毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。

毎週、松村奈央が選んだ映画をご紹介しています。

 

今日ご紹介するのは、現在公開中の「オズランド 笑顔の魔法おしえます」です。

 

この映画は、熊本人なら誰もが1度は行ったことのある　荒尾市の遊園地グリーンランドが舞台。

キャストは、朝ドラ「あさが来た」でお馴染みの波瑠と、出演オファーが途切れない人気俳優・西島秀俊が共演。

新しいタイプのお仕事エンターテインメント、ということで、すごく話題ですよね。

 

主人公は、一流ホテルチェーンに就職しながら、系列の地方遊園地に配属されてしまった波平久瑠美。
ガッカリする彼女を待っていたのは、数々の企画を成功させ、“魔法使い”の異名をとる、風変りなカリスマ上司 小塚慶彦でした。

憂鬱な気持ちで遊園地での業務にあたっていた久瑠美でしたが、小塚や個性豊かな仲間に励まされ、働くことの楽しさや、やりがいを感じるようになります。

 

原作は、「海猿」や「Ｓ 最後の警官」の原作者として知られる小森陽一の小説「オズの世界」。

実はこの小説、福岡在住の小森さんが、以前グリーンランドの社員だった友人の体験談を基に執筆したもので、その友人が、西島秀俊演じる小塚のモデル。

また主人公の久瑠美は、はじめから波瑠をイメージしていたので、「波平久瑠美」の名前の中に波瑠の文字が入っているんだそうです。

 

実話がもとになっているので、映画で描かれるエピソードも本当に起きたことなんですが、原作者の小森さんが、「話、盛ってる！？」と驚いたというほどその内容はドラマチックなものばかり。

小塚のモデルになった方は、グリーンランドでの日々を「刺激と不条理と感動に彩られた、忘れ得ぬ経験」と話していますが、まさに、その言葉をそのまま映像にしたような作品になっています。

 

映画の中で「グリーンランド」の「五箇条の鉄則」というものが出てきます。

① どんな急用でもお客の前では走らない

② 辛くてもお客の前ではトイレと言わない

③ 落ちているものは全部落し物と思え

④ お客の前では大声出さず笑顔絶やさず

⑤ 何があっても緊急車両は入れない

「グリーンランド」をお客さんに楽しんでもらうためにできたこの「五箇条の鉄則」。

映画のストーリーの伏線ともなっていますので、覚えておくと、より楽しめること請け合いです。

 

監督は、劇場版「ＳＰ」や、テレビドラマ「ＢＯＲＤＥＲ」などで知られる、山鹿市出身の、波多野貴文監督。

波多野監督といえば、刑事ものを手掛けることが多いですが、今回はハートフルコメディに挑戦しています。

 

原作者の小森陽一と交流があった波多野監督は、小森から「いまグリーンランドの小説を準備している」と構想を聞かされた段階で「それが映像化されるなら絶対に監督したいです。」と立候補したそうです。

正式に監督することになって、「この映画だけは、絶対に他県の人には任せたくなかった。」と熱い思いを語っています。

 

撮影は「グリーンランド」の営業中に堂々と行われました。

撮影のことを知らないで、制服を着ている俳優さんに、道を聞くお客さんもいたそうです。

それぐらい制服姿が自然だったということでしょうね。

撮影に対する「グリーンランド」の協力もかなり手厚いものだったそうで、「かつてこんなに協力してくれたロケ地があったのか？」と感動するスタッフも多かったとか・・・・。

 

主演の二人以外にも、園長役で柄本明、スタッフ役で濱田マリ、主人公の久瑠美の恋人役で今年大ブレイクした中村倫也、など個性的な面々も登場。

主人公の先輩役として、熊本出身の橋本愛、さらに「くまモン」も出演し、郷土愛あふれる作品になっていますよ！

 

ちなみに、映画の舞台となり、撮影も行われたグリーンランドでは、撮影場所を紹介した「聖地巡礼マップ」や、衣装の展示コーナーなど、映画の公開記念イベントを開催しています。

 

しばらく遊園地行ってないなぁ、という大人のあなたにこそ見ていただきたい1本！

観た後は、グリーンランドに行きたくなる映画です！

 

今日ご紹介した映画「オズランド　笑顔の魔法おしえます」は、

■ＴＯＨＯシネマズ　光の森

■ＴＯＨＯシネマズ　はません

■ＴＯＨＯシネマズ　宇城

■ユナイテッドシネマ熊本

■イオンシネマ熊本

で、現在公開中です。

 

「オズランド 笑顔の魔法おしえます」オフィシャルサイト

http://ozland.jp/