映画「レディ・プレイヤー1」

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キネマのススメ

 
毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。
毎週、松村奈央が選んだ映画をご紹介しています。
 
今日ご紹介するのは、現在公開中の「レディ・プレイヤー1」です。
 
スティーブン・スピルバーグ監督の最新作として注目度の高いこの作品。
アメリカの作家アーネスト・クラインの小説「ゲームウォーズ」を映画化したSFアクションです。
原作の小説は、2011年に発表され、50か国以上で発行。
ニューヨークタイムズのベストセラーリストで第1位を獲得しました。
その内容のスケールや複雑さから、「映画化は不可能」とまで言われた小説を、巨匠スピルバーグが、期待以上のスケールで映像化しました。
3月29日(木)から全米を含む62の国と地域で封切られたこの作品、4月1日(月)までの4 日間で200億円の興行収入をあげています。
たった4日間で200億円というのは、とてつもないロケットスタートです。
 
その気になるストーリーは・・・・・。
舞台は、貧富の格差が激しくなり、多くの人々がスラム街での暮らしを強いられる世界となった、近未来の2045年。
現実逃避した人々は、ゴーグルをかければ全てが思い通りになるヴァーチャル・リアリティの世界「OASIS」で、理想の人生を楽しむ日々を送っていました。
自身とは違ったアバターを使って、さまざまなことが実現するもう一つの世界です。
 
そんなある日、「OASIS」の開発によって巨万の富を築いた大富豪のハリデーが亡くなり、「OASIS」に隠された3つの謎を解明したものに莫大な遺産と「OASIS」の運営権をゆずる、というメッセージが発信されます。
それ以来、世界中の人々が謎解きに挑戦。
17歳の孤独な少年・ウェイドも参加し、自らのアバターであるパーシヴァルで1つ目の謎を解き明かすことに成功します。
一躍「OASIS」の有名人となったウェイドですが、ハリデーの遺産を狙う巨大企業IOIの魔の手が忍び寄ります!
果たして、ウェイドたちは、「OASIS」の平和を守ることができるのでしょうか?
 
「ジョーズ」や「E.T.」や「ジュラシック・パーク」などなど、これまで、新たな映像表現で観客を驚かせてくれた、スピルバーグ監督。
20代で監督デビューして、現在71歳になるまで、つねに最新の技術を使った映像表現で、映画の世界を革新させてきたまさに「映画の申し子」と言える存在です。
いまのハリウッド映画に欠かせないCGの技術ですが、映画に本格的に導入されたのは、1993年の「ジュラシック・パーク」が初めてでした。
1998年の「プライベート・ライアン」では、第2次世界大戦の戦場をこれ以上ないくらいリアルに再現。それ以降の戦争映画の表現を大きく変えました。
プロデューサーとしても、多くの才能を発掘し、ハリウッドのヒットメイカーに育てあげました。
また、黒澤明監督の弟子を自認し、制作資金の目途がたたず苦労していた黒澤の作品「夢」の脚本を一読して、ワーナーブラザースに「この作品を絶対に作るべきだ」と説得したエピソードは、映画界では有名です。
 
そんなスピルバーグ監督が、今回が初めて手掛けたのが、ヴァーチャル・リアリティの世界。
どんな未来の映像が見られるのか・・・と思いきや、なんとそこに広がるのは、なつかしの1980年代の世界なんです!
というのも、「OASIS」の開発者・ハリデーは80年代オタクで、「OASIS」の中のカルチャーは80年代のものばかり、という設定だから。
音楽やファッションだけでなく、実際の映画やアニメ、ゲームのキャラクターが数多く登場します!
たとえば「AKIRA」の金田少年のバイクと、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のデロリアンがレースをしたり、バットマンやロボコップ、
「13日の金曜日」のジェイソンやといった、大ヒット映画のキャラクター、さらには、キティちゃんや「ストリート・ファイターⅡ」の春麗、ガンダムなど、日本のキャラクターもたくさん出てきます。
どのキャラクターが、どんな場面で現れるか、それを探すだけでも楽しいですよね。
 
実は、原作には、スピルバーグ作品のキャラクターが、「これでもか!」というくらいたくさん登場するのですが、映画の内容とのバランスを考えて、スピルバーグ・キャラを少なくして、世界中ポップ・カルチャーのキャラクターをたくさん登場させているそうです。
特に日本の作品が多いのは、スピルバーグ監督の好みが反映されているそうです。
これだけのキャラクターの権利を処理するのは、途方もない時間とお金がかかっているはず、スピルバーグ監督でなければ実現できなかった夢の映画です。
 
この映画の原作者であるアーネスト・クラインは1972年生まれで、80年代のポップカルチャーの中で育ってきた世代。
タイトルの「レディ・プレイヤー1」という言葉も、80年代のアーケードゲームやテレビゲームでプレイを始める時に画面に現れるメッセージに由来しています。
アーネストは、現在、続編の小説を執筆中のとのこと。
映画の続編が間違いなく作られるでしょうね!
 
そんなアーネストが描いた夢の80年代の世界を、その時代のカルチャーを代表するスピルバーグが実際に映像化した、まるで、映画のおもちゃ箱のような1本。
ぜひ大きなスクリーンで楽しんでくださいね!
 
今日ご紹介した映画「レディ・プレイヤー1」は、
■TOHOシネマズ 光の森
■TOHOシネマズ はません
■TOHOシネマズ 宇城
■ユナイテッドシネマ熊本
■イオンシネマ熊本
で、現在公開中です。
 
「レディ・プレイヤー1」オフィシャルサイト
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