ワインショップQuruto 古賀択郎さん

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やさしいごはん
「やさしいごはん」
週代わりでレギュラーゲストをお招きして、季節にぴったりの体にやさしい食に関する話題をお送りしています。
今日は第5水曜日ということでスペシャルゲストバージョン。
熊本市中央区にある「ワインショップQuruto」の古賀択郎さんがゲストでした。

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●ご出演者のプロフィール
(お名前・ふりがな)古賀択郎 こがたくろう
(所属社名・役職)ワインショップQuruto店主
 
1979年香川県生まれ39歳。
小学4年生の頃に父親の転勤で熊本に。
生まれは香川県ですが、多感な時期を過ごした熊本を「地元」「故郷」だと思っています
一新小→西山中→済々黌→一浪→立命館大→2003年に広告代理店に就職して上京。
その後、2009年に独立して東京渋谷区にワインバー「Kinasse(キナッセ)」をOPEN。
2013年より「満月ワインバー熊本」を開始。
ナチュラルワインを熊本に広めるために月に一度、満月の夜に帰省してイベントを行う。
2016年3月、キナッセを閉店して熊本へUターン移住。4月に被災。
2016年9月、並木坂にワインショップ「Quruto(クルト)」をOPEN。
2017年、ナチュラルワインと日本ワインのアーカイブサイト「winy(ワイニー)」立ち上げ。
現在、同サイト内で、ワインにまつわるコラムを月に2本ほど執筆中。
 
Q「ワインショップQuruto」の基本情報を教えてください。
 
正式名称 : ワインショップQuruto
住所 : 熊本市中央区上通町11-3浅井ビル1F
電話番号 : 096-240-5326
営業時間 : 13:00-19:00
定休日 : 日曜・祝日

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Q「ワインショップQuruto」の歴史をお願いします。
 
2016年の9月にOPENしたばかりなので、歴史はほとんどありません。
店名の由来は、かつて東京でやっていたワインバーの名前がキナッセ(来なっせ)で、もしも2号店を出すならクルト(来ると?)にしようと思っていたのですが、
結局、使わず終いになってしまったので、ワインショップにこの名前をつけました。
オープンしたきっかけですが、熊本にナチュラルワイン(自然派ワイン)や日本ワインを広めるために、2013年の2月から満月ワインバーというイベントをはじめ、毎月満月の夜に帰省して、知人のお店でイベントを開催してきたのですが、その日に「美味しい!」と思って興味を持ってもらえても、後日、気軽にブラッと1本から買いに行けるお店(酒屋)がないと、
それ以上広がりがない、定着しないとわかり、自分がその役割になれたら、と考えて熊本に戻って酒屋になる決断をしました。
コンセプトは特にありませんが、多くの方がワインに対して抱いている、どちらかというとマイナスのイメージ(難しそう、高い、頭が痛くなる、など)を変えていけるような接客、店構え、品揃えを心掛けています。
ワインはぶどうの良し悪し(畑仕事)が9割。現在、自分のぶどう畑を探しており、午前中はぶどうの栽培に充てたいので、お店のOPENは午後13:00からになっています。
出来上がったワインを簡単に「評価」するのではなく、できるだけ造り手に近い立場・気持ちでいたいと思っています。

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Q「ワインショップQuruto」では、どんなワインを中心に扱っていますか?
代表する商品は?その商品へのこだわりは?
 
