「仲町 茶わん鉢保存会」

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月曜対談
「ひと」「もの」「こと」に関わるさまざまなトピックを切り取っていくインタビュー「月曜対談」。
宇城市松橋町に伝わる芸能の一つ、仲町の茶わん鉢について「仲町茶わん鉢保存会」田中良生さんにお話を伺いました。

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● ご出演者のプロフィール
 
名前:田中良生 (ふりがな)たなかよしお
会の技術的第一人者  会の全体指導
プロフィール:茶わん鉢に関しては、兄が会のメンバーの中心的チャルメラ奏者として、自家での練習を通して見聞きして育った。
 
Q「仲町茶わん鉢保存会」の基本情報をお願いします。
 
仲町の茶わん鉢保存会
宇城市松橋町松橋1082-2
代表者 : 中山明倫(なかやまあきのり)  78歳
連絡先電話 0964-32-0264
(携) 090-7152-8670
会員、男子12名、女子11名、計23名
(年齢30歳~78歳)
 
Q まず「茶わん鉢」という芸能についてうかがいます。
そもそも「茶わん鉢」とは、どういったものですか?
 
ひょうきんな顔をした男の子の人形が左手に金箸を持ち、その先端に皿をのせ、右手でその皿をコマのように回しながら笑いを誘うような動作をみせる。
その人形は人が2人で操り、2人のコンビネーションが人形の妙なる味を醸し出す様子は大きな見どころになる。人形の動きは音玉にのって動く。
三味線、チャルメラ、太鼓,鉦、囃し唄の悠長な音楽に合わせて人形の動作がきまるものである。
さていつから発祥したのか、残念ながら記録は残つていない。
ただ口伝によると、松橋神社へ氏子が祭礼の一部に奉納を行うのに各町内組で競い合う時期があって、数十ある町内組の中の一ツの仲町組では旦那衆が長崎へ物見遊山へ出かけた折、座敷の余興に人形師の皿回しを見てそれにヒントを得て、地元にあつた松橋焼の皿と組み合わせることを思いついたといういわれがある。
また、茶わん鉢に使用する皿には「明治二十二年七月、常親社」と銘がはいっている。
明治三十二年の地元素封家に残る松橋神社祭典の記録には茶わん鉢奉納が出ている。
但し記録よりも明治十年の西南戦争後2年後位から茶わん鉢奉納がはじまったと地元の言い伝えが定着している。
 
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Q「茶わん鉢」の魅力とは何ですか?
 
ずばり、人形が皿を回すことでしょう、他に類がないと思われます。
聞くところによれば世界人形連盟「ウニマの会」によれば人形が皿を回す芸は外国にはないようで、我々会員も国内で他にはないように聞いております。
 
Q「仲町茶わん鉢保存会」は、その「茶わん鉢」を保存するために活動されているそうですが、具体的にどんな活動をされていますか?
 
年間定番は、8月1日に松橋神社祭礼の奉納、10月最終日曜日の宇城市文化伝承芸能まつりの公演です。稽古が年間8回~10回近年になって平成27年より、松橋小学校でクラブ活動の一分野として年間5回位の伝統文化授業を行つております。
 
Q5月21(日)に三角西港での公演が予定されているそうですが、詳細を教えて下さい。
 
実は去年H28年5月に三角西港での公演を予定しておりましたが、熊本地震で不可能となり、本年は再挑戦です。
私共の公演内容は決して派手なものではなく、むしろ地味な芸と言えます。
従がつて認知度が低くあまり知られていません、今日まで知られることが少なかったといえます。
この芸を県民に又は日本の人に知ってもらいたいというのは私共会員の願いです。
明治期産業遺産の地三角西港で公演ができれば、地元の人も外部からの観光訪問者にも観覧していただくことができると考えました。
また三角西港完成から今年は130年の記念年だそうでこれほど喜ばしいことはありません。
また私共の所要時間はおよそ15分位ですから他の演芸として居合・お琴・尺人の協力をいただき「和の共演」を催します。
尚、5月21日(日)は午前11時からと午後2時からの2回の開演です。
 
 
Qこれまでの活動を通じての苦労、やりがいとは何ですか?
 
同志を集めることの難しさ、皆さん仕事の関係でなかなか思う様にいかず、今までに5名の方に入つてもらいました。
その方々は仕事を終えられた人達です。(リタイヤ)
若い方が入つてもらうと後々の展望が開けると思います。
思う様にならないものです。
 
Q これまでの活動を通じてのもっとも印象的なエピソードは何ですか?
 
小学校に行つて4,5,6年生数十名の生徒さんに教えていますが覚えが大変早いと思いました。それにかえ年齢が高いと覚えがなかなかゆっくりですね。 
 
Q最後に、リスナーにPRしたいこと、今後の活動予定、お知らせなどあれば教えてください?
 
PRして、より広く私たちの活動を知つてもらうことが出来れば参加者も出てこられると思います。
 
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