信出来ませんでした。
また、エリアとして、県のテリトリーと市のテリトリーなどで情報がバラバラだったりしますが、弊社では読者目線でどのような情報が便利なのか、市や県単位ではなく民間企業として動いているのでその辺りは自由に動けます。
で、そのような情報を欲している方に配布をしています。
配布先としては、阿蘇くまもと空港と空港から市内までのシャトルバス車内、熊本駅、熊本港・長州港などの玄関口。
阿蘇くまもと空港・熊本駅・福岡空港周辺のレンタカー会社、27社の提携タクシー会社、熊本市内と近郊のホテル旅館約70軒、市内繁華街の専用ラックなどに設置しています。
市内ホテルにおいては配布カバー率98%あり、熊本を訪れる方は一度ならず何度も目にする媒体だと思います。
よく、名刺交換等で「エース出版です。」といってもわからず、旅ムックを発行していますと話すと、「あ、見た事あります」と打ち解ける事がしょっちゅうあります。
 
Q これまで「エース出版」ではたくさんの出版物を出されていると思いますが、もっともセールスが多かったのは何ですか?
それはどんなきっかけで誕生した商品ですか?
 
平成19年からは東京の出版社さんとタイアップし、全国展開のタイトルの熊本版や九州版の冊子の企画編集や取材を行っています。
今年で10年目ですが累計15冊を発行しています。
最初に取り組んだ企画としては、ホテルや料亭など贅沢なランチを紹介した「上等なランチ」シリーズですが、こちらは平成19年に熊本版、20年に鹿児島版を発行し、平成26年には「とっても上等なランチ」として改訂版を発行しました。
 
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人気が高いシリーズとしては、「雑貨屋&カフェさんぽかわいいお店めぐり」です。
 
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平成25年に熊本版を発行しましたが、私の想像を超える売れ行きで、すぐに増刷が決まった程でした。
男性という事もあり、雑貨屋やカフェには無縁でしたが、女性スタッフに話しをすると皆好きで「どこを知っている」「どこに行った」などの話しで盛り上がり、プロジェクト自体も私は携わる事なく女性スタッフのみで構成し、お店の選定から取材などを行ってもらいました。
27年には長崎版も発行し、一昨年には熊本版の2シリーズ目という事で、1作目で取り上げられなかったお店や新店舗を中心に発行し、昨年には「湯布院・阿蘇」版も発行しました。
 
また、同時期に「熊本・大分&南九州ご朱印めぐり旅乙女の寺社案内」も発行しました。
 
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こちらは全国的に人気が出ているご朱印をいただける神社やお寺を特集しているシリーズです。
すでに、京都・奈良や東京、福岡、東北、北海道版も発行されています。
取材に当たり熊本と大分、宮崎、鹿児島の4県の神社やお寺に取材申込したのですが、他県はすぐに理解して取材先は決まったのですが、熊本はなかなか趣旨をご理解いただけなかったり、ご朱印自体をご存じない方もいらっしゃいました。
ご朱印とは、もともとお経を書き写して寺院に納めた証としてもらえるものでしたが、最近は参拝の際に頂ける寺社さんも増えています。
墨で寺社名と朱印を押してもらえるのですが、行った証として集めていらっしゃる方が増えています。
もらい方としては寺社や文具店でご朱印帳を購入し、それにもらう形になります。
もともと歴史好きな女性が多かったですが、最近は出張で各地を回る男性も多いと聞きます。
このご朱印を熊本でも流行らせていこうと、昨年の6月発行号の旅ムックからシリーズでご朱印をいただける寺社の紹介をしています。
現在、熊本地震の影響で熊本城をはじめおおくの観光施設が入場規制等がありますが、新たな観光スポットして巡ってもらう為に企画は進めていきたいと考えています。
 
Q 上記商品の開発ポイントがあれば教えてください。
 
開発ポイントではありませんが、昨年の「雑貨屋&カフェさんぽかわいいお店めぐり」の湯布院・阿蘇版と「「熊本・大分&南九州ご朱印めぐり旅乙女の寺社案内」は本来なら共に4月発行でした。
ちょうど原稿も出来上がり、東京の出版社に納めた所で地震があり、湯布院と阿蘇のカフェと雑貨屋さんにも多くの被害がでました。
また、熊本の寺社も被害が無かった所がないくらいの影響で、一時発行を止め、各掲載店に確認をとりました。
中には再開未定や廃業される店舗もありましたが、「せっかく取材して頂いたので発行してください」と力強いと言葉に後押しされ、HPと冊子に地震後の情報を入れて5月と6月に発行しました。
この2冊は熊本復興の気持ちを込めた2冊になります。
 
Q この度、「旅ムック英語版vol.0(ゼロ)」を出版されたそうですが、どんなきっかけがあったのですか?
 
