天草市 世界遺産推進室 室長 丸林眞吾さん

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月曜対談
「ひと」「もの」「こと」に関わるさまざまなトピックを切り取っていくインタビュー「月曜対談」。
天草市 世界遺産推進室 室長の丸林眞吾さんに電話をつなぎ、クリスマスイブの崎津の様子などを伺いました。
 
●プロフィール
 
名前:丸林眞吾(ふりがな)まるばやししんご
所属・肩書き:天草市世界遺産推進室室長
プロフィール:
昭和36年1月7日生まれ57歳
趣味:山歩き、サイクリング、スキー
昭和54年7月本渡市役所
平成18年3月市町合併で天草市役所に
平成25年4月世界遺産推進室室長補佐
平成29年4月〃室長

Q① 今年7月、世界文化遺産に登録されたのはどんな点が評価されたのか、改めて教えてください。
 
「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」は、江戸幕府によるキリスト教禁教による宣教師不在の中、神道や仏教などの日本の伝統的宗教や一般社会と関わりながら、明治になって禁教が撤廃されるまで、約250年にわたって信仰を継承した潜伏キリシタンの伝統のあかしであるとして、世界文化遺産に登録されました。
構成資産のひとつである「﨑津集落」は、漁村特有の生活や生業に根ざした身近なものをキリシタンの信心具として代用するということによって信仰を継承しました。
そのことが、古文書と集落に伝わる信心具で証明できるところが大きく評価されました。
 
Q② 崎津資料館みなと屋の概要
 
住所:天草市河浦町﨑津463番地
電話:0969-75-9911
開館時間:9時~17時(最終入館は、16時30分までにお願いします。)
休館日:12月30日、31日、1月1日
観覧料:無料
 
Q③ 崎津資料館みなと屋はいつ、どんな目的でオープンしましたか?
 
﨑津資料館みなと屋は、昭和11年に建てられた「旅館みなと屋」を改修した建物です。
空き家となって老朽化が進んでいましたが、所有者の方から、土地・建物をご寄附いただきまして、改修工事を済ませ、資料館として平成28年8月にオープンしました。
﨑津集落の、世界文化遺産としての価値や潜伏キリシタンの信仰の様子などを解説しています。
 
Q④ 崎津資料館みなと屋の立地や建物の特徴を教えてください。
 
﨑津教会入口を過ぎてすぐの右手にあります。
木造2階建てで、旅館として建築された昭和初期の建築様式で、改修・復原をした和風の建物となっています。
1階は展示室で、2階は休憩室となっています。2階からは、﨑津教会の尖塔が近くに見られます。
 
Q⑤ 崎津資料館みなと屋ではどんな資料が展示されていますか?
 
﨑津集落の中心部のジオラマで、集落の全体像をみることができます。
また、潜伏キリシタンがお祈りに使った「信心具」や、祈りのことば「オラショ」などを展示しております。
 
Q⑥ どんな方々が資料館を訪れていますか?世界文化遺産登録前と比べて違いはありますか?
 
世界遺産登録前から、天草の観光スポットとして訪問される方は徐々に多くなってきていましたが、5月の世界遺産登録勧告、そして7月の登録と、ニュースやメディアにも多く取り上げられ注目を集めていますので、昨年の2倍の入館者があります。
世界遺産に関心を持たれる遠方からのお客様も多いようです。
秋からは、団体のツアーのお客様がとても多くなっているようです。
 
Q⑦ 崎津資料館みなと屋の2階の窓からは崎津教会が見えるそうですが、崎津教会の概要を教えてください。
 
住所:天草市河浦町﨑津539
見学可能な時間:9時~17時(日曜はミサのため、9時30分~)
見学料金:なし
問い合わせ先:混雑を避けるため事前連絡をお願いしています。
「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産インフォメーションセンター」のホームページから入力をお願いします。
 
Q⑧ 崎津教会の歴史、建物の特徴などを教えてください。

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現在の﨑津教会が建つ場所は、江戸時代の禁教期に、キリシタン弾圧の象徴ともいえる「絵踏」が行われていた、庄屋役宅があった場所です。
昭和9年、現在の﨑津教会を建てる際、弾圧があった場所に、キリスト教復活の象徴である教会を建てたいという、フランス人宣教師ハルブ神父の強い願いで、この場所に建てることになったとのことです。
設計は多くの教会建築を手がけた、長崎・五島出身の建築家「鉄川与助」で、外観は、とがった尖塔をもつゴシック様式の教会です。
横からみるとわかりますが、まえ半分が鉄筋コンクリートで、後ろ半分が木造となっています。
用地の購入費にお金がかかったため、建物すべてを鉄筋コンクリートにする資金が不足したことから、半分は木造となったというユニークな建物です。
内部は、日本でも数が少ない、建築当初からの畳敷きとなっています。
西洋建築と和風建築の融合をみることができます。
 
Q⑨ あわせて見学するのにおすすめのコースや見どころを教えてください。
 
潜伏キリシタンの歴史は、異文化理解とそれを認める「寛容さ」であると考えることができます。
﨑津集落には、﨑津教会だけでなく、﨑津諏訪神社、仏教曹洞宗のお寺が歩いて5分内のところにあり、世界遺産登録記念として、「天草﨑津三宗教御朱印」がもらえるようになっています。
これも、﨑津ならではの取組みですので、ぜひ、お越しください。

Q⑩ 今日(12月24日)はクリスマスイブですが、崎津ではどんな風にクリスマスを過ごすのでしょうか?
 
クリスマスは、イエス・キリストの誕生日をお祝いする祭りで、今日は、前夜祭ですので、﨑津教会には、祭りの飾り付けがされており、暗くなるとイルミネーションがとてもきれいです。
今夜は、午後9時から「ミサ」が執り行われることとなっていて、そのあと、家族でケーキを食べてお祝いをされるとのことです。
信者の皆さんは、今日、明日と、「家族」で静かにお祝いをされるとのことです。
 
Q⑪ 崎津を訪れる方々へお願いやPRがあればご記入ください。
 
﨑津集落は、住民の方々の生活の場でありますし、﨑津教会は、カトリック信者さんのお祈りの場です。
地域の方々の生活を乱さないよう、信仰の場所に失礼がないよう、観光マナーや教会拝観マナーを守って、﨑津集落を散策されるようお願いします。
集落内には駐車場の数がありません。
集落手前に、一昨日(12月22日)、道の駅「さきつ」として開駅式がありました、「﨑津集落ガイダンスセンター」を整備しておりますので、そこに駐車し、歩いて、集落のシンボルである﨑津教会を目指していただきたいと思います。
集落の中心にある﨑津教会まで、約700mです。
さらに、300m先には、天草漁協﨑津支所の物産施設「きんつ市場」があり、海産物や天草のお土産を購入することができますので、どうぞお越しください。

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