「キング・アーサー」

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キネマのススメ

 
毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。
毎週、松村奈央が選んだ映画をご紹介しています。
 
今日ご紹介するのは、現在公開中の「キング・アーサー」です。
 
昔から語り継がれる英雄伝説、というと、みなさんは何を思い浮かべるでしょうか?
熊本で言えば、加藤清正の虎退治とか、鎮西八郎の伝説・・・、日本全国では、源義経あたりでしょうか?
世界中にも、さまざまな英雄伝説がありますが、中でもヨーロッパで有名なのが、イギリスの「アーサー王伝説」。
中でも、「円卓の騎士」や「聖剣エクスカリバー」のエピソードは良く知られていて、映画や舞台でも何度も描かれてきました。
近いところでは、2004年のクライブ・オーエン主演の「キング・アーサー」がありました。
欧米では何度も何度も舞台化や映像化されている定番の出し物です。
 
今日ご紹介する作品「キング・アーサー」は、そんな超有名なアーサー王伝説を、ガイ・リッチー監督が映画化した話題作です。
ガイ・リッチー監督といえば、スタイリッシュでテンポのいい作風が持ち味で、推理小説の古典「シャーロック・ホームズ」を、現代的なアクション映画として描き出し、大ヒットさせたことも記憶に新しいですね。
ストリート感覚を作品の中に織り込むことが巧みと言われるガイ・リッチー監督なので、この「キング・アーサー」も、伝説の英雄というより、かなりストリートのならず者的なキャラクターに描かれています。
町の不良が、実は、王子さまで高貴な生まれだった・・・・というまさにガイ・リッチー監督らしいストーリー展開。
ちょっと古臭い中世の騎士道の物語を、現代のRPGゲーム風に味付けした、“ソードアクションエンターテインメント”に生まれ変わらせています!
 
ガイ・リッチー監督は、独特な語り口でストーリーを語るので、初めての方は、ちょっと戸惑うかもしれません。
例えば、ある場面の結末を、先に見せて、後で回想しながら、その結末に導かれた理由をフラッシュバックして説明していくスタイルです。
順番に頭から最後まで物語を語るよりスリリングでワクワクさせてくれるストーリーテリングなんですが、この「キング・アーサー」では、この手法が何度も登場してきますので、お楽しみに!
 
主人公は、王の息子でありながら、伯父のヴォーティガンに父を殺され、自分の素性を知らずにロンドンのスラム街で育った若者アーサー。
ひょんなことから、王の象徴とされる、聖剣エクスカリバーを手にした彼は、仲間の力を借りて、父のかたきであるヴォーティガンと対決することになります。
 
アーサーを演じるのは、「パシフィック・リム」のチャーリー・ハナム。
初めは全く主演候補に入ってなくて、オーディションすら受けさせてもらえない状況だったそうですが、ガイ・リッチー監督に猛アピールし、ライバルたちを蹴散らして主役の座をつかみ取ったという、映画さながらの「のし上がりエピソード」の持ち主です。
敵役のヴォーティガンを演じるのは、「シャーロック・ホームズ」ではワトソンを演じていたジュード・ロウ。
目的のためには手段を選ばない極悪非道な悪役を、圧倒的な存在感で演じています。
さらにデビッド・ベッカムも特別出演しています。
 
ちなみに、作品のメインのロケ地となったのは、今もアーサー王にまつわる伝説が数多く残る北ウェールズ地方で、映画に登場する湖の中には、聖剣エクスカリバーが眠っているかもしれないといわれるところもあるそうです。
ガイ・リッチ―監督は、自らのログ・キャビン(丸太小屋)付きのトレーラーをロケ地に持ち込んで、スタッフをもてなしたそうです。
とても居心地のいいトレーラーだそうで、監督自ら得意の卵料理をふるまったそうですよ。
こういうスタッフの心をつかむ魅力的な人物なので、プライベートでもモテる人です。
あのマドンナとは、2000年から2008年まで結婚していて、男の子ひとりをもうけています。
実は、イングランド王の末裔で、いわば「いいとこのボンボン」なんですが、親に頼らず、映画の雑用係からはじめて映画監督まで登りつめた、まさにこの映画の「キング・アーサー」のようなプロフィールの人物です。
 
そんなガイ・リッチ―監督の現場は、映画の撮影というより、まるでキャンプをしているような楽しい日々だったそうです。
毎日、朝からロケ地の湖で泳ぐスタッフもいたそうですよ。優雅ですね。
映画の予算も規模も巨大なハリウッド映画だからこそのエピソードですね。
こういう日々の積み重ねによって生まれた「チーム」の絆が、映画の内容にも、反映されているようで、「キング・アーサー」の周囲の人物が丹念に描かれているのも、今回の映画化の特徴です。
 
さらに、今回のもっとも大きな見せ場は、「聖剣エクスカリバー」が、本当の実力を発揮する場面です。
王となる運命を持ったものだけが使いこなすことができる「エクスカリバー」ですが、最初、アーサーの心の迷いで十分に使いこなすことができません。
その力を解放するのは、仲間との絆です。
いままで見たことない「聖剣」の力が解放される場面は、この映画の中でも最も盛り上がる場面です。
 
RPGゲームが好きな人はもちろん、ゲームをしない人も、歴史に詳しくない人も、誰もが楽しめる、アクションエンターテインメント作品ですよ!
 
今日ご紹介した映画「キング・アーサー」は、
■TOHOシネマズ 光の森
■TOHOシネマズ はません
■TOHOシネマズ 宇城
■ユナイテッドシネマ熊本
■イオンシネマ熊本
で、現在公開中です。
 
「キング・アーサー」オフィシャルサイト
 
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本日オンエアのこのコーナーをポッドキャストでも配信中。

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