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旅ムックをホテルに設置しているのですが、ホテルフロントの方と話しをして、熊本で「英語対応のお店を知らない」「どこに案内していけばよいのか」との会話があり、その時ホテルでは、スターバックスやマクドナルドなど世界規模のお店を案内していたそうです。
これではせっかく熊本に来たのに、和食も熊本の郷土料理も体験しないのはもったいないと感じていました。
それから構想を練ったのですが、当初進めていこうとした矢先に九州北部豪雨に見舞われ計画延期に…、ここ最近インバウンド需要の高まりにより昨年再度取りかかりましたが、地震に見舞われ…再度計画延期に。
このままではいつまでたっても発行出来ないと思っていた矢先に小規模事業者持続化補助金の案内があり、他の事業とともにインバウンド事業も進めていこうと考え再スタートしました。
今回は試作の意味も込め、ボリュームゼロとしていますが、手前味噌ですがいいできです。
配布した先でも好評を得ています。
 
Q 「旅ムック英語版vol.0(ゼロ)」の中身にについて詳しく教えて下さい。
 
旅ムックの日本語版をそのまま翻訳してもいけないと考え、掲載店舗でも対応して頂けるお店28軒ををチョイスしました。
ちなみにお店には日本語と英語を表記して指さしでオーダーが取れたり、基本的な会話ができる「コミュニケーションカード」も店舗に配布しています。
これは熊本で使えるように「醤油をつけて食べてください」の他に「馬刺し醤油を付けて食べてください」等熊本ならではのコメントも入れています。
また、市内地図やホテル情報の他、現在の熊本城の様子や観光地情報も掲載していますが、ホテルでは、電車やバスの乗り方ガイドや食事のマナーやトイレの使い方のガイドが説明しやすいと人気が出ています。
 
Q どんな読者層を想定していますか?どんなところに配布されますか?
 
アジアからの訪問者も多いですが、まずはどの国も英語は理解するという事で英語版を先行して発行しました。
配布先としては通常の日本語版と一緒に空港や駅、案内所やホテルでの設置をすすめています。
今後は外国旅行者誘致の為に海外にも配布が出来たらと考えています。
 
Q 今回の企画は、「インバウンド事業第一弾」だそうですが、今後の計画などあれば、詳しく教えてください。
 
今後は、実際に来熊者が多い、中国語版や台湾語版、韓国語版などの制作にも取りかかります。
2年後にはハンドボールやラグビーの世界大会が熊本でも開催されます、ますますインバウンドの需要が高まる中、多言語版を発行し、観光誘致に向けても動き出したいと思います。
来年には日仏交流自治体会議が熊本で開催されると聞いています。
その際にはフランス語版、姉妹都市にドイツのハイデルベルク市があるので、ドイツ語版を作成し、ドイツとの交流を加速していくよう進めてていきたいです。
もちろんフリーペーパー以外にもホームページやSNSを活用して情報を発信していきます。
 
Q 「エース出版」の歴史の中でもっとも印象的な出来事は何ですか?
 
やはり昨年の熊本地震です。
前職代表から聞いていたのはこの旅ムックも長崎市で展開していましたが、35年前の長崎大水害で観光業も被害を受け、熊本に移って事業を再開したと聞いています。
フリーペーパーとしては無料で読者に届けるので全て広告主から広告費で運営しています。
今回の地震で観光業も被害を受け、広告が集まらないと発行が出来ません。
直後の5月発行号は掲載店舗さんのご協力により発行しましたが、6月発行のるるぶFREE熊本は発行元のJTBパブリッシングの判断で1号休刊しました。
その時は私も含め社員の生活の事など色々と考え悩みました。現在は少しずつ回復傾向に向かいつつあります。
 
Q そのほか、熊本県民にPRしたい案件があればお願いします。
 
旅ムックも自社媒体として様々な取組みをしています。
例としては、平成23年の「ねんりんピック熊本大会」の際はねんりんピック参加者の為の特別版を発行したり、ゲーム会社のコーエーさんの戦国無双というケームがあるのですが、新キャラクターとして加藤清正が登場した際はコラボしてそのキャラクターで熊本城を案内する誌面を作成したり、熊本のおもてなし武将隊に登場して頂き、熊本城を紹介して頂いたり、1度名古屋のおもてなし武将隊にも加藤清正がいるのですが、その加藤清正に織田信長、徳川家康を熊本城を案内させるといったコラボをやったりと、コラボなどのアイデアがありましたらお気軽にご連絡下さい。
今後はペーパーとWEBのメディアミックスを強化していきます。
HPとFBにも情報を公開していますのでご覧になってください。
最後に、地震後に飲みに行く回数が減った方に活性化の為に少しでも街に行って飲んで頂ければと思います。よろしくお願いします。
 
「エース出版株式会社」
オフィシャル・サイト:http://www.tabimook.com/
 
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