「一般社団法人フミダス」

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月曜対談
「ひと」「もの」「こと」に関わるさまざまなトピックを切り取っていくインタビュー「月曜対談」。
「一般社団法人フミダス」からスタッフの木下あさひさんをお招きしてインタビューします。

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●ご出演者のプロフィール
 
名前:木下あさひ (ふりがな)きのしたあさひ
所属:一般社団法人フミダス
 
プロフィール:
去年の夏まで京都の印刷会社で働いていました。
社会人になって7年が経っていて、今考えると安直で恥ずかしい限りですが、残りの人生で「自分は誰に何ができるのか、自分にしかできない仕事」を見つけたいと漠然とくすぶっておりました。
大学でまちづくりに関わっていた経験から、仕事としてもう一度携わりたいと地域関係の仕事を探していた折、フミダスの求人を発見。
創造的復興の観点で事業を展開していたフミダスの取組みに共感し、求人に応募。
フミダスの復興支援事業担当コーディネーターとして採用。
2016年8月末熊本へ移住・転職。今に至ります。
 
Q「フミダス」の事務局などについて、基本情報をお願います。
 
団体正式名称:一般社団法人フミダス
所在地:熊本市東区三郎2-20-15
問合せ:info@fumidas-project.com
TEL:096-284-1840
FAX:096-284-1393
ホームページ:http://www.fumidas-project.com/
フェイスブック:
(熊本復興・右腕プログラム)https://www.facebook.com/kumamotomigiude/
 
Q まず、「フミダス」が設立されたきっかけを教えてください。
 
フミダスは「長期実践型インターンシップ」を事業の核として、2012年4月16日に代表の濱本が設立しました。
「熊本を、ずっと働きたい、いつまでも暮らせるまちに」というビジョンのもと、事業を展開しています。
国立社会保障・人口問題研究所による「将来統計人口・世帯数」(2013年3月推計)によると、2010年~2030年熊本県は2010年約181万人の人口が2030年には約160万人になると予測されています。
20年間で約20万もの人口減。
つまり近い将来、一つ分の市町村がそのまま消えてしまう以上の人口減が待ち受けています。
一方で、これからの熊本を担っていくはずの若者は「熊本面白くないから東京に行く」と言って、熊本を離れる人が多い状況。
 
急激な人口減少や若者の流出など、熊本は地震前から大きな課題を抱えていた状態。
それをどうにかして、熊本がずっと働け、住み続けられるまちにしたいと考えていたのが濱本でした。
このような大きな課題を抱えている熊本の「これから」を切り拓くのは、「課題解決に挑戦する」若者の力だと考え、若者と仕事と地域をつなぐことが必要との想いから活動をしていました。
また、もともと濱本が、学生時代にTV番組制作やまちづくりなどを経験していて、在学中から、社会の中で仕事づくりに取り組む機会の必要性を痛感したことから、実践型インターンシップの事業展開を決めたことが、設立の直接的な動機となっています。
 
Qなぜ「長期実践型インターンシップ」だったのですか?
 
「長期実践型インターンシップ」は文字通り、3ヶ月から半年程度の長期に渡りインターン生として受入先企業の仕事に従事する仕組みで、3つの特徴があります。
1つ目は、インターンに参画する学生が「お仕事体験」ではなく、「期間限定のプロジェクトメンバーの一員」として本気と覚悟を持って仕事に従事する点です。
自分で目標設定した上での挑戦を通じて、主体的に行動しながら思考や行動を磨いて、成果を上げていきます。
2つ目の特徴として、学生が経営者の働く姿を傍らで見ることで、「起業家精神」を習慣付けることができます。
3つ目の特徴として、「長期実践型インターンシップ」は地域や企業にとってもメリットがある点です。
学生は当然、経験がないので即戦力にはなり得ませんが、熱意とやる気でできることがあります。その学生の姿は、経営者や既存社員にとって大きな刺激や気付きになります。
企業の「今まで着手したくてもできなかった」プロジェクトに、学生は、高い熱量を持って臨むため、インターンシップをきっかけに、社内に新しい風が起こることで、組織変化やプロジェクトの加速化に貢献します。
そういった特徴から、熊本の若者と企業がともに課題に挑むことで、人と組織を高め合って、地域で新たな価値と仕事を創造できる仕組みとして、「長期実践型インターシップ」が機能すると考え事業を展開しています。
 
Q「フミダス」という名前の由来は?
 
