「美しい星」

カテゴリー
キネマのススメ

毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。

毎週、松村奈央が選んだ映画をご紹介しています。
今日ご紹介するのは、5月26日(金)公開の「美しい星」です。
 
2012年に公開された「桐島、部活やめるってよ」で日本アカデミー賞最優秀作品賞をはじめ、数々の映画賞を独占した吉田大八監督が、長年映画化を熱望していた小説をついに映画化しました。
原作は、文豪・三島由紀夫が1962年に発表した異色のSF小説です。
1956年の小説「金閣寺」で作家として大成功し、傑作を次々と発表していた時期の三島由紀夫が、雑誌「新潮」に連載した問題作です。
当時、三島は37歳。まさに作家として油の乗った時期の小説で、当時の社会状況を巧みに取り込み、前衛的な作風で熱狂的なファンを獲得しました。
故・大島渚監督をはじめ、多くの映画人が映画化を熱望したというこの小説を、日本映画の鬼才とよばれる吉田監督が見事に映画化しています。
 
その物語は・・・・・・
お天気キャスター大杉重一郎は、ある日、不思議な体験をして突然自分が「火星人」だと言いはじめます。
同じころ、大杉家の家族にも異変が起きます。
フリーターの一雄は、ひょんなことから、政治家の秘書をつとめることに、大学生の暁子は、ストリート・ミュージジャンと出会い、あらたな自分に覚醒していきます。
一見バラバラに見えた家族のピースが、次第にひとつの物語になっていくのですが・・・・
 
キャストは、お天気キャスターの重一郎役にリリー・フランキー、一雄役に亀梨和也、暁子役に熊本出身、橋本愛、家族の中では、唯一、フツーの人である母・伊余子役に、中島朋子、物語のキーパーソンである「謎の男」に佐々木蔵之助と芸達者な俳優が揃っています。
 
原作は、1960年代の東西冷戦の時代を舞台にして書かれた小説ですが、吉田監督は映画化にあたって、設定を現代に変更して、さまざまディティールを時代の変化に合わせて見事にアップデート。
21世紀の新たな物語として語っています。
 
喜劇でもあり、悲劇でもあるという日本ではとても珍しい「トラジコミック」(悲喜劇)という新たなジャンルの作品にチャレンジ。
 
今日はこの映画「美しい星」キャンペーンのため熊本にいらっしゃった橋本愛さんへのインタビューをお送りしました。
インタビュアーは、毎年、年末のこのコーナーで「この映画を見逃すな、映画界大予想大会」にも出演、「月刊行定勲」のパーソナリティもつとめている きべとしお さんでした。
 
見所をもうひとつ、映画の中で登場するストリート・ミュージシャンンが演奏する楽曲が需要なアイテムとして描かれるんですが、この楽曲「金星」は、P-MODELのリーダーである平沢進の楽曲。
吉田監督が平沢進の大ファンで、今回の起用が決まったというこだわりの選曲です。
まるで、この映画のために書きおろしたかのような楽曲で、映画の中でも効果的に使用されています。
橋本愛さんも「最初にシナリオを読ませていただいた時に、『金星』は監督がオリジナルで書いた曲だと思って、よくこんな絶妙な歌詞を書けるなあと思っていた」そうです。
 
実は、今回のインタビューは、時間の都合でカットした部分もありまして「ノーカット完全版インタビュー」を、現在、FMKのオフィシャル・サイトでポッドキャストしています。
映画撮影の舞台裏や橋本愛さんが、個人的に好きな映画の話なども語ってくれていますので、是非お聴きください。
今日ご紹介した映画「美しい星」は、今度の金曜、5月26日から
■TOHOシネマズ はません
■TOHOシネマズ 光の森 で公開となります。
以上、「キネマのススメ」でした。
 
「美しい星」オフィシャルサイト
http://gaga.ne.jp/hoshi/

------

本日オンエアのこのコーナーをポッドキャストでも配信中。

 

FMK Morning Glory

「熊本の朝をさわやかに!」を合言葉にお届けしています。
毎週月曜~木曜の 7:30~10:34
パーソナリティ
月曜・水曜 長木真琴
火曜・木曜 松村奈央
番組ホームページはこちら