毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。

毎週、松村奈央が選んだ映画をご紹介しています。

 

今日ご紹介するのは、現在公開中の「パシフィック・リム：アップライジング」です。

 

日本のテレビアニメや特撮を見て育ち、ハリウッドきってのオタクとして名高い、ギレルモ・デル・トロ監督。

彼が、モンスターへの有り余る愛情を注ぎこんで作り上げた「シェイプ・オブ・ウォーター」では、ついにアカデミー作品賞、監督賞など4部門を受賞し、ハリウッドを代表する監督に上り詰めましたよね。

 

そんなギレルモ・デル・トロ監督が、日本のアニメや特撮への愛情を爆発させたのが、2013年に公開された「パシフィック・リム」。

ゴジラを思わせる怪獣と、人間のパイロットがロボットスーツで戦う様子がガンダムやエヴァンゲリオンを思わせ、日本のアニメ・特撮ファンから熱狂的な支持を集めました。

今日ご紹介する映画「パシフィック・リム：アップライジング」は、その待望の続編！！

今回、デル・トロ監督は、新たな人材に監督を託し、自身は、アドバイザーとして、裏方に回っています。

デル・トロ監督は、アカデミー賞を受賞した「シェイプ・オブ・ウォーター」の撮影中にも、今回の「パシフィック・リム」の撮影に対して、さまざまなアドバイスをくれて、映画作りをサポートしたそうです。

 

舞台は、人類とKAIJUとの死闘から10年後の世界。

KAIJUとの戦いで英雄となった父を持つジェイクは、優秀なパイロットだったもののある理由から軍を除隊し、違法行為に手を染めていました。

しかし、平穏を取り戻していたはずの地球に、進化をとげたKAIJUが再び現れます！

KAIJUの脅威を初めて目の当たりにしたジェイクは、義理の姉である森マコが率いる若手パイロットチームに加わり、KAIJUに戦いを挑みます！

 

主人公のジェイクを演じるのは、「スター・ウォーズ　最後のジェダイ」のジョン・ボイエガ。

彼の相棒役を、「ワイルド・スピード　ICE　BREAK」のスコット・イーストウッドが演じています。

また、菊地凜子が、前作同様、森マコ役で出演しているほか、新田真剣佑が、若きパイロット役でハリウッド・デビューを果たしているのにも注目です。

 

劇中に登場する巨大ロボットは「イェーガー」と呼ばれ、今回、第6世代の機体が5種類も登場します。

スタッフは、デザインをバージョンアップするテイストを、「ガンダム」から学んだと発言しています。

前作のテイストを残しながら、スマートになったり、骨太になったり、さまざまな工夫が凝らされているデザインも見どころです。

赤い塗装のイェーガーなどは、ガンダムに登場してもおかしくないデザインです。

 

監督は、テレビシリーズ「スパルタカス」や「ヤングスーパーマン」などで知られ、今回が長編映画デビューとなる、スティーヴン・Ｓ・デナイト監督。

彼自身も、ウルトラマンやゴジラ、ガンダムといった日本のアニメや特撮に親しんできたそうで、映画の最終決戦地が東京となったのも、“憧れの街を壊したい”という夢があったからだそうです。

 

今回の作品には、1作目を観ていなくても楽しめるように、細部に前作の「おさらい」の描写が入っていますが、1作目を観ておくと、さらに細部の作りこみがわかるようになっています。

入口は広く、奥行きは深い作りです。

 

例えば、1作目の登場人物たちが、いまは英雄として、イェーガーの基地にポートレイトが飾られていたり、1作目で倒したKAIJUが、今回のクライマックスに意外な方法で活用されたりしている点など、ちょっとした描写も面白ポイントが満載です。

 

1作目のヒロイン、菊池凜子演じる森マコが、「新世紀エヴァンゲリオン」の綾波レイに似ているというのが話題になりましたが、今回もいろんな場面で「エヴァ」風の描写が出てきます。

さらには、「マジンガーZ」などの熱血スーパーロボットものからの影響も大きく、日本人なら、さらに楽しめること受けあいです。

 

ちなみに製作のレジェンダリーは、さらにこのシリーズをアップデートする計画で、まだ「噂」の段階ですが、ゴジラやキングコングの登場する「モンスター・バース」のシリーズと　この「パシフィック・リム」のシリーズを融合させる計画を持っているとか・・・・。

ゴジラVS「イェーガー」という夢の対決がいつの日か見られるかもしれません。

 

新たな世代にバトンタッチし、前作から様々な面でアップデートしたこの作品。

ぜひ映画館で、新たな「パシフィック・リム」を体験してくださいね！

 

今日ご紹介した映画「パシフィック・リム：アップライジング」は、

■ＴＯＨＯシネマズ　光の森

■ＴＯＨＯシネマズ　はません

■ＴＯＨＯシネマズ　宇城

■ユナイテッドシネマ熊本

■イオンシネマ熊本

で、現在公開中です。

 

「パシフィック・リム：アップライジング」オフィシャルサイト

http://pacificrim.jp/