映画「グリース」
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毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。
毎週、松村奈央が選んだ映画をご紹介しています。
夏休みに入って、映画館も子供や家族向けの映画ばかりで、観たい映画が見つからない・・・なんて大人映画ファンの方もいらっしゃるんじゃないでしょうか？
今日は、そんな方にぴったりの映画祭を取り上げます。
「ＴＯＨＯシネマズ 光の森」で現在開催中の「午前十時の映画祭 デジタルで甦る永遠の名作」です。
後世に伝えたい、国内外の名作映画を選び、1年間にわたって連続上映する「午前十時の映画祭」。
映画ファンにとってはすっかりおなじみですよね。
毎年、映画に詳しい著名人が選定委員として関わっていますが、今年は、映画パーソナリティの襟川クロ、字幕翻訳家の戸田奈津子、映画評論家の町山智浩、川喜多記念映画文化財団の武田和の4人の映画通がセレクトした27本の映画が、1週間、もしくは2週間ごとに、毎日上映されています。
今年も多彩なラインナップが発表されていますが、黒澤明監督の「七人の侍」や「用心棒」などの作品が、先日、４Kデジタルリマスターで上映され、たくさんの映画ファンが劇場に駆けつけました。
この映画祭で上映される作品は、どの作品も映画の歴史に残る傑作ぞろいなんですが、今日の「キネマのススメ」では、今週金曜日・8月3日から公開されるミュージカル映画の傑作、「グリース」をご紹介します。
「グリース」は、1978年に公開されたミュージカル映画。
当時、「サタデー・ナイト・フィーバー」で人気絶頂だったジョン・トラボルタと、カントリーポップスの歌姫としてアイドル的な人気を誇ったオリビア・ニュートン＝ジョンが初共演して大ヒット！
オリビアが歌い、アカデミー賞最優秀歌曲賞にノミネートされた「愛すれど悲し」やトラボルタとデュエットしてビルボードチャートナンバー1に輝いた「愛のデュエット」など、映画の中で歌われたナンバーも話題になりました。
そのストーリーですが・・・、舞台は1950年代のアメリカ。夏休みの避暑地で知り合った高校生のダニーとサンディ。
ひと夏の恋で終わったはずの2人でしたが、サンディは父の転勤でダニーと同じ高校に転校してきます。
サンディは思わぬ再会に喜びますが、彼女の恋バナを聞いたクラスメイトはビックリ！
実はダニーは、「Ｔ・バーズ」という不良グループのリーダーだったんです！
本当は再会が嬉しいはずなのに、仲間の手前、サンディにはつれない態度をとってしまうダニー。
そんな中、2人の高校が、テレビ局が主催する「全米高校ダンスコンテスト」の会場に決定。
応援団のチアリーダーになったサンディは、ダニーとペアを組んでコンテストに参加することになるのですが・・・。
アメリカが一番輝いていた50年代。
ピカピカのアメ車を乗り回して革ジャンを羽織り、ダンスパーティに興じる華やかな高校生の姿に、映画公開当時1970年代の日本の若者はものすごく憧れたそうです。
なんか分かりますよね。
1970年代のアメリカ映画界は、ニューシネマに代表されるようなリアルでビターな味わいの映画が主流でした。
70年代も終わりになって、ハリウッド映画は、やはり「夢」のような王道の物語をもう一度作ろうとします。
それが、この「グリース」であり、同時期につくられた「スターウォーズ」や「ロッキー」というアメリカン・ドリームを体現した映画たちということになります。
1970年代を通してみるアメリカがもっとも元気だった1950年代。
この映画、「グリース」が描いているのは、リアルな50年代というより、ちょっとデフォルメされた50年代。
今見ると、ちょっと笑っちゃうところもありますが、フィフティーズを基調とした音楽は特に素晴らしく、サントラは当時のビルボードチャートでも大ヒットしていました。
リーゼントスタイルのジョン・トラボルタのキレキレのダンスや可愛いオリビア・ニュートン＝ジョンの若かりし姿も必見の1作ですよ！
今日ご紹介した映画「グリース」は、
ＴＯＨＯシネマズ 光の森 で、今週金曜日・8月3日から16日・木曜日までの2週間公開。
毎日午前十時からの1回のみの上映です。
料金は、一般が1,100円、学生が500円というリーズナブル・プライスです。
ちなみに、今後の「午前十時の映画祭」では、
8月17日（金）からホイット二―・ヒューストンとケヴィン・コスナー主演の「ボディガード」
8月31日（金）からトム・クルーズ主演「トップガン」
9月14日（金）からは、アカデミー賞受賞のベトナム戦争映画「プラトーン」など、傑作・話題作が続々登場します。
往年の映画ファンだけでなく、是非若い観客にも観てほしい映画ばかりです。
「午前十時の映画祭」オフィシャルサイト
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