熊本デザイン専門学校 教務部 ファッションデザイン科 松本雪先生

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月曜対談
「ひと」「もの」「こと」に関わるさまざまなトピックを切り取っていくインタビュー「月曜対談」。
熊本デザイン専門学校 教務部 ファッションデザイン科松本雪先生がゲストでした。

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●ご出演者のプロフィール

名前:松本雪(ふりがな)まつもとゆき
所属・肩書き:熊本デザイン専門学校教務部ファッションデザイン科
熊本デザイン専門学校でファッションを教えるようになって18年。
それまではアパレル生産企業で縫製やパターンの仕事をしてきました。
趣味は映画鑑賞、美術館に行くこと、小旅行、温泉、最近は家族でキャンプにはまりはじめました。
 
●熊本デザイン専門学校の概要
 
〒862-0973
熊本市中央区大江本町2-5
TEL 096-364-8500
http://www.kumamoto-design.ac.jp/
facebook
https://www.facebook.com/kumadeza/?ref=bookmarks

1994年(平成6年)「好きなことは、うまくいく。」をキャッチフレーズにスタートした総合デザインの専門学校です。
学科は、グラフィックデザイン科、建築・インテリアデザイン科、メディア映像デザイン科、ファッションデザイン科の4学科15コース。
 
Q① 松本さんがファッション関係の仕事に就きたいと思ったのはいつ頃、どんなきっかけでしたか?
 
小学校のころから手芸や物を作るのが好きで、中学生の時にワンピースを作ってみたり、見よう見まねでいろんなものを作るのが好きでした。
祖母も母もよくいろんなものを作ってくれていたので、ミシンも手芸用品も身近なものでした。
その道に進もうと思ったのは高校3年生くらいだったと思います。
進路を考えるにあたって、せっかく勉強するなら好きなことについて勉強したいと思うようになり、ファッションが学べる学校にいきました。
 
Q② 1着の服が作られて、販売されるまでの一般的な流れを教えてください。
 
まず、アパレルメーカーでは、そのブランドのコンセプトに基づいてシーズンコンセプトを決め、デザインの方向性を決めます。
ここには、ファッションディレクターやマーチャンダイザー、営業、商品企画などの人たちが関わってきます。
そして、服の形をどうするか、素材をどうするか等を決めていくのがデザイナーの仕事です。
デザイナーがデザイン画などでイメージを伝えると、それをパターンナーが形にしていきます。
パタンナーはデザイン画やその素材をイメージして、どのようなパターン(型紙)にすればイメー通りの立体になるか。
また、イメージだけではなく、着やすさやターゲットの体型などを考えてパターンをひきます。
そして、サンプルを制作し、修正などを行って、本生産(量産)が決まったらそのパターンと、生地等の材料、仕様書(縫い方の説明書のようなもの)などを縫製工場へ送ります。
そこでは、送られてきたものをもとに1着作ってみて、不具合が無いか、パターン修正が必要かなどの検討を行い量産に入れる状態になったらソーイングオペレーターが縫っていきます。
だいたい、数人(会社によって違う)で1つのラインをつくり、そのラインで流れ作業のような形で服を作り上げていきます。
そうしてできた服はアパレルメーカーに納品され、検品され、各店舗に配送されます。
アパレルメーカーが販売まで行っている形態をSPAと言いますが、この場合はメーカ-側が各店舗に何を何枚と決めて配送しますが、メーカーが卸しまでを行う場合(小売りを行っていない場合)は、展示会を開き、そこに各店舗のバイヤーと呼ばれる仕入担当がきて買いつけをしていきます。
 
Q③ 熊本デザイン専門学校のファッションデザイン科では、1年次、2年次、それぞれどんなことを学べるのでしょうか?
 
1年次では、ファッション業界に必要な基礎をしっかりと身につけます。
デザイン画やパターン、ソーイングはもちろん、ファッションビジネスやスタイリング、また、素材学や服飾史なども学び、1年生の最後には修了制作としてオリジナルデザインに取り組み、コンセプトワークからデザイン、制作、企画書作成、プレゼンテーションまで行います。
2年次では、3つのコースから1つを選択します。
アパレルデザイン専攻コース、コスチュームデザイン専攻コース、ファッションスタイリスト専攻コースです。
そして、より専門的な知識や技術を高めながら、卒業制作としてオリジナルブランドの「GLITTER」のプロデュースを行います。
これは、本校ファッションデザイン科1期生から受け継いできたブランドで、毎年2年生全員で企画会議からスタートし、テーマ決め、デザイン、パターン、ソーイング、ファッションショー企画を行い、ショーで発表した服を最後はお客様に販売する期間限定ショップもオープンします。そしてその売上を次年度のGLITTERの材料費に充てるようにし、ブランドの運営を実践的に学んでいきます。
 
Q④ ファッションデザイン科の学生の男女比を教えてください。
個性的なファッションの学生や自分で作った服を着ている学生などいらっしゃいますか?

 
男女比は毎年変わりますが、最近は男子学生が2割くらいです。
学生は自分で作った服を着る学生もいます。個性もそれぞれで、流行の方向性も多様化しているので、流行りだからと言って同じ服ばかりになることもあまりありません。
 
Q⑤ 松本さんは熊本デザイン専門学校でどんなことを教えていらっしゃいますか?
 
