一般社団法人「Arts and Sports for Everyone」代表理事 吉田祐一さん

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月曜対談
「ひと」「もの」「こと」に関わるさまざまなトピックを切り取っていくインタビュー「月曜対談」。
障がい者の芸術とスポーツ活動を支援する一般社団法人「Arts and Sports for Everyone」代表理事の吉田祐一さんがゲストでした。

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●ご出演者のプロフィール
 
お名前:吉田祐一(よしだゆういち)
所属・肩書:一般社団法人ArtsandSportsforEveryone代表理事
昭和37年5月23日生まれ56歳。1男1女の父親。本業は英語教師。県内の中学校や高校で英語を教えてきました。障がい者スポーツに関わり出したのは、娘に知的障がいがあって、スペシャルオリンピックスに参加するようになった2005年から。スペシャルオリンピックスではボウリングやボッチャのコーチをしています。
 

お問い合わせ電話 : 090-5020-4462
 
Q ArtsandSportsForEveryoneは、いつ頃、どんな目的で設立されましたか?
また設立のきっかけも教えてください。
 
2016年4月、地震の2週間前に設立しました。
障がい者の芸術とスポーツ活動を支援するとともに2020に向けて障がい者団体同士の連携を深める目的で設立しました。
スペシャルオリンピックスは知的障がいに、そしてスポーツに限定されるため、もっと活動の範囲を広げたかったのと、2020に向けて東京で激しく吹き始めた障がい者スポーツへの追い風を少しでも熊本でも吹かせ、2020にその強い追い風に乗るためには今以上に障がい者団体間の連携が必要だと思い、設立しました。
 
Q これまでどんな活動をしてきましたか?主な活動実績を教えてください。
 
設立後すぐに地震が起きたので、障がい者にできる復興支援活動をと考え、障がい者の音楽グループと一緒に避難所でコンサートをしたり、ボッチャ体験会をしたりしました。
仮設設置後は、仮設の集会所(約10ヵ所)にボッチャセットを無料貸し出ししています。
イベントとしては2016年8月にブラインドサッカー・ロービジョンフットサル講演会&体験会、2017年6月に障がいのある人もない人も一緒に楽しむ楽球交流会、同年11月に障がい者スポーツフォーラム&ユニバーサルスポーツ体験会、2018年7月に楽球甲子園を開催したほか、日本テレビの24時間テレビでボッチャ体験会やミニ大会を過去2年実施、昨年は佐賀でも実施しました。
また、県内各地で要請に応じてボッチャ体験会を随時行っています。昨年1年間で2000人以上の方にボッチャを体験していただきました。
 
Q 先日、楽球甲子園(ボッチャ体験会)というイベントを開催されたそうですが、楽球、ボッチャとはどんなスポーツですか?
歴史やルールなどを教えてください。
 
楽球とはレクレーションボッチャのことで、私たちが独自につけている名前です。
ボッチャはその原型は6世紀にイタリアで生まれ、20世紀に重度障害者向けに広まり、1988年のソウルパラリンピックから正式種目になりました。
日本には1980年代に入り、1997年に日本ボッチャ協会が設立され、2008年の北京パラリンピックに初出場、2016年のリオパラリンピックで初のメダルとなる団体銀メダルを獲得しました。
赤・青の各6球ずつのカラーボールを投げたり、転がしたり、他のボールに当てたりして、ジャックボール(目標球)と呼ばれる白いボールに、いかに近づけるかを競います。
障害のため自分でボールを投げることができなくても、補助具である勾配具(ランプ)を使い、自分の意思を介助者に伝えることができれば競技に参加できます。
楽球は障がいの有無関係なく誰もが参加でき、コートの広さもその場に応じて設定して行います。
カーリングに似ていますが、カーリングは中心が固定されているのに対し、ボッチャは目標となるものがボールで、動く可能性があるので、よりゲーム性が高く、一発逆転も可能な楽しい競技です。
 
Q ボッチャはパラリンピックの正式種目だそうですが、熊本や全国、また世界での競技人口や人気はいかがですか?
有望な選手や有名な選手はいますか?
 
2017年の世界の競技人口は約6000人、日本では約200人と言われています。
熊本では昨年熊本ボッチャ協会が立ち上がったばかりで、競技として取り組んでいる人は数少ないようです。
日本では、リオパラリンピックで団体でメダルを取ったメンバーの廣瀬隆善選手や杉村英孝選手には個人でのメダルも期待されています。
特別支援学校の生徒が参加するボッチャ甲子園が2年前から開催され、若いアスリートも増えてきています。
ボッチャ甲子園には過去2回は松橋支援学校から参加しています。
楽球甲子園にゲストで参加してくれた佐藤駿選手23歳は若手のホープです。
熊本からもパラリンピックを目指すようなボッチャのトップアスリートが出ることを楽しみにしています。
ボッチャ人気はリオ以降大変な高まりを見せています。
楽球甲子園は熊本の特別支援学校・学級の生徒さん対象のレクレーションボッチャ大会でしたが、スペシャルオリンピックスからの参加を含めて、17チーム55人の選手が参加され、熱戦が繰り広げられました。
2021年からは全国障がい者スポーツ大会でもボッチャが始まります。
今回の参加者の中から熊本代表として出場する選手が出てくるのを期待しています。
 
Q ボッチャの魅力はどんなところでしょうか?
 
障がいの有無、年齢、性別、運動技能などに関係なく、誰もが楽しく競技できるところです。
初めての人でも十分に楽しめる反面、奥が深く、極めるにはかなりの技量が必要となります。
障がいのある人とない人が一緒に同じ舞台で競い合えるところが一番の魅力だと思います。
ASEが目指す障がいのある人もない人も日常的に一緒に芸術やスポーツを楽しめる共生社会の実現へ裾野を広げるのに一番のツールだと思います。
 
Q 今後予定されているイベントなどございましたら、ご紹介ください。
 
8月4日(土)の午後に阿蘇内牧のはな阿蘇美で、8月25日(土)26日(日)にイオンモール熊本でボッチャ体験会を開催します。
11月には障がい者のファッションショーを実施する予定です。
 
Q 最後にPRをお願いします。
 
要請があれば熊本のどこにでも出張ボッチャ体験に出向きます。
ご相談ください。
また、一緒に活動してくれる会員や私たちの活動を財政的に支援していただける賛助会員を募集しています。
ぜひご協力よろしくお願いします。熊本を日本で一番の共生社会にするために一緒に活動しましょう。
 
今日のゲストは、一般社団法人ArtsandSportsforEveryone代表理事吉田祐一さんでした。
 
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