「挑戦に踏み出す一歩を応援する」という想いを込めて、弊社代表の濱本が考えたようです。
学生も大人も、挑戦に踏み出す人材が生まれ続ける熊本であってほしいとの想いから。
 
Qインターシップの具体例について、いくつか成功事例を教えてください。
 
一番最近の例で言うと、去年(2016年)の8月中旬~3ヶ月間、熊本県立大学などの学生が学外活動で、山都町の町役場へのインターンシップに参画しました。
将来の担い手不足が懸念される山都町の現状を踏まえて、町の魅力を発信することで、山都町出身の若者に、山都町の良さを伝え、山都町の未来を担う人材を増やすことに寄与することが目的。
町役場の一画に、「22世紀山の都ものがたり創生室」という部屋まで設置いただき、そこを拠点に、活性化の機運を高めることを目指した、イベント企画や冊子づくりの活動を行いました。
山都町の矢部高校の生徒や、県内の大学生、そして社会人の交流を目的に、矢部高校で開催。参加者全員で、町の魅力や課題を考えてもらい活性化の機運を高めることを目指したフューチャーセッションを開催しました。
また、冊子は山都町で働く「かっこいい大人」にスポットを当て、インターン生が冊子の中で紹介するスタイルで、「山の都シゴト師匠百科」というタイトルで作成。
山都町への就職を促す求人誌の位置づけで発行しました。
学生たちは想いを持って仕事を生み出している山都町の農家さんや清和文楽の後継者さん、キャンプ場の代表さんを取材して記事化し冊子にしました。
冊子は町役場や町内の他、山都町の成人式で配布され、山都町の「人」に関する魅力や山都町の可能性を伝えることができました。
インターンを終えた学生は、これまで「山都町=通潤橋」というイメージしかなかったけど、インターンで関わるなかで、山都町で熱い思いをもって働く「カッコイイ大人たち」を取材する中で、働くことの楽しさやワクワクを感じた。自分たち以外の高校生や大学生にもその存在や、可能性を知ってもらいたいと思った。
山都町では、自分の仕事を通してそれぞれの視点から山都町の未来を描いていて働く姿がキラキラしていてかっこいいと思った。
未来のことを考えて活動している人がいる地域ってうらやましい!自分の地元はどうなんだろうと思いを馳せるきっかけになった。
という感想を持ち、働くことや自分たちの世代が地域を担っていくことを身近に感じる機会・経験となったようでした。
 
Q「フミダス」の熊本地震後の活動について教えて下さい。
 
2012年の設立以後、実践型インターンシップの事業を中心に展開していたのですが、そんな折熊本地震が発生します。
熊本地震をきっかけに人口流出や、地域で活躍する担い手不足、福祉の問題、農業や観光など熊本の中心産業の衰退など、かねてより抱えてきた地域課題はよりはっきりと輪郭を帯びることになりました。
例えば、人口流出で言うと、総務省が発表した2016年の「人口移動報告」では、2016年の熊本県への転出入数を月別にみると昨年の転出超過が最も多かったのは、2016年の5月でも6月でもなく、熊本地震が起きる前の3月でした。3月の転出超過には地震の影響はないはずです。
それを考えると、熊本を地震前の姿に戻すだけでは、問題を解決できたことにはなりません。
中長期的な支援が必要な今だからこそ、ますます熊本は課題解決に向けた継続的な動きが求められています。
 
そんな中、地域課題解決を事業として取り組むことで継続的に、地域の雇用づくりや経済循環を生み出そうと挑戦を続けているのが、熊本の様々なジャンルのプロフェッショナル、経営者、起業家たちです。
 
