「月と雷」

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キネマのススメ

毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。
毎週、松村奈央が選んだ映画をご紹介しています。
 
今日ご紹介するのは、現在公開中の「月と雷」です。
 
この作品は、女性を中心に大きな人気を誇る直木賞作家・角田光代の同名小説を映画化したものです。
角田光代・原作の映画は、「八日目の蝉」や「紙の月」が良く知られています。
どちらの作品でも、主人公の女性が、ふとしたことをきっかけにそれまでの暮らしとは違う、新たな生活や自分へと踏み出していく姿が描かれますが、この映画もそんな1作です。
 
主人公は、幼いころに母親が家を出て行って以来、一般的な家庭を知らずに育った女性、泰子。
近くのスーパーのレジ係として働き、婚約者との結婚を間近に控えていた彼女の前に
昔、半年ほど一緒に暮らした、父の愛人の息子・智が20年ぶりに突然現れます。
そのまま家に居ついてしまった智と過ごすうちに、淡々としていた泰子の生活が、大きく変わり始めます。
 
泰子を演じるのは、「終戦のエンペラー」でハリウッドデビューを果たした、初音映莉子。
泰子と再会し、新たな生活を共にすることになる幼馴染み、智役には話題作への出演が続く、熊本出身・高良健吾。
そして、智の母で泰子の父親の愛人だった直子役には、元バレリーナで女優としても活躍する、草刈民代が扮します。
特に草刈民代は、これまでのイメージとは真逆の、昼間から酒とタバコにおぼれ、根無し草のような生活を送る、いわゆる“汚れ役”。
ふらふらと歩く姿は全く別人のようで、その表現力に改めて驚かされます。
 
監督の安藤尋監督は、「blue」や「海を感じる時」など、女性の繊細な心の変化を描き出すことに定評があり、今回もヒロインの心情に寄り添った演出を見せています。
 
この作品に登場するのは、特殊な家庭環境で育った、あまり普通ではない人々ですが、なぜかチャーミングで愛らしく見えてくるのが不思議なところ。
“家族の形”についても考えさせられる作品です。
 
今日はこの映画「月と雷」で智役を演じている、高良健吾さんへのインタビューをお送りしました。
11月25日(土)のDenkikanで行われた「月と雷」初日舞台挨拶の前に、
貴重な時間を割いてインタビューに答えてくれました。
「FMK Morning Glory」の独占インタビューです。
インタビュアーは、「月刊行定勲」のパーソナリティとしてもお馴染み、きべとしお さんです。
 
インタビューの内容はFMKポッドキャストにてお聴き下さい。

●FMK ポッドキャスト
https://blog.fmk.fm/blog/
 
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一言、一言をゆっくりと噛みしめるように答えるのが印象的でした。
家族について、好きな人について、もう一度見つめ直してみたくなる作品かもしれません。
 
今日ご紹介した映画「月と雷」は、
■Denkikan
で、現在公開中です。
 
以上、キネマのススメ でした。
 
「月と雷」オフィシャルサイト
http://tsukitokaminari.com/

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パーソナリティ
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