「熊本こころの電話」

カテゴリー
月曜対談
「ひと」「もの」「こと」に関わるさまざまなトピックを切り取っていくインタビュー「月曜対談」。
「熊本こころの電話」運営委員長の矢田部裕介先生と、
「熊本こころの電話」カウンセラーで、堀内香代子さんと興梠和子さんがゲストでした。
 
●ご出演者のプロフィール
 
名前:矢田部裕介
所属:熊本こころのケアセンター、熊本こころの電話
 
プロフィール:
H13年3月熊本大学医学部卒業
H13年4月熊本大学医学部附属病院神経精神科入局
H23年4月熊本大学医学部附属病院神経精神科助教
H26年4月熊本県精神保健福祉センター次長
H29年4月熊本こころのケアセンターセンター長
熊本こころの電話運営委員長
 
<資格・専門医など>
精神科専門医、日本老年精神医学会専門医、精神保健指定医、
災害派遣精神医療チーム(DPAT)アドバイザー
 
ホームページ、ブログなど:(熊本県精神保健福祉協会)
 
熊本こころの電話 1期カウンセラー 
名前:堀内香代子さん
 
熊本こころの電話 2期カウンセラー 
名前:興梠和子さん
 
Q「熊本こころの電話」の基本情報を教えて下さい。
 
「熊本こころの電話」は、公益社団法人熊本県精神保健福祉協会の事業として運営されています。
多くのボランティア電話カウンセラーを初め、活動を支えてくださる方のおかげで、今年で34年目を迎えました。
「だれでも・どこからでも・どんなことでも」、これが「熊本こころの電話」の掲げる運営方針です。
こころの健康バランスがとれなくなったり、相談する相手がすぐにみつからなかった時に、悩みを話して頂き、つらい気持ちや悲しい気持ちを少しでも減らし、明日へつないでいけるようにお手伝いする電話相談機関です。
皆様の大切なお話は、「秘密厳守」で誠意をもってお聞きします。
匿名で大丈夫です。研修を受け、認定されたボランティア電話カウンセラーが交代で、みなさまの話し相手になります。
 
Q「熊本こころの電話」スタートのいきさつ、歴史などについて教えてください。
 
「熊本こころの電話」は、公益社団法人熊本県精神保健福祉協会が運営する電話相談機関です。
深刻な精神的危機におちいり、悩み、苦しんでいる人々と、電話による対話を通して、その心理的、情緒的危機を分かち合おうということから昭和59年1月10日午後6時をもってスタートしました。
現在までに認定されたボランティア電話カウンセラーは、1367名になります。
ストレスの多い現代社会において、多様な問題に対応できるように、毎年研修を重ねています。
 
Q「熊本こころの電話」では、具体的にどんな活動をおこなっていますか?
 
電話相談活動が活動の中心です。
電話相談を担当するボランティア電話カウンセラーの養成を毎年行っています。
また、年に2回、1日研修というかたちで、ボランティアカウンセラーの方々への研修会を開催しています。
 
Qどんな相談内容が寄せられていますか?
 
相談内容は、多種多様ですが、おおまかに分類すると、次のような内容になります。
精神的な悩み、病気・治療に関する悩み、家族に関する悩み、一般的な生活上の相談、一般的な対人関係、障がいに関する悩み・生活のしづらさ、異性との関係…といった内容です。
熊本地震後は、被災に伴うショックや生活再建に関するお悩みのご相談も多くみられています。
 
Q活動のやりがいはなんですか?また苦労する点はなんですか?
 
☆当番に入る日は、朝から負担に感じることもありますが、電話相談を終えて家路に着くときは不思議と充実感でいっぱいになります。
「今日は当番の日だ。」という負担感と「今日も当番ができてよかった。」という充実感。
この繰り返しでここまでやってきました。
この「苦労とやりがいの繰り返しがあり、長年続けられていると思います。
私の場合、仕事とまったく無関係の分野ではなかったので、「こころの電話」が自分にとって研鑽の場とも感じていますし、このボランティアが仕事に役立った面も多々あると思っています。
今振り返ると、一度でも辞めたら続けることができなかったと思うし、継続してきたからこそ続けてこられたということを強く感じています。
苦労した点というのは、やはり仕事を続けながら当番に入っていたので、当番の時間に間に合わせるのが大変でした。
また、心をこめて対応しないと、相手には伝わらないということも学びました。
その点は、コーラーさんの感性には鋭いところがあります。
 
