毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。

毎週、松村奈央が選んだ映画をご紹介しています。

 

今日ご紹介するのは、今週土曜日・11月18日から公開される「泥棒役者」です。

 

この映画は、朝ドラ「とと姉ちゃん」や映画「ガチ☆ボーイ」などの脚本で知られる、西田征史が、2014年公開の映画「小野寺の弟・小野寺の姉」以来、2度目の映画監督に挑戦した話題作です。

原作は2006年に上演された、西田征史の作・演出の舞台で、今回、彼自身が映画用にリライトし、監督を手掛けました。

 

さて、そのストーリーですが・・・、主人公は、かつて泥棒稼業に手を貸した過去を持つ青年、はじめ。

今は工場でまじめに働き、恋人と暮らす幸せな毎日を送っていましたが、ある日、昔の泥棒仲間に、恋人に「過去」をバラすと脅され、泣く泣くとある豪邸に盗みに入ります。

しかし忍び込んだ屋敷で、次々に思わぬ人に出くわし、泥棒だとバレたくない一心から

「豪邸の主人」、「編集者」、「絵本作家」の3役を演じる羽目に・・・。

果たして、はじめは、無事に窮地を切り抜け、恋人の元へ帰ることができるのでしょうか！？

 

主人公・はじめを演じるのは、関ジャニ∞の丸山隆平。

昨年はシェイクスピア作の舞台「マクベス」に主演して、高い評価を受けました。

豪邸の主人である絵本作家・前園俊太郎役には、名優・市村正親。

マッシュルームカットの個性的な髪型で観客のハートを鷲掴みにします。

はじめの恋人・美沙には、「とと姉ちゃん」で西田監督とコンビを組んだ高畑充希が登場。

はじめと交わすLINEのメッセージが、笑える展開を生んでいます。

 

そのほか、かつての泥棒仲間を宮川大輔、空気の読めないセールスマンを、ユースケ・サンタマリアなど、豪華キャストが出演。

また、この映画の原作となった舞台版「泥棒役者」で主役の泥棒を演じた、片桐仁が、映画版のオリジナルキャラクターとなる、クレーマー気質のユーチューバー・高梨を演じています。

 

芸達者なキャストが揃っているだけあって、それぞれの掛け合いは見事。

お互いの勘違いが重なっていく前半は、かなり笑わせてくれます。

しかし後半になると雰囲気が一変！

緊張感のある展開には目が離せません。

監督が「大人も楽しめる喜劇を目指した」というだけあって、全員が濃いキャラクターながら、彼らに感情移入し、応援したくなる、あたたかな作品に仕上がっています。

 

なおエンディングクレジットの途中にはビックリの後日談も出てきます。
西田監督の前作「小野寺の弟・小野寺の姉」を観ている人には、かなり面白いおまけシーンになっていますので、最後までお見逃しなく！

 

舞台版が原作ということで、この映画では、俳優の芝居が生き生きと捉えられています。

その秘密は、撮影現場、つねに２つのキャメラで俳優を追っていて、撮影された30時間以上の素材から厳選されたテイクで、メリハリのある編集がされています。

舞台と映画の「いいとこどり」のような作品になりました。

 

「最近笑ってないなー」というあなた、是非、この映画で大笑いして、スキッとしてください。明日への勇気が湧いてくるような作品です。

 

今日ご紹介した映画「泥棒役者」は、

 

■ＴＯＨＯシネマズ　光の森

■ＴＯＨＯシネマズ　はません

■ＴＯＨＯシネマズ　宇城

■ユナイテッドシネマ熊本

 

で、今週土曜日・11月18日から公開されます。

 

「泥棒役者」オフィシャルサイト　http://dorobou-yakusha.jp/