家具工房BLANK 木場佑一さん

カテゴリー
月曜対談
「ひと」「もの」「こと」に関わるさまざまなトピックを切り取っていくインタビュー「月曜対談」。
家具工房BLANKの木場佑一さんがゲストでした。

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● ご出演者のプロフィール

名前:木場佑一(こばゆういち)

家具工房BLANK
住所:熊本県合志市御代志1656-265
電話&fax:096-202-2566

ホームページ、ブログなど:
HP:http://blank-japan.com
Facebook:https://www.facebook.com/BLANK.furniture
Instagram:https://www.instagram.com/blank_japan/
Youtube:https://www.youtube.com/channel/UC6lklv4MX4dy2w26gIuu0Sw
 
Q「家具工房BLANK」をはじめたきっかけは?
 
自分にとってものをつくるということは、生きるということ。
ものづくりでしか生きている実感がないというか、自分の存在を確認できないという感覚がある。
そして、ものづくりの中でもより精緻な加工が可能で、半永久的にほとんど形を変えることなく残すことができる木工を自分の土俵としました。
やるからには世界一の家具ブランドに必ずなると決めていたので、世界共通語の英語で勝負すると決め、屋号を「BLANK」とする。
いろんな想いがあって、BLANKという屋号になったのだが、ここで一つ挙げるとすればそれは反骨心。
自分がBLANKを立ち上げるまでの道程は、全く順風満帆なものではなく折れそうな心を何度も堪えてなんとか立てたスタート地点でした。
その当時、圧倒的な一番になることしか考えいなかったため、あえてネガティヴワードの「ブランク」という言葉を選び、僕の活躍で世間のイメージや常識をも変えてやるぐらいの決意で臨もうと思っていました。
 
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Q どんな家具を作りたいですか?「BLANK」の目指すものとは?
 
例えば、千年前も千年後でも日本でも海外のどこでも通用する道具をつくりたい。
つまりは、遺るものをつくりたい。
また、使う人をたすける、優しい家具。
世の中にごまんとある家具の中で、BLANKを選んでくれた。
その人にとにかく応えたい。
それがあることで〝らしく〟いれたり、日々の何気ない日常がより豊かなものになったり。

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Q 今回、熊本県伝統工芸館で「余白のある暮らし。展」を開催するそうですが、日程など詳細を教えてください。
 
熊本県伝統工芸館1F展示室。
熊本県熊本市中央区千葉城町3-35
TEL:096-324-4930
3月12日(火)から17日(日)まで。
時間は9時から17時、最終日だけ16時まで。
ダイニングテーブルやチェア、ソファの大型家具から時計やカッティングボードなどの小物など展示販売。
基本的に釘やネジなどを使わずに木組みでつくられ、舐めても大丈夫な安全なオイルを使って仕上げています。
 
Q 今回の展示、見どころはどんなところですか?
木製家具に馴染みのない人間が見に行っても楽しめますか?
 
世界中の多種多様な木材を使った様々な商品が並びます。
木製家具というよりも色々な木を見て触って知ることでも楽しんでいただけると思いますし、日本古来の木工における伝統技術にデザインを付与した新しい木組みもぜひご覧いただきたいと思います。
 
Q「BLANK」では、海外への情報発信もされているそうですが・・・。
 
SNS等で海外にも広く認知していただいており、一昨年はオーストラリアで個展を開催。
盛況に終わり、そのまま現地の家具店で取り扱っていただきおかげさまで現在はSoldoutしました。
インスタでのフォロワーは22,000人以上おり、その中には海外の同業者も多く、昨年はアメリカはニューヨークから弟子入り志願があり受け入れました。
その彼曰く、「アメリカのfurnituremakerでBLANKのことを知らない人間はいない」とのことでした。
それまでも、世界各国から弟子入りの申し込みがあったり、ファンレター的なメッセージも多くきている状況でもあり、自分も木工を初めてちょうど20年という節目ということもあり記録に残すという意味でもBLANKのテクニック本を出すことにしました。
デザインの落とし込みのアプローチの仕方や材木の見方、手工具の使い方など制作の工程を書き記しました。
全編英語で約100ページの本でしたが、発売前の事前予約ですでに40冊以上のオーダーをいただき、販売期間約3ヶ月で約100冊が世界中に売れました。
 
Q 活動を通じての苦労、やりがいとは何ですか?
 
専門的で細かい部分の説明や、ニュアンスがうまく伝わらないなどやはりコミュニケーションの問題は常にありました。
技術的なことの背景にあるコンセプトや理由をきちんと伝えたかったのでもどかしかったですね。
ただ、ものづくりを通して世界中と繋がるということは、表面上ではない深い交わりを体験することができます。
一昨年のオーストラリアの個展においては、初めての海外への家具の輸送でしたのでとても、不安でした。
南半球のオーストラリアへ送る為、福岡から一度シンガポールでトランジットして約1ヶ月かけてオーストラリアの港に着くのですが、船便で赤道をまたぐルートはオイル仕上げの無垢の家具には非常にリスキーなものでした。
徹底的に準備し発送し、現地で開梱して全く異常のない家具たちを見た時の安堵感は相当なものでした。
約1週間の会期だったのですが、会期中は会場で僕が実際に手工具を使ってデモンストレーションを行い、現地の木工家との交流も生まれました。
最初にSHIZUKUという商品が売れてオーストラリアドルをさっと手渡された時は思わず感動して握りつぶしちゃいましたね。
海外での個展は独立当初からの大きな目標の一つでしたので、帰路の飛行機の窓で綺麗な日の出と出会えた時に自然と涙が溢れてきたあの感覚は今も特別で宝物です。
 
Q 活動を通じてのもっとも印象的なエピソードは何ですか?
 
常に思わされることは、尊敬と感謝です。
これまでやり遂げてきたこと全てにおいて、独力だけでできたものは一つもなく、やったことが大きいほど、毎回跳ね返りで食らう感謝が強烈です。
 
Q 最後に、熊本県民にPRしたいこと、今後の活動予定、お知らせなどありましたら教えて下さい。
 
工房二階にはショールームもありますので、ぜひ見にきていただければと思います。
その際、営業日を設けておりますのでHPで事前に確認してからお越しいただくと確実です。
また、小物に限ってですがONLINESHOPでも販売しております。
こちらもHPにありますのでよろしくお願いします。
注文を受けてから納品まで大変時間がかかります。
お見積もりは無料でやっておりますので、お気軽にお早めにご相談いただければ助かります。
 
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