「高専ハカセ塾」

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月曜対談
「ひと」「もの」「こと」に関わるさまざまなトピックを切り取っていくインタビュー