ですが、そのリーダーたち自身も被災している状況でダメージを元に戻すことに手いっぱいで、新しい挑戦を継続的に展開していくことが難しい状況にあります。
プロジェクトを実現するためのネットワークや人材といったリソースとの接点がなく、挑戦に踏み出せないといった状況にあります。
そんな復興リーダーが挑戦に一歩踏み出すための力になりたいという思いで、現在は、創造的復興に取り組むリーダーに右腕となる人材をマッチングする「右腕プログラム」を展開しています。
 
余談ですが、実は、フミダスの設立日は2012年の4月16日。
ちょうど5年目を迎えた2016年の4月16日が本震の発生日でした。
そのこともあり、「挑戦する人材の育成」を核に活動してきたフミダスができる復興支援は何かと考え、開始したのが「熊本復興・右腕プログラム」でした。
 
Q活動を通じての苦労、やりがい、失敗したエピソードなどあればお願いします。
 
「地域のこれから」という未来の視点で課題解決に挑む復興リーダーさんとお話し、新しい価値を生み出していく挑戦のお手伝いを、一緒に伴走しながらお手伝いできることをやりがいに感じています。
苦労というか、時間をかけて丁寧にやっていることとしては、ちゃんと課題解決を加速できるようなプロジェクトを、リーダーさんの想いを聞きながら形にすることです。
目指す姿を実現するために、どの課題解決に取り組み、どういうアプローチでゴールまで走るのかを復興リーダーさんと一緒に考えるようにしています。
 
Q「フミダス」では、「右腕プログラム」という事業も行っているそうですが、目的や具体的内容を教えて下さい。

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「右腕プログラム」、現在は、2つのプロジェクトで右腕さんが参画され活動をされています。
1つは黒川温泉黒川温泉観光旅館協同組合。
地震の影響で黒川温泉への訪問客が激減した黒川温泉。
このピンチから脱却するために、地震前からあった課題の解決を軸に、新しい黒川温泉をつくりたいと、着地型アクティビティなどのプロジェクトをスタートされ、そのプロジェクトに右腕さんが7月から参画されています。
もう1つは、先日農林水産大臣賞を受賞された「阿蘇タカナード」の阿蘇さとう農園さんです。
阿蘇の農業や営みを守ために、阿蘇の耕作放棄地や担い手となる兼業農家さんを増やすことを目指されています。
「阿蘇タカナード」はその想いの最たる切り口。
阿蘇高菜の価値を高めるための商品開発や、種を買い取る仕組みなどに取り組まれていて、右腕さんにもそのプロジェクトに参画いただいています。
そして、この秋から稼働するプロジェクトとして、「熊本ヴォルターズ」の運営をしている熊本バスケットボール株式会社で、経営企画を担う事業マネージャーを「右腕プログラム」で現在募集しています。
熊本地震で練習拠点を失うなど、大きなダメージを受けながら、強いチームづくりに取り組まれていく「熊本ヴォルターズ」。
目指すのは、熊本を、スポーツを通して元気にし全国へ広がる地方創生のモデルケースにすることです。
まずは求心力のある強いチームづくりに取り組むべく、そのための経営基盤強化を担う事業マネージャーとして参画する右腕を募集しています!
スポーツの力を信じている方、ビジョンや挑戦に共感してくれた方、想いやアイデアを実現したいと、うずうずしている方、ぜひ右腕へのエントリーに挑戦してください!
 
Q「フミダス」「熊本右腕プログラム」の事業に興味を持った方のために、参加するために準備することや、問い合わせ先などを、お願いします。
 
「熊本右腕」でホームページを検索ください。
CSVとしてご賛同いただける企業さま、
そして、右腕に挑戦したい方からのご連絡をお待ちしております。
 
Q 最後に熊本県民にメッセージがあればお願いします。
 
復興の希望となるべく強いチームづくりを目指す「熊本ヴォルターズ」で、右腕人材さんを募集中です!
ご興味を持っていただいた方は、ぜひ「熊本右腕」でホームページをご覧いただき、お問合せください!

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