映画「ダンガル きっと、つよくなる」

カテゴリー
キネマのススメ


毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。
毎週、松村奈央が選んだ映画をご紹介しています。
 
今日ご紹介するのは、現在公開中の「ダンガル きっと、つよくなる」です。
 
毎年数多くの映画が作られ、アメリカに匹敵する映画王国といわれるインド。
特にムンバイで作られる映画は、ムンバイが昔「ボンベイ」と呼ばれていたことになぞらえて、“ハリウッド”に対抗して“ボリウッド”なんて呼ばれています。
 
インド映画の特徴といえば、歌やダンスをふんだんに取り入れた一大エンターテインメントで、今年日本でも大ヒットした「バーフバリ 王の凱旋」はその典型です。
「バーフバリ」に関しては、Denkikanで2部作の一挙上映が6月2日から予定されています。
いま、日本では、インド映画がちょっとしたブームなんです。
今日ご紹介する「ダンガル きっと、つよくなる」は、その「バーフバリ」を抜いてインド映画史上世界興行収入ナンバーワンに輝き、世界各国で大ヒットを記録した、実話を基にした人間ドラマです。
 
タイトルの「ダンガル」とは、「レスリング競技」という意味。
そのストーリーをご紹介すると・・・。
主人公は、レスリングを愛し、インドの国内チャンピオンにまでのぼりつめたマハヴィル。
生活のためにレスリングをあきらめた彼は、まだ見ぬ息子を金メダリストにするのが夢でした。
しかし、生まれたのは4人連続で女の子。マハヴィルは、またしても夢をあきらめます。
ところがそれから数年後。長女のギータと次女のバビータが、ケンカで男の子をボコボコにしてしまいます。
2人に格闘のセンスを見出したマハヴィルは、彼女たちをレスリング選手にしようと決意。その日から男物の服を着せ、お菓子も禁止。
朝早くから厳しい特訓をはじめます。
その姿を町の人は笑いますが、マハヴィルは一向に気にせず突き進みます。
そんな父に、娘たちはささやかな抵抗を続けるのですが・・・。
 
インド版のスポーツ根性もの、といった感じですが、なんとこの話、実話に基づいたもの。
元アマチュアレスリング選手のマハヴィル・シン・フォーガットと彼の娘フォーガット姉妹の半生を描いていて、彼女たちは国際大会で
日本の伊調馨選手や、吉田沙保里選手とも対戦しています。
映画でギータとバビータを演じた女優は、全くレスリングの経験がなかったそうですが出演が決まってから8か月間にわたって特訓を受け、本物の選手さながらの戦いぶりを見せてくれています。
 
熱血指導の父親マハヴィルを演じるのは、インドのスーパースター・アーミル・カーン。
「きっとうまくいく」「チェイス!」「PK」など。日本でもヒット映画で知られる大スター。
今回の作品は、レスラー現役時代の20代のマッチョな体型から、引退して太った60代の体型まで、特殊メイクなしに、演じています。
とても同じ人物とは、思えないほどの変化なので、この点お見逃しなく!
 
スポ根ドラマとして十分に楽しめる作品ですが、もう1つ注目したい裏テーマが、女性の生き方。
途中のエピソードでも描かれていますが、インドでは今でも10代前半で親の決めた相手と結婚する女性が数多くいます。
そんな中で、親の影響が大きいとはいえ、自分たちの手で道を切り開いていったギータとバビータ姉妹の物語は、女性たちへの大きなエールとなっています。
 
「ロッキー」「ベスト・キッド」などの熱血スポーツものが好きな方にはもちろんおススメですが、格闘技にはあまり興味がない、という女性にも、ぜひ見ていただきたい1本ですよ!
 
今日ご紹介した映画「ダンガル きっと、つよくなる」は、
■Denkikan
で、現在公開中です。
 
「ダンガル きっと、つよくなる」オフィシャルサイト
 
----
本日オンエアのこのコーナーをポッドキャストでも配信中。
詳しくはここ↓

FMK Morning Glory

「熊本の朝をさわやかに!」を合言葉にお届けしています。
毎週月曜~木曜の 7:30~10:34
パーソナリティ
月曜・水曜 長木真琴
火曜・木曜 松村奈央
番組ホームページはこちら