映画「blank13」

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キネマのススメ

 
毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。
毎週、松村奈央が選んだ映画をご紹介しています。
 
今日ご紹介するのは、今週土曜日・4月14日から公開される「blank13」です。
齊藤 工というと、みなさんはどんなイメージを持っていますか?
 
俳優だけでなく、写真家、映画情報番組のMC、移動映画館の主宰など、様々な顔を持つクリエーター、齊藤 工。
これまでに、短編映画を6本製作し、映画監督としての顔も持つ彼ですが、待望の長編映画監督デビュー作となるのが、今日ご紹介する映画「blank13」です。
デビュー作にもかかわらず、「第20回 上海国際映画祭」の「アジア新人賞部門 最優秀監督賞」をはじめ、15か国20もの映画祭に出品され、なんと6冠を獲得。
 
4月の6日、7日、8日の3日間、熊本県下各地で行われた「くまもと復興映画祭2018」でも、この「blank13」は、特別招待作品として、上映されました。
斎藤監督は、二の丸広場でのオープニングセレモニーにサプライズで登場。
菊池市文化会館でのティーチインや薬師丸ひろ子を囲んでの「青春映画を語るスペシャル・トーク」、市民会館シアーズホーム夢ホールでの「新進監督シンポジウム」と3日間の熊本滞在で精力的に活動。
俳優としてのカッコよさ以上に、クリエイターとして、真摯にモノ作りに取り組む姿勢に、魅了されるファンも多かったとか・・・・。
 
では、その「blank13」ストーリーを少しご紹介しましょう。
主人公は、現金輸送車の警備員として働くコウジ。
ギャンブル好きで、多額の借金を抱えていた父は、彼が子供のころ失踪していました。
そんな父の消息が、13年ぶりに判明。
しかしガンを患った父は、余命わずか3か月でした。
苦しい暮らしを強いられた母と兄は、父に会おうとしませんでしたが、コウジは優しかった父の記憶を思いだし、病院で再会を果たします。
その後、父は死去。
葬儀に参列した人々が語る思い出話から、家族が知らなかった父の姿が明らかになっていきます。
 
タイトルの「blank13」は、家族が知らない、父の空白の期間のこと。
映画の前半は、主人公の目を通して見た家族の姿で、子どものころの回想シーンと、大人になっての再会シーンが交互に描かれ、父への複雑な思いをうつす、シリアスな展開です。
しかし後半の葬儀のシーンは、それまでの雰囲気から一変!
 
実はこの映画、一番初めはコントの企画からスタートしたそうですが、それも納得の、悲しい中にユーモアあふれる場面が繰り広げられます。
この後半シーンはほとんど役者のアドリブで、1時間あまり回しっぱなしだったそうです。思い切った演出をしますよね。
芸人パートの完成度が高く、コント企画からバージョンアップして、映画として公開することになったそうです。
前半と後半の映画のタッチが大きく変化するのですが、そこもこの作品の魅力になっています。
 
出演者は、主人公を演じる高橋一生をはじめ、
父親役のリリー・フランキー、恋人役の松岡茉優など、いま売れっ子の俳優が集合。
齊藤 工自身も、主人公の兄役で登場しています。
 
母親役を演じる神野美鈴は、三谷幸喜やケラリーノ・サンドロビッチをはじめ、人気劇作家の舞台に数多く出演する実力派です。
お葬式に参列する人々も、村上淳、佐藤二朗など個性派俳優ぞろい。
さらに、芸人では、ミラクルひかる、野生爆弾のくっきー、「ラッセンが好き!」でお馴染みの永野なども、意外な役で登場します。
 
キャストは超豪華!音楽監督を、RIZEのメンバーで俳優の金子ノブアキが担当、福山雅治も製作に名を連ねるなど、話題も豊富です。
才能あふれる新人映画監督・齊藤 工の世界をぜひ楽しんでください!
 
今日ご紹介した映画「blank13」は、
■Denkikan
で、今週土曜日・4月14日から公開されます。
 
「blank13」オフィシャルサイト
 
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