ソーイングや素材学、服飾史、ファッションビジネス概論などを教えています。
ソーイングは細かい作業も多く、学生たちにとっても大変な課題かもしれませんが、一枚の布から服ができていくことを経験すると学生もだんだん楽しんでくれるようになります。
今は卒業制作のファッションショーに向けて最後の追い込み中で、服を作ることはもちろんですが、ショーの演出や準備、その後の販売会に向けて、カタログや値札を作ったりなど、他の学科の先生にも協力してもらいながら学生たちと一緒にやっています。
 
Q⑥ 2月10日(日)に予定されているファッションショーについて概要を教えてください。
 
熊本デザイン専門学校ファッションデザイン科卒業制作ファッションショー「GLITTERCOLLECTION2019」
日時:平成31年2月10日(日)
1回目11:30開場12:00開演/2回目14:30開場15:00開演
場所:同仁堂ホールスタジオライフ熊本市中央区上通町2番7号同仁堂ビル4階
入場無料
『グリッター』とは、本校ファッションデザイン科の学生によるオリジナルブランド。
「原石が光り輝く」という意味を持ち、2年生が全員で1つのブランドを立ち上げアパレルメーカーのシミュレーションとして、マーケティングから企画、デザイン、制作、ショー運営、販売までを行います。

Q⑦ ファッションショーはどんな目的で開催されるのでしょうか?
また、今年のテーマ、見どころを教えてください。

ファッションショーは学生たちの2年間の集大成の発表の場であることはもちろんですが、熊本をファッションで元気にしたいという想いもあり、ショーを見てくださったお客様が少しでもファッションに興味を持ったり、それをきっかけに街に出かけてみたり・・・というように街や人を元気に幸せにできるショーをしていきたいと思っています。
今年のテーマは『Sustainability』(持続可能性)
私たちが毎日着ている洋服は、どのように作られているのか、あまり知られていません。
安く服を作るために安い賃金で働いている人がいます、化学染料や農薬で環境汚染や健康被害に苦しむ人もいます。
そうして安く手に入るようになった服がゴミとして捨てられることも多くなっています。
原材料から服になるまで、多くの工程と人の手を経ているファッション。
そのファッションが、この先も人を幸せにすることができるよう、GLITTER2019では「Sustainability」をテーマとしました。
内容は、経年変化を楽しめる服や、ファッションの華やかさとその背景の対比をイメージしたもの、また、一般の方にも着られなくなった服をリメイクして登場していただいたりもします。
 
Q⑧ 松本さんからご覧になって、現在の熊本のファッションシーンはいかがでしょうか?
他県と比べて特徴など感じられますか?
 
よく、わさもんという言葉もあるように「新しもの好き」と言われることが多いですね。
かつては流行の発信源と言われていました。
今もおしゃれな人はいるし、こだわりを持ったショップもたくさんあるので、大きな流行にのるというよりも、それぞれが自分らしいファッションを楽しんでいるのではと思います。
若いころ「街に行く」というとドキドキして、おしゃれして、新しいものに出会えるワクワク感がありました。
今は買い物する場所も、お金の使い方も多様化してきているので、魅力的なお店や地域がもっと増えていくのかもしれません。
年配の方でおしゃれな方を見かけることもよくあるので、それはうれしいです。
 
Q⑨ 2019年春のトレンドファッションについて教えてください。
どんな色やアイテムが流行りそうですか?
また次の流行はいつ頃、誰が仕掛けているのでしょうか?
 
色の流行は実シーズンの2年前にインターカラー(国際流行色委員会)の情報をもとに、日本向けにJAFCA(日本流行色委員会)から発信されるトレンドカラーが色の流行のもとになっています。
色も単色で発表されるのではなく、いくつかのテーマにそった色の集団が発表され、2019春夏であれば、ナチュラルクリーンというテーマの自然界にある色など他にも3つほどテーマがあります。
実際に流行りそうといわれている色や柄は、グリーン、イエロー、暖色系などや、ペールトーンという薄くて明るい色、ストライプ柄や、レトロ調の柄、また、タイダイ染めやフリンジなどヒッピースタイルの要素も見られます。
身近で取り入れやすいものとしては、ロング丈のシャツワンピースなどが多くなり、細めのベルトでウエストマークする方法も取り入れやすいかもしれません。
 
Q⑩ 熊本デザイン専門学校に興味を持った方のために、入学資格や願書受付、試験日、選考内容などを教えてください。
 
学校では現在願書受付中です。
今後の入試は2/9、2/23、3/9、3/23です
オープンキャンパスは2/16、3/9、3/24です。
入学は高等学校を卒業した人など、詳しく書くと8項目くらいあります。
選考内容は推薦だと書類審査と面接。
一般だとそれに適正試験が加わります。
詳しくはホームページを見ていただけると詳しくのっています。
 
Q⑪ 最後にPRをどうぞ。
 
デザインはとても身近なもので、みんなの生活を豊かにできるものです。
絵を描くこと、物を作ること、オシャレをすることが好きな人、ぜひ一度熊本デザイン専門学校のオープンキャンパスに来てください。
また、2月10日のファッションショーの他にも、2月19日~24日にはギャラリーカフェアークでGLITTERの期間限定ショップがオープンし、また他の3学科(グラフィックデザイン科、メディア映像デザイン科、建築インテリアデザイン科)の卒業制作展が県立美術館分館で開催されます。
 
 
今日のゲストは、熊本デザイン専門学校教務部ファッションデザイン科の松本雪先生でした。
 
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