NPO法人きらり水源村 松﨑勝己さん

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月曜対談
「ひと」「もの」「こと」に関わるさまざまなトピックを切り取っていくインタビュー「月曜対談」。
NPO 法人きらり水源村 企画運営・広報担当 松﨑勝己さんがゲストです。
「スポーツ文化ツーリズムアワード」の「マイスター部門」で入賞した「きらり水源村」。
評価が高かった「イデベンチャー」など、「きらり水源村」の取り組みについて伺いました。

●ご出演者のプロフィール
 
名前:松﨑勝己(ふりがな)名前(ふりがな)まつざきかつみ
所属:NPO法人きらり水源村企画運営・広報担当
プロフィール:1965年生まれ(53歳)宮崎県延岡市出身。
既婚 子ども2人(小学生)。
熊本大学への入学がきっかけで熊本へ。
工学部建築学科、映画研究部建築学科に入るも、高校時代から熱を入れていた映画づくりの延長で映像の世界(マスコミ、映像プロダクション「オフィスユニオン」)に就職。
テレビ番組制作のカメラマンやディレクターとして約20年程マスコミに関わる。
45歳の時、夫婦の夢であった田舎暮らし実現のために現在のNPOへ転職。
菊池市の廃校となった中学校を拠点に、NPOの企画運営・広報担当として地域づくりに携わっている。
5年前、山鹿市菊鹿町の100年越え(築109年)の古民家に移り住み、DIYリフォームをしながら、家族で田舎暮らしを楽しんでいる。
風緑kazemidori代表
NPO法人山鹿もてなしたい理事
菊池川流域さらくnet.副代表
きくちフットパス協議会会長
趣味:アウトドア、DIY、BBQ、薪割り、プラモデル、アーチェリー
Facebook
https://www.facebook.com/katsumi.matsuzaki
 
Q「NPO法人きらり水源村」の基本情報をお願います。
 
水源交流館外観.JPG

平成12年(2000年)3月、菊池市立菊池東中学校(旧水源中学校)が廃校となる。
戦後、地域住民の協力で建てられた学校は(土台の石は子ども達が毎日運んだ)地域にとって思い入れが強い木造校舎だった。
「校舎を残すために、なにかできることはないだろうか」←法人設立のきっかけ子ども達が消えた校舎を新しい施設として活用するために地域住民が立ち上がった!
住民の手で廃校活用する「NPO法人きらり水源村」を設立し(NPOの理事は地域住民)、「学校が楽校(がっこう)に!」を合言葉に、校舎は「きくちふるさと水源交流館」と名を変え運営がスタート。
中学校時代の教室、グラウンド、体育館も面影を残したまま今も様々に活用されている。
音楽室だった教室はレストランとして生まれ変わり、地元食材の料理が人気。
宿泊施設として宿泊棟、お風呂、自炊設備などを完備。
テント泊も受入。

水源交流館 南棟廊下.JPG

NPOでは4つの事業(地域活性化事業、都市農村交流事業、自然体験活動支援事業、自然環境保全事業)を柱に活動を展開している。
具体的な取組みとしては、農業体験や自然体験を提供するプログラムから、地域を元気にする取組み、グリーンツーリズムを推進するイベント、農業・就農支援などを行っている。
NPO法人きらり水源村
〒861-1441
熊本県菊池市原1600
きくちふるさと水源交流館 TEL 0698-23-4011 / FAX 0968-27-0102
きくちふるさと水源交流館 HP https://www.suigen.org
きくちふるさと水源交流館 FB https://www.facebook.com/suigenkoryukan
 
Q 今回、「きらり水源村」が、スポーツ庁などの「スポーツ文化ツーリズムアワード」の「マイスター部門」で入賞したそうですが、どんな賞なんですか?詳細を教えてください。

スポーツ庁、文化庁、観光庁の三庁は、2016年3月に「スポーツ庁、文化庁及び観光庁の包括的連携協定」を締結。
「各地域のスポーツイベントと文化芸術資源を結び付けて、新たに生まれる地域ブランドや日本ブランドを確立・発信し、訪日観光客の増加や、国内観光の活性化を図り、日本及び地域経済の活性化を目指す」ことを目的とした取組み。
マイスター部門:過去3回以上のイベント開催実績又は3年以上継続的な取組であり
 
Q 今回評価が高かった「イデベンチャー」について詳しく教えて下さい。
 
菊地渓谷からの水を取り入れている農業用水路・原井手(はるいで)を活用した里山体験プログラムが、原井手下りアドベンチャー「イデベンチャー」。
平成26年から実施。今年5年目。
体験は、県内屈指の水量を誇る井手にカヤック(2人乗り)を浮かべ、水の流れに身をまかせるだけ。
橋の下をくぐり、真っ暗な水路トンネルを通り、水の流れる音や風を感じながら特別な時間を過ごすことができます。
メインで実施するのは「新マブコース」。
全長約2㎞の後半には、約300mの用水路トンネル(マブ)や白波が立つポイントなどがあり、まさにアドベンチャー気分を味わえます。
体験提供時間1時間30分。
※小学校低学年以下の団体には「ショートコース」(700m)もあります。
 