電話相談の中で、逆にコーラーさんの方から、いろんな指摘を受けることもあります。
後で考えるとなるほどと納得できることもあり、私の周囲の人たちからは注意されないような点を指摘してもらい、それが自分自身の反省につながったりすることもあります。
苦労する点は、沈黙が続く方に対しての対応、またお話がすぐに始まらない方への話しかけ方や間の取り方をどうするかという点です。
私たちは、言葉なしでは先にすすむことができません。
相手の気持ちをくみとり、こちらが言葉で表現し発信することの難しさを、いつも感じています。

※コーラーさん=電話を掛けてきていただいた方のこと
 
DSCN1014.JPG
 
Qこれまでの活動の中で、最も印象深いエピソードをお願いします。
 
相談の具体的な内容はエピソードとして話すことはできませんが、私自身の失敗談をエピソードとしてひとつ。
私は、夜の最後の時間帯に入ることが多かったのですが、よく電話をされるコーラーさんがいつものように話をされ始めたのに、受話器を握ったまま眠ってしまったことがありました。
その時は、コーラーさんに「聴いているんですか。」と起こされてしまいました。
 
Q「熊本こころの電話」では、現在、ボランティア電話カウンセラーを募集しているそうですが、詳細を教えて下さい。
 
「熊本こころの電話」では、ボランティアの電話相談カウンセラーの養成講座を6月29日から8月3日まで開きます。
対象は、県内在住の20才以上の方です。
講座は、毎週木曜の午後6時半から9時。
熊本市東区にある精神保健福祉センターであり、精神科医や臨床心理士が、講師を務め、楽しい雰囲気ですすめられていきます。
講座終了後、実際にカウンセラーとして活動するためには、研修が2018年3月まで続きます。
熊本地震を考慮し、今年は受講料が無料になっています。
応募の締切は5月末で終わっていますが、定員に若干余裕がありますので、ボランティア電話カウンセラーに興味のある方は、熊本県精神保健福祉協会、電話096-285-6884まで、ご連絡ください。
こちらから、まず応募書類をお送りします。
受付時間は、月曜~金曜の9時~17時です。
 
Q最後に、リスナーにPRしたいこと、今後の活動予定、お知らせなどあれば教えてください?
 
電話カウンセラーの養成講座は、毎年開講しています。
受講は、県内在住で20才以上の方であれば、どなたでも応募できます。
もちろん、特別な資格や免許、経歴なども必要ありません。
日々の暮らしの中で悩みを感じている方に寄り添い、少しでもつらい気持ちや悲しい気持ちを減らすお手伝いをしてみたいと思う気持ちがあれば、どなたでも大丈夫です。
熊本地震後、活動できるボランティア電話カウンセラーの人数は減少の傾向にあります。
お一人でも多くの方に、関心を持ってもらい、学んでいただき、そして、私たちと一緒にボランティア電話カウンセラーとして活動してもらえたらと思っています。よろしくお願いします。
 
■熊本県精神保健福祉協会

『熊本こころの電話』相談電話
電話 : 096-285-6688(年中無休)  
時間 : 11:00~18:30
 
*平成29年4月1日より相談時間が変更になりました。

●ご案内リーフレット (パソコンで閲覧の場合、クリックで拡大します)
(リーフレット内の相談受付時間は変更前の情報です。ご注意下さい。)

リーフレット1.jpg

リーフレット2.jpg


***
ボランティア電話カウンセラーに興味のある方は、熊本県精神保健福祉協会、
電話096-285-6884まで、ご連絡ください。
こちらから、まず応募書類をお送りします。
受付時間は、月曜~金曜の9時~17時です。
***
------

本日オンエアのこのコーナーをポッドキャストでも配信中。

FMK Morning Glory

「熊本の朝をさわやかに!」を合言葉にお届けしています。
毎週月曜~木曜の 7:30~10:34
パーソナリティ
月曜・水曜 長木真琴
火曜・木曜 松村奈央
番組ホームページはこちら