「アーリーマン ~ダグと仲間のキックオフ!~」

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キネマのススメ


毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。
毎週、松村奈央が選んだ映画をご紹介しています。
 
今日ご紹介するのは、現在公開中の「アーリーマン ~ダグと仲間のキックオフ!~」です。
 
この映画は、「ウォレスとグルミット」や「ひつじのショーン」シリーズで知られるニック・パーク監督と、アードマン・アニメーションズの最新作です。
これまで4度のアカデミー賞受賞歴があるこのチーム。
150人ものスタッフが1年半という年月をかけて完成させた待望の新作が登場です。
 
アードマン・アニメーションズは、ストップモーション・アニメを代表するスタジオとして知られていて、特に粘土でできたパペットを動かすクレイアニメが有名。
今回の「アーリーマン ~ダグと仲間のキックオフ!~」も、クレイアニメで作られています。
 
CGで作られたデジタル・アニメーションが全盛の最近の映画界ですが、去年から今年にかけて、人間の手のぬくもりを感じさせるような人形アニメーションが、何作か公開されました。
スタジオ・ライカの「KUBO クボ/二本の弦の秘密」やウェス・アンダーソンが日本を舞台にした「犬ヶ島」など、このコーナーでも紹介した愛すべき手作りアニメーション作品たちです。
アードマン・アニメーションズによるこの新作「アーリーマン」は、まさに、手作りアニメの真打登場 ともいうべき完成度の高い作品に仕上がっています。
 
では、そのストーリーをご紹介しましょう。
物語の舞台は、マンモスが生きていた先史時代。
主人公のダグは、現在のイギリスマンチェスターのあたりで、部族の仲間や相棒で豚のホグノブと一緒に、仲良く暮らしていました。
しかしのんびりとした彼らにも、文明の足音は少しずつ近づいていました。
彼らより進歩した、青銅器を使う「ブロンズ・エイジ・シティ」のヌース卿がダグたちが住む谷でとれる青銅を目当てに、進行してきたのです。
ダグは、奪われた故郷を取り戻すため、ヌース卿たちが楽しむサッカーで戦いを挑みます!
即席で結成された石器時代の原始人チームは、果たして青銅器時代のサッカーのスター軍団「レアル・ブロンジオ」に勝利することができるんでしょうか・・・・・?
 
サッカーで故郷を取り戻すなんて、ワールドカップで盛り上がる今の時期にピッタリの映画ですよね。
サッカーの起源にはいろいろな説がありますが、中国で行われていた蹴鞠をはじめ、古代エジプトや古代ギリシャでも足でボールを蹴る人物のレリーフなどが残っていて、人間はかなり古くからサッカーのような遊びをやっていたようです。
 
とはいえ、監督は“サッカー”をテーマにしたかったわけではなく、もともと“原始人とクレイアニメはピッタリだ”と思っていて、さらにこん棒を持った原始人の姿がスポーツをしているように見え、「原始人とスポーツ」というアイデアを思い付いたんだとか。
 
登場する原始人や青銅器文明の都会人は、どの人物をとっても独創的で魅力的。
人間だけでなく、伝言を伝える「伝言バード」や主人公ダグのすばらしい相棒・豚のホグノブなど。映画を見たら大好きになること間違いなしです。
ちなみに、このホグノブの声は、監督のニック・パーク自身が担当しています。
 
この作品のために作られた人形の総数は、273体。
主人公のダグだけでもなんと18体が作られたそうです。
 
白熱した試合の様子は、“現在のサッカー発祥の地”イングランドらしく、アニメといっても見ごたえ十分!
何万人という観客が動くサッカースタジアムの様子は、粘土で作られたアニメーションとは思えない迫力満点のシーンです。
 
ダグが、仲間と協力しながら究極の困難に立ち向かう様子は、人間ドラマとしても楽しませてくれますよ。
勇気が出る1作です、
 
 
今日ご紹介した映画「アーリーマン ~ダグと仲間のキックオフ!〜」は、
■TOHOシネマズ はません
で、現在公開中です。
 
熊本では、日本語吹替え版のみの上映ですが、実力派声優をそろえた最高の吹替え版が完成。
老若男女誰でも楽しめる作品になっています。
ぜひ、ご家族で楽しんでくださいね!
 
「アーリーマン ~ダグと仲間のキックオフ!~」オフィシャルサイト
 
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