「九州の食卓」編集長 坂田圭介さん

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やさしいごはん
「おいしい食べ物は人を元気にします。おいしいものをおいしい季節に食べたいですね。
このコーナー『やさしいごはん』では毎回、季節にぴったりの食に関する話題をお届けしていきます。
今日は第五水曜日ということでスペシャルゲストバージョン。
九州産のオーガニックな食材や生産者、無添加の食品、それらの美味しい食べ方などを紹介する季刊誌「九州の食卓」編集長の坂田圭介さんがゲストでした。

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● ご出演者のプロフィール
 
(お名前)坂田圭介
(所属社名・役職)株式会社ナインフィールド代表取締役/九州の食卓編集長
(プロフィール)
1961年生まれ。熊本市出身。
魚座のB型/趣味はボート、釣り、カヌーのほか、アウトドア全般/東京の大学を卒業後、東京の出版社でマリン雑誌の編集長を務める。
40歳を前に熊本にUターン。
1999年、熊本市内に編集プロダクション「ナインフィールド」を設立。
2009年3月に雑誌「九州の食卓」を創刊。
熊本地震後、2016年7月に菊池郡大津町の肥後大津駅前に事務所を移転。
2016年11月23日に、雑誌で取り上げた九州の食材や調味料などを販売する店舗「九州の食卓セレクトショップ」をオープン。
 
Q『九州の食卓』の基本情報を教えてください。
 
九州の食卓/〒869-1235熊本県菊池郡大津町室148/TEL:096-292-0581
ホームページ/http://www.9syoku.net
 
Q 雑誌「九州の食卓」ですが、雑誌スタートのいきさつ、雑誌の基本コンセプトなどを教えて下さい。
どんなポイントにこだわった雑誌ですか?
 
いきさつ/熊本に帰省し、熊本で仕事をする中、農業関係の取材が少しずつ増えてきました。
取材を通して生産者の方々にお話を伺う中、自分が毎日食べている食材が「誰がどこで、どのように育ててくれたものなのか」という情報を何も知らないことに気づかされました。
また、調味料などの加工品もどのように製造されたものなのかという知識がないことも自覚しました。
ちょうど、世の中も「食」に関する関心が高まりつつある頃で、自らが知りえた情報、継承していかなければならない食に関する知恵や「本当の食のあり方」などを多くの人に伝えたいと、創刊を決意しました。
基本コンセプト/「食べ方を知る、生き方を探す」。
誌面を通して、「食べること」の大切さ、「家族が食卓を囲んで食事をする」ことの大切さを伝えたいと思っています。
誌面では、「九州産の食材を選ぶこと」「米中心の食事をとること」「みそ汁を毎日飲むこと」「旬の露地野菜、近海ものの魚介類を選ぶこと」「調味料には贅沢をすること」「添加物の入っていない加工食品を選ぶこと」「手作りを心掛けること」「プランター栽培でもいいから野菜を育ててみること」「朝ごはんはできるだけ家族全員で食べること」「感謝の気持ちを込めて「いただきます」を口にすること」を10の提案として紹介しています。
 
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Q「九州の食卓」のこれまでで人気の特集内容、読者からのリアクションなどを教えてください。
 
お弁当特集/できるだけ手作り(スーパーなどでしか買えないと思っている調味料や加工品を手作りしてみる特集)/天然酵母で作るパン特集/いずれも完売しています。
反響が大きかったのは、現在発行している今年の夏号です。
特集は「夏だから、発酵食」。
市販の豆乳にヨーグルトを混ぜるだけの「豆乳ヨーグルト」をはじめ、簡単に作ることができ、毎日の生活に取り入れることができる発酵食と、発酵食を使ったレシピを紹介しました。
全国から雑誌の注文があり、セレクトショップに来店される方からも「実際に作ってみました」との声を多数いただきました。この夏号は現在発売中です。
 
Q 熊本の食の魅力はどんな点だと思いますか?
雑誌ではその魅力をどう伝えていますか?
 
年間を通じて豊富な量と種類の野菜とくだものがあること。
生産地と消費地が近く、新鮮で安価な農産物が買えることが魅力です。
また、鶏、豚、牛などの畜産物、近海の好漁場で穫れる豊かな海産物など、とにかく食材が豊富です。
誌面では新鮮だからこそ、あまり手を加えずにシンプルに調理する方法を中心にご紹介。
素材そのものの美味しさを感じてもらえるように意識しています。
 
Q「九州の食卓」では、セレクトショップも展開しているそうですね。
場所、営業時間、扱っている商品など詳細を教えてください。
 
場所/肥後大津駅北口を背にして右に約100メートル、徒歩1分弱の場所です
営業時間/11〜19時
店休日/日曜、祝日
取り扱い商品/雑誌「九州の食卓」で取材し、紹介した九州産のオーガニックの食材、調味料、加工品が中心。
野菜類は農薬を使わずに栽培したもの、調味料や加工品は無添加のもので、伝統的な製法を用いて製造されたもの。
九州の食卓の雑誌ほか、誌面で紹介した料理研究家の方の書籍も販売。
店内奥は書籍類を閲覧いただきながら休憩できるイートインスペースを設けています。
ここは、昭和8年に建てられ、穀物倉庫として利用されていた建物と聞いています。
月1回程度の頻度でプロの方に教わる味噌や醤油の仕込みなどのワークショップも開催。
先日は、夏号で特集を組んだ発酵食に関する教室を開催し、千葉や長崎などからも参加者がありました。
今年3月から縁あって「ゆきち」という猫社員もいます。
(気まぐれなので会えない時もあります)
 
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Q「九州の食卓」のネットショップについても教えて下さい。
 
雑誌の創刊と同時にスタートしました。
セレクトショップ同様、誌面で紹介した九州産の調味料や加工品などを揃えています。
また、自然農や有機農家の方々が育てた野菜の宅配も受け付けています。
 
Q これまでの活動を通じて、印象的なエピソードなどあれば教えてください。
 
熊本地震の際は事務所も少なからず被害を受け、発行の休止も検討しましたが、できるだけいつもと変わらず雑誌を出すことが私たちにできる復興への一助になるのではと考え、無理を押して編集作業を続けました。
ただし特集の企画は急きょ変更。
「便利に頼りすぎないくらし方」と題し、自給自足の暮らしをしている方を取材し、〝自分のことは自分ですることの大切さ〟を訴えました。
ライフラインが止まり、スーパーもコンビニも閉まってしまうと、私たちはもうお手上げ。
自分で自分の食べるものを賄う方法すら持っていないということに危機感を感じたからです。
今、私たちは本来自分でやるべきことを、お金を払って人にやってもらっています。
いきなり自給自足は無理でも、そのことを意識するだけでも感謝の気持ちが生まれ、謙虚な気持ちになれるのではないかという考えのもとに企画しました。
 
Q PRしたいことなどあれば、お願いします。
 
セレクトショップでのイベントほか、食を考える定期イベントの「九食塾(きゅうしょくじゅく)」を開催しています。
誌面に登場していただいた方たちによる講演会や料理教室、農業体験などを実施しています。
次回は2017年9月17日に南阿蘇村で。
自然食料理家のかるべけいこさんと夫で写真家の野中元さんのご自宅で、「稲刈り体験と昼食会」を予定しています。
5月の九食塾で田植えをして野中さんが育ててくれた稲を1束ずつ鎌で刈り取り、掛け干しするまでを実施します。
昼食はかるべさんの手作りのご飯です。子どもも大人も参加できる毎年好評のイベントです。
 
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パーソナリティ
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