■料金
○新マブコース ※料金が変更となっています
中学生以上3,000円
小学生以下2,000円(対象:4歳以上でライフジャケット着用可能)

○ショートコース(団体のみ、10名以上)
1,000円(4歳以上、未就学児500円)
※昨年の熊本地震の影響により「アドベンチャーコース」は実施しません

■開催日時
平成30年6月30日(土)~9月23日(日)の土日祝日
(基本)1日4回 10:30、13:00、14:30、16:00
※団体については、土日以外でも要相談で受入れ平日の団体利用の最低料金:20,000円

■実施内容1回の実施で8艇まで(16名まで)

■原(はる)井手元禄、江戸幕府将軍・徳川綱吉の時代。
菊池市河原地区は、阿蘇溶岩の台地が広がり水の利便性が悪く、人びとのくらしは大変厳しかったそうです。
河原手永惣庄屋・河原杢左衛門(かわはらもくざえもん)は菊池川上流から水を引く井手の計画をたて、4年余りの歳月を経て元禄14年(1701年)に完成。
里山を縫うように繋がる井手は、総延長は11kmにおよび、合わせると500mを超えるトンネルが掘られました。
原井手の完成により、今でも河原地区・水源地区の210haの水田を潤しています。

イデベンチャー スタート地点.JPG

イデベンチャー 水路トンネル.JPG

イデベンチャー トンネル出口.JPG

イデベンチャー 新マブ出口(修正).jpg

トンネルで待ち構える準スタッフ コウモリ.jpg

イデベンチャー参加者・カップル.JPG

イデベンチャー参加者(ゴールにて).JPG
 
Q「スポーツ文化ツーリズムアワード」では、「イデベンチャー」のどんなポイントが評価されたのですか?
 
(選定理由)
※主催者側・地域の文化資源である農業用水路(井手)をうまく活用して,スポーツアクティビティに転換している。
・スポーツとエコロジーツアーをうまく掛け合わせている。
・アイデアがおもしろい!(宮田文化庁長官)
 
Q「きらり水源村」のその他の取り組みを紹介して下さい。

◆体験プログラムの提供里山を活かしたプログラム。
地域住民の活躍の場を提供。竹細工、郷土料理、羽釜ごはんづくり、農業・林業体験等
◆おいしい村農業体験や自然の中での生活・遊びを体験し、自然を学ぶプログラム。月1回
◆子ども村32名限定の一週間夏キャンプ。子どもたちで遊びを企画、食事は自炊。
◆水源食の文化祭地域の食を守ることを目的にした食のイベント。毎年11月最終日曜日。
◆廃校利用視察受入全国から毎年10~20団体受入れ。韓国からの視察もあり。
◆地域住民へのサービス農業法人化支援、高齢者宅配弁当、子ども広場など
◆NPO加工部「水源ばぁば」支援イベントの度に料理を提供してくれる料理上手のお母さんたち。
地域の食文化を守る活動にも協力してくれるお母さんたちの料理は大人気!
◆「きくちふるさと水源交流館」の運営施設利用、食事、宿泊、公民館管理
 
Q 仕事を通じて最も印象的だったできごとは何ですか?
 
◆イデベンチャー・体験は4歳以上ですが、最高齢は90歳(福岡市の女性)!
スタッフも心配しながらの体験提供でしたが…、「いい冥途の土産ができました!」の言葉に、みんな笑顔になりました。
いろいろ取材を受けましたが、三宅裕司さんの笑顔が一番うれしかった。
昨年の夏は、女優の中別府葵さんがプライベートで体験してくれました。
◆その他・以前の仕事(マスコミ)は比較的街の中心部でした。
今の自然が多い田舎の事務所は想像以上に静か(テレビ、ラジオもありません)。
最初の頃は落ち着きませんでした。聞こえる鳥の声の種類が会話のネタだったりします。
◆自然体験プログラムを通して、子ども達の笑顔に癒されています。
しかし、昔のようなガキ大将が少なく、全体的に「良い子」が増えている印象で、マッチを使えない子が年々増えてきてます。
3年前から、英語圏の九州ツアーを受け入れています(年3回)。
日本の原風景が体感できる場所という売り込みをしてますが、海外の方(特にイギリス)に好評なのが竹林。
フットパスで地域を散策するコースは好評です。
 
Q 熊本県民にPR熊本県民にPRしたいこと、今後の活動予定、お知らせなどあれば教えてください。
 
歌声喫茶の聖地とも呼ばれている東京新宿の「ともしび」の方々が来館し、1日限定の歌声喫茶を開店。
復興支援として3年前に来館していただいてからの縁で、毎年3月に開催している。
◆歌声喫茶「ともしび」in菊池
◆平成31年3月22日(金)午後1時30分~(予定)
◆参加料500円
お茶と茶菓子付き歌声喫茶昭和30年代に流行した、アコーディオンなどを伴奏に、客がリクエストした曲を客全員で歌う喫茶店。
東京新宿の「ともしび」はその草分け。
1955年前後の東京など日本の都市部で流行し、1970年代までに衰退した。
1998年(平成10年)ごろから静かにブームが復活している。
 
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