毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。

毎週、松村奈央が選んだ映画をご紹介しています。

 

今日ご紹介するのは、今週金曜日 9月21日から公開される「食べる女」です。

 

まだまだ暑い日が続きますが、9月も半ばを過ぎ、秋の気配を感じるようになりました。

秋といえば、食べ物のおいしい季節ですよね！

今日紹介する映画「食べる女」は、そんなグルメの秋にピッタリの作品です。

 

原作は、1970年代から、数々のアニメやドラマの脚本を手掛けた

ベテラン脚本家で小説家の、筒井ともみ　による、短編小説集。

「それから」、「失楽園」、「阿修羅のごとく」など、印象的な女性を描かせたらピカイチの脚本家が、今回、映画化するにあたって、自らの原作をもとに脚本を執筆。

筒井は、単なる脚本家というポジションだけでなく、企画、原作、脚本、プロデュースという4役をつとめ、作品の内容に深くかかわっています。

監督は、「手紙」の生野慈朗がつとめています。

生野慈朗と言えば、テレビドラマの世界でその名を知らない人はいないというほどの巨匠。

「男女7人夏物語」、「愛していると言ってくれ」、「ビューティフル・ライフ」「オレンジ・デイズ」などの大ヒットドラマを、演出してきた大物ディレクターです。

 

さて、気になるそのストーリーですが・・・。

主人公は、東京の片隅で、古びた日本家屋で、古書店「モチの木」を営みながら、文筆家としても活動する、餅月敦子、通称・トン子。

料理をこよなく愛する彼女の家には、仕事も年齢もバラバラの、様々な女性たちが集まってきます。

おいしい食事を楽しみながら、悩み多き胸の内を語る彼女たち。

トン子は、そんな女性たちをもてなし、見守っているのですが・・・。

 

主人公のトン子を演じるのは、小泉今日子。

実はこのキャラクターは、映画のオリジナル。ドラマ「センセイの鞄」で小泉今日子と組んだ筒井ともみが、彼女にほれ込み、演じてもらうためにオリジナルで作り出した主人公です。

映画化が持ち上がった当時、小泉今日子はスケジュールがいっぱいだったため、制作を2年遅らせたというから、そのほれ込みようが分かりますね。

 

その他の出演者もすごいです。トン子の編集担当者・圭子、通称「ドド」を、沢尻エリカ、ドドの飲み仲間でドラマ制作会社に勤務する多実子を、前田敦子。

トン子の幼馴染のごはん屋の女将・美冬を鈴木京香。

さらに、壇蜜、広瀬アリス、山田優、朝ドラ「マッサン」でヒロインを演じたシャーロット・ケイト・フォックスなど、今を時めく豪華な女優陣が出演。

そろって、見事な食べっぷりを見せているのも注目です。

食べ方で、その人物の性格や心の動きを表現していますので、台詞のない食べるシーンに是非注目して観て下さい。

 

また、映画のもう１つの主役となるのが、スクリーンに登場する料理たち。

筒井ともみは、これまで食に関するエッセイ本を出してきたほど食にこだわりがある作家。

今回、登場する料理のレシピも担当。

全部で50種類以上あり、おなじみの家庭料理にちょっとした工夫が加わっているそうです。

映画に登場する料理を集めたレシピ本「いとしい人と、おいしい食卓」も発売されているので、映画の中で見たおいしそうな料理が、自分でも再現できるのもうれしいところ。

 

どんな料理が登場してくるか、ほんの一部をご紹介します。

「トマトと卵と白きくらげの炒め物」

「菜の花の昆布〆め」

「手羽先の岩塩焼き」

「アジのサワークリーム和え」

「春雨と牛ひきの中華風煮込み」

「ポテトサラダ」

「自家製ぬか漬け」

「酒饅頭」

「タタミイワシ」などなど。

 

食べるシーンのために、すべて本物が用意され、撮影のシーンはスタジオに美味しい香りが漂っていたそうです。

撮影の段取りもあるので、料理を準備するスタッフも手際よく準備して、撮影の時に最高に美味しいタイミングで出すように心がけていたとのこと。

スタッフやキャストもおなかが「グー」となることも多かったとか・・・・。

 

この映画では、クライマックスで、ある食べ物が登場します。

シンプルでどこにでもあるような「ある食べ物」。

たくさん料理が登場してきますが、この食べ物が一番印象に残ります。

いったいどんな食べ物なのかは、スクリーンで見てのお楽しみです。

映画で目で楽しみ、映画の後、実際に作って味を楽しめる、目にもお腹にも嬉しい新しいタイプの女性映画ですよ！

 

今日ご紹介した映画「食べる女」は、

■ＴＯＨＯシネマズ　はません

■ＴＯＨＯシネマズ　宇城

■ユナイテッドシネマ熊本

■イオンシネマ熊本

で、今週金曜日・9月21日から公開されます。

 

「食べる女」オフィシャルサイト

http://www.taberuonna.jp/