ワイン業界で「自然派ワイン(ナチュラルワイン)」と呼ばれるものと、自分が生産者と親交のある、日本のワインを扱っています。
「自然派ワイン」というのは実は明確な定義が存在しないのですが、ワインができるまでの過程を大きく「栽培」と「醸造」の2つに分けて、ものすごく簡潔に説明するとして、「栽培」では、ぶどう畑に農薬や除草剤、殺虫剤などを撒かない、「醸造」では、野生酵母で発酵、砂糖などを加えず、酸化防止剤も極力ゼロに抑える、というのが、自然派ワインの造り手が目指してるスタイルです。
(※よく耳にする「ビオワイン」は「栽培」の話のみをしているワインで、「醸造」に関しては結構いい加減だったりします。「自然派ワイン」と「ビオワイン」は別物です)
自然派ワインは、極端な例を言えば、毎日ピンセットで害虫を取り除いているような生産者のワインですので、どれも本数が極めて少なく、熊本ではQurutoでしか扱っていないものが大半で、かつQurutoに入荷する本数も、少ないものは2本や3本だったりします。
よって、代表する商品というようなものはほとんどありません。
常時200種ほどを在庫していますが、欠品せずに通年通して棚に並んでいるようなワインはゼロに近いです。
商品へのこだわりを僕が口にするのはおこがましいですのですが、生産者がリスクを恐れずに、なるべく自然に、丁寧に造っているワインなので、僕はそれを適切な温度で管理し、常に良い状態を保ち、なるべく自分で試飲をし、味わいや、生産者にまつわるストーリーなども含めて、わかりやすい言葉でお客様に伝えて、「ワクワクやドキドキ」もしくは「感動」を与えたいというのが僕のこだわりです。
商品へのこだわりよりは、扱い方、売り方にこだわりは持っています。
また、数年前から、熊本の農家さんと、熊本ワインさんの全面協力により、醸造に携わらせていただいて、Qurutoオリジナルのワインを造っています。
なるべく熊本県内で有機栽培されたぶどうを使い、野生酵母で発酵させ、補糖や補酸もせず、酸化防止剤もほぼゼロのスタイルで、「熊本発・熊本唯一の自然派ワイン」と呼べるようなものを造っています。
 
Q ワイン初心者のリスナーにアドバイスをお願いします。
 
日本では嗜好品のイメージが強いワインですが、もともとは、安全な飲み水に乏しいヨーロッパを中心に、「発酵しているので、安心して喉の渇きを癒せる飲み物」として広まったものなので、水より安いものも本当に存在しますし、世界中で日々ワインを飲んでる人達の多くも、全くワインに詳しくはありません。
ワインは世界中で造られているぶん、非常に横文字や専門用語の多い飲み物ですので、「よくわからない」とか「詳しくないとバカにされそう」と思われるかも知れませんが、言葉はあれですが、ビールや焼酎、日本酒と同じく「単なるお酒」ですので、「美味しい」か「美味しくないか」だけでも充分です。
ワインの楽しみ方ですが、
ラーメンにも塩やとんこつ、味噌などのジャンルがあるように、一口にワインと言っても、いろんなジャンルや、好き嫌いがあります。
もう少しわかりやすく言えば、音楽に似ているかも知れません。
ジャズもあればクラシックもあり、ロックもある。
自分の好きなアーティストが見つかれば、同じアーティストのアルバムを掘り下げて聴いてみたり、同じジャンルのもの、またはそのアーティストが影響を受けた人の曲を聴いてみたり。
そういう風に枝葉が広がっていく経験をした方は多いと思いますが、ワインも同じです。
同じアーティストでも、初期・中期・後期と作風が違ったり。
時にはジャケ買いしてみるのも良いのではないでしょうか。
選び方としては、なるべく「ワインが好きな店員さんがいるお店」で買う・飲むのが一番だと思います。
今はいろんなお店でワインが買える、飲める時代ですが、ワインが好きな店員さんがいないと、説明にも心がこもらず、何も響かないでしょう。
まずは月に1本、ワインを買うことから始めてみませんか。
1年で12本。美味しかったものはラベルを写真に撮ってメモしておくと良いですよ。
次回、同じお店で「こないだのコレが美味しかったです」と言えば話が早いです。
 
Q これまでの活動を通じて、印象的なエピソードなどあれば教えてください。
 
特筆すべきかっこいいエピソードなどはないのですが、
来店当初は、「これまでワインを一度も美味しいと思ったことがない」「ワインはどちらかと言えば苦手だった」とおっしゃっていた数人のお客様が、現在は、週に1度、月に1度のペースで、ワインを買いにいらしてくれています。
熊本に戻ってきた意味があったなぁ、と嬉しい気持ちになれます。
 
Q PRしたいことなどあれば、お願いします。
 
おそらくワイン専門店としては日本一狭いお店です。
PRできるようなことはあまりないのですが、
ちょうど8月末より、Qurutoのオリジナルワインが1種類、リリースされます。
「Rememberme.」という名前の白ワイン。

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ナイアガラという品種のぶどうを使用していますが、甘くないので食事にも合わせやすく、どこかなつかしい、食用ぶどうの香りがフワッと漂います。
また、おそらくこのワインが世の中に出るのは1回きり。
去年、縁あって譲っていただいたぶどうで仕込みをしたものなので、今後、同じワインは仕込みません。

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そういうところからリメンバーミーというネーミングにしました。
価格は2,300円(+税)です。宜しくお願い致します。
 
今回のゲストは、「ワインショップQuruto」の古賀択郎さんでした。
 
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