「ボブという名の猫 幸せのハイタッチ」

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キネマのススメ


毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。
毎週、松村奈央が選んだ映画をご紹介しています。
 
今日ご紹介するのは、現在公開中の「ボブという名の猫 幸せのハイタッチ」です。
 
ここ数年、ペットとして猫を飼う人が増えていますよね。
5年ほど前までは、犬の方が200万匹以上多かったそうですが、ここ数年、猫が急激に追い上げていて、昨年の調査では、その差がほとんどなくなっているそうです。
もともとアメリカでは猫の人気が高かったので、日本もそこに追いついてきた、という感じなんでしょうか?
 
空前の「猫ブーム」によって、今年は何本かの「猫映画」が公開されますが、この映画もそんな1本。
「ボブという名の猫 幸せのハイタッチ」は、ある猫によってもたらされた、奇跡のような実話の映画化です。
 
主人公は、ロンドンでプロのミュージシャンを目指すも夢破れ、薬物依存のホームレスとなってしまった青年・ジェームズ。
生活を立てなおそうと、依存克服の治療プログラムを受け始めた彼の元に、ケガした1匹の野良猫が現れます。
なけなしの全財産をはたいて、猫を病院で治療してもらい、ボブと名付けて一緒に暮らし始めたジェームズ。
順調に回復したボブは、やがてジェームズの路上演奏についてくるようになります。
前向きに生きようとするジャームズですが、さまざま困難が彼の前に立ちふさがります。
 
ジェームズを演じるのは、「タイタンの戦い」のルーク・トレッダウェイ。
監督は、「007 トゥモロー・ネバー・ダイ」で知られる・ロジャー・スポティスウッド。
そして、物語の鍵となる猫・ボブを演じているのは、ボブ自身。本物のボブなんです!
 
このボブ君、現在、推定12歳の茶色のトラ猫です。
映画の中で描かれている通り、人を怖がらず、街中の騒音や乗り物にも動じず、しかも演技までこなす、スーパーにゃんこ!
実は、映画撮影のために、カナダから6匹の猫を連れてきたそうですが、ボブのような演技をできる猫がいなくて、急きょボブ本人が出演することになったとか。
 
監督はインタビューに答え、「ボブはただもんじゃない。自分を演じながらも、仲間の役者たちを全力で手伝ってくれたんだ」と語っています。
 
ボブの登場するシーンは、俳優の方が、ボブの自然な動きに合わせるように演技していて、とてもナチュラル。
猫が好きな人はたまらないボブの表情を堪能できる映画になっています。
 
先月には、映画のプロモーションのためにジェームズと一緒に来日を果たし、取材やトークショーなど、多忙なスケジュールをこなしています。
 
猫ばかりにスポットをあててしまいましたが、主人公のジェームズが、ボブを支えにどん底の生活から抜け出していく姿も感動的。
イギリスの薬物依存の深刻な状況も垣間見え、ドラマとしても見ごたえのある作品となっています。
ちなみにジェームズ本人は、この体験を「ボブという名のストリート・キャット」という本に綴り、これが世界30か国以上で出版されるベストセラーとなり大ヒットを記録!
 
現在はホームレス支援や募金活動など、慈善事業家として活動しているそうです。
映画の終盤、書店でのサイン会のシーンに、一瞬本人が出演していますので、お見逃しなく!
 
ホームレス問題、薬物依存問題など、社会的でハードなテーマも描きながら、決して、暗くなりすぎず、人生を前向きに生きようする人たちを応援するような素敵な映画になっています。
 
猫好きの方がメロメロになるのはもちろん、気持ちをほんわりと暖かくしてくれる素敵な1本ですよ!
 
今日ご紹介した映画「ボブという名の猫 幸せのハイタッチ」は、
■Denkikan
で、現在公開中です。
 
「ボブという名の猫 幸せのハイタッチ」オフィシャルサイト 
 
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