崇城大学の星合隆成 教授

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月曜対談
「ひと」「もの」「こと」に関わるさまざまなトピックを切り取っていくインタビュー「月曜対談」。
今日は崇城大学の星合隆成 教授がゲストです。
著書「つながりを科学する 地域コミュニティブランド」について伺いました。

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●ご出演者のプロフィール
 
名前:星合隆成(ふりがな)(ほしあい・たかしげ)
所属:崇城大学情報学部教授
プロフィール:
工学博士、崇城大学情報学部教授(2012~)、早稲田大学招聘研究員。
コンセプトラボ(株)取締役。
一般社団法人ジョブラボぐんま監事。
一般社団法人SCBラボ所長・理事、イノベーションアカデミー校長、元NTT研究所主幹研究員・参与。
NTT在職中(1986~2012)に、ベルコミュニケーション研究所客員研究員(米国留学)、群馬大学客員教授、日本大学非常勤講師。総務省ICタグと自律分散協調ネットワーク調査検討会委員、経済産業省次世代型新IT環境研究会委員、群馬県「地域における通信と放送の融合に関する委員会」座長代理、経済産業省「まちげんきフェス」スペシャリスト、総務省プロジェクトFed4IoT諮問委員会委員、(社)電子情報通信学会代議員・運営委員・通信ソサイアティ幹事などを歴任。
(財)日本情報処理開発協会・(社)電子情報技術産業協会・(財)デジタルコンテンツ協会などの特任講師などを務める。
世界初のP2Pネットワークであるブローカレス理論・SIONet(シオネット)の提唱者として知られている。
現在は、P2Pを地域活性化に活用する「地域コミュニティブランド」の研究を進めている。
主な著書に、『ブローカレスモデルとSIONet』(オーム社,2003)、『繋がりを科学する地域コミュニティブランド』(木楽舎,2018)など。
 
ホームページ、ブログなど:
 
Q② 新著「「つながりを科学する地域コミュニティブランド」の基本情報をお願います。
 
【タイトル】つながりを科学する地域コミュニティブランド
【出版社】木楽舎
【価格】1800円+税
【問い合わせ】
 
 
Q③ 星合教授の専門は、どんな研究ですか、わかりやすく教えてください。
また、この研究に取り組むことになった「きっかけ」は何ですか?
 
専門は未来のネットワークに関する研究。
NTT研究所の研究者として未来のネットワークを研究していた1998年に、世界初のP2Pネットワーク(自律分散型ネットワーク)の原理を発表し、世界的に注目される。
P2Pは、スカイプ、SNS、仮想通貨のブロックチェーンなどの元になった原理(しくみ)。
P2Pはこれまでの中央集権的なネット―ワークに対して、分散したコンピュータが自律的に協調することでネットワークを構築する仕組みである。
たとえば、友達の友達は友達というようにネットワークを構築していく。
現在、崇城大学で研究を進めている地域コミュニティブランド(SCB)は、地域における人的ネットワークの形成や地域コミュニティの構築に、このP2Pを役立てようとの新たな試みである。
 
プロモーションビデオ
 
 
Q④ その研究は、社会にとってどんな役にたつものですか?
 
昨今の疲弊した地方においては、地域創生、地域活性化が叫ばれています。
そのためには、地域に分散して存在する地域資源(人、アイデア、資源、資金など)を効率的につなげる必要があります。
つまり、地域資源を繋げることによる地域コミュニティの醸成、イノベーションの創発、地域コラボレーションなどを行う必要があります。
そこで、「つながり」を科学的に考察することが大切になります。
地域コミュニティブランドは、地域資源を「繋げるための」科学的な手法を提供します。
 
Q⑤新著「つながりを科学する地域コミュニティブランド」について、教えて下さい。
 
地域コミュニティブランドでは、「つながり」を科学的に考察する手法として、3つの考え方を提案しています。
 
□仮想化:薬の例。
地域資源は仮想化しないと繋がらないのに、地域ではそのまま繋げようとしている。
 
□体系化:P2Pに知見としてつなげ方には6通りあることが分かっている。
Twitterのリーツイートはハイブリッド型。
 
□可視化:単に自分たちの課題を解決するのではなく(満足するのではなく)、みんなで地域活性化のための共通基盤(プラットフォーム)を構築する。
OSの考え方が参考になる。
 
SCB理論を用いた地域活性化活動の例
1.SCBによる熊本市地域経済活性化委員会(熊本県)(著書のp.208)
2.宮崎県立小林秀峰高校(宮崎県)(p.214)
3.nunotech(布テク)(群馬県)(p.216)
4.eDo(東京都)(p.219)
5.雑誌「LIRY」(福岡県)(p.222)
6.お笑い番長(福岡県)(p.224)
7.熊本市主催競輪コンテスト(熊本県)(p.226)
8.SCB起業塾(熊本県、群馬県)(p.228)
9.SCB放送局新市街スタジオ(熊本県)(p.230)
10.Binnovative(米国マサチューセッツ州)(p.236)
11.その他の活動(p.241)
東京の取り組みであるジャパンブランドは日本の伝統文化を海外に輸出する活動。
コミュニティづくりやモノづくりにSCB理論を活用している。
ジャパンブランドの取り組みがシリーズ2作目の本として出版予定。
 
Q⑥ お仕事や研究を通しての苦労ややりがいなどを教えて下さい。
 
地域活性化や地域創生にはこれまで汎用的な理論がなく、経験や事例報告、事例研究に基づいて行われてきました。
そのため、新たな理論を理解してもらうことに苦労していますが、理解した人は感動してくれます。
そして、エバンジェリストになってくれます。
講演を聞いた100人の内、5~10人が賛同者になってくれる。
現在50のプロジェクトがあり、1000人ちかくがSCB理論に基づいて活動している。
 
Q⑦ 仕事を通じて最も印象的だったできごとは何ですか?
 
1998年に発表したP2Pは当初まったく注目されませんでしたが、アメリカで注目かれ、逆に日本で注目されるようになりました。
講演や取材も爆発的に増え(これまでに400件以上)、研究者として自分が発明した理論が世の中に受け入れられる喜びを知ることができました。
 
Q⑧ 熊本県民にPRしたいこと、今後の活動予定、お知らせなどあれば教えてください。
 
イノベーションやテクノロジーを学ぶための学校として「イノベーションアカデミー」が熊本にできます。
私が校長になります。
ここでSCBも学ぶことができますので是非、ご参加ください。
また、5月に向けて約20の講演会や読書会を行います。
福岡や関東がほとんどですが、熊本では、蔦屋三年坂店さんでトークショーを行う予定です。
 
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