日本介護福祉士会 会長・熊本県介護福祉士会 会長の石本淳也さん

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月曜対談
「ひと」「もの」「こと」に関わるさまざまなトピックを切り取っていくインタビュー「月曜対談」。
日本介護福祉士会 会長で、熊本県介護福祉士会 会長の石本淳也さんがゲストでした。

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●ご出演者のプロフィール
 
お名前(ふりがな):石本淳也いしもとじゅんや
所属・肩書:日本介護福祉士会会長/熊本県介護福祉士会会長
熊本県八代市出身、S46年生まれ、平成4年から熊本市の特別養護老人ホームで介護職として働きだす。
その後、平成16年から介護老人保健施設に転職。
主な職歴は、介護職・相談員・ケアマネ・管理者など。
平成20年度より熊本県介護福祉士会会長に就任(現在も)、平成28年度より日本介護福祉士会会長に史上最年少で就任。
現在は、国の各審議会などの委員や、介護福祉士養成学校の非常勤教員、講演活動や執筆活動などを幅広く行っている。
資格:介護福祉士・社会福祉士・介護支援専門員(ケアマネ)
 
Q「介護福祉士」とはどんな資格ですか?
主な仕事内容、資格の取得方法等、教えてください。
 
介護に関する唯一の国家資格が介護福祉士。
資格制度として動き出して30周年。
全国の国家資格登録者数は162万人。
主な仕事は、介護を必要としている方の心身の状況に応じた、介護または福祉的支援、タンの吸引などの医療的ケアを行う。
国は介護人材の「中核人材」と位置付けている。
最近法改正が行われ、介護福祉士養成学校(大学・専門学校・高校)に進学し国家試験を受ける、または現場経験3年+実務者研修(450時間)の研修を履修して国家試験を受ける。
筆記試験合格後、国に登録して正式に介護福祉士になれる。
熊本県内の登録者数は約2万5千人ほど。
 
Q 石本会長が介護福祉士になろうと思ったのはいつ頃、どんなきっかけでしたか?
 
無資格で業界入りし、介護の仕事の難しさや自分の未熟さに気づき、働きながら資格を取得した。
平成8年度の試験合格。
資格取得後は、有資格者として自分の言動に責任を持たなければ!という感じで仕事に向き合う気持ちが変わった。
 
Q「介護福祉士」というと、「体力も必要な大変な職業」というイメージもあるのですが、実際のところはいかがですか?
現状について教えてください。
 
体力はもちろん不要ではありません。
しかし、介護は力仕事ではありません。
腕力が強ければ介護がうまくいくわけではなく、テクニックや知識を身につけることで、十分カバーできます。
夜勤勤務などもありますが、夜勤がある仕事は介護だけではありません。
介護だけが特別に辛くて大変というわけではありません。
近年はロボットやICTなどの先端技術を導入する動きもあり、業務負担の軽減も図られつつあります。
 
Q 介護現場におけるAIの導入については現在、どんな状況でしょうか?
どんなメリット、デメリットが考えられるでしょうか?
 
先述したように、AIやロボットなどの導入が進められようとしています。
しかし、まだまだこれから本格化という段階です。
先進技術の導入は介護分野などではなく、国の大きな方針であらゆる分野に広がろうとしています。
人口減少社会で人の手がまわらなくなる部分を先進技術でカバーするという流れです。
介護現場においては、見守り機能やコミュニケーションツール、煩雑な書類作成の省力化に期待が寄せられています。
いずれにしても、先進技術をうまく取り入れて、質の高い介護サービスの提供に結び付けたいと考えています。
 
Q 介護分野における外国籍の技能実習生の受け入れについては現在、どんな状況でしょうか?
日本介護福祉士会としての取り組みなど教えてください。
 
昨年法整備され、今年動き出した制度です。
受け入れが少しずつ進みだしていますが、まだまだ制度動向が流動的な状況です。
これについては誤解が大変多いのですが、人材不足解消のための制度ではありません。
あくまでアジアを中心とした発展途上の国などから実習生を受け入れ、日本の優れた技術を学んでいただき、帰国後自国の発展のために役立ててもらう制度であり、受け入れる側としては「国際貢献」の一環であります。
優れた技術を移転することが目的です。
介護福祉士会としては、国の委託事業として、実習生を受け入れた事業所で技能を指導する「技能実習指導員」の養成研修を全国で実施し、適切な受け入れと指導が出来る環境づくりをおこなっています。
不適切な制度運用によって、実習生の人権侵害や介護サービスの質の低下を招くことが無いようにしなければなりません。
 
Q 11月2日(土)、3日(日)、市民会館シアーズホーム夢ホールで「公益社団法人日本介護福祉士会第25回全国大会・第16回日本介護学会inくまもと」が開催されるそうですが、これはどんなイベントですか?
一般の方が参加できる催しはありますか?
 
日本介護福祉士会が全国持ち回りで年一回行っている学術発表や行政説明や講演などの研修大会となっており、主に介護福祉士や介護従事者、介護関係の教員・学生が対象となっています。
今回は1000名弱の参加見込みです。
一般の方の参加は可能ですが、内容が専門的なテーマのものとなります。
 
Q 11月11日は「介護の日」だそうですが、これにまつわる熊本で予定されているイベントについて教えてください。
また、一般の方が参加できる催しはありますか?
 
参加無料でどなたでも参加可能です。
これは今回第9回を迎えます。
11月11日は介護の日!と国が定めており、国民の皆様に「介護の魅力」を広く啓発するイベントです。
県内高校生による感動満載の福祉体験発表や、ゲストスピーカーによる講演、学生と大人が競う「クイズ大会」、そして認知症当事者の方が自らタスキをつなぐリレーマラソンの「RUN伴(ラントモ)」のゴールイベントなど盛りだくさんです。
司会は鬼塚えり子さん、コーナーゲストに英太郎さん、そして熊本の大スター「くまモン」もやってきます。
来場者にはプレゼントも進呈。

●介護の日 in くまもと2018
〜未来に繋ぐキラキラスマイル 介護の絆ハンパないって!〜

日時 : 平成30年11月11日(日曜日) 12時〜
場所 : くまもと県民交流館パレア 10階パレアホール
入場無料!
 
Q 介護福祉士や介護の未来について、夢や目標を教えてください。
 
「介護福祉士ってカッコイイ」と社会から認識されるようにしたい。
人の人生と命に寄り添い支える専門職の魅力を広く発信したい。
そして誰しもが安心して暮らせる世の中を作りたい。
 
Q 最後にラジオをお聴きの皆さん、介護福祉士の皆さんへ呼びかけなどメッセージをどうぞ。
 
高齢者であっても障害者であっても病気の方であっても、誰しもが自分らしく幸せに暮らすことができる世の中を作らなければなりません。
そのためには、暮らしを支える専門職である介護福祉士が、地域の中でしっかり活躍することが大切です。
そして、一般の皆さんには介護福祉士という専門職の存在があることを知っていただきたいと思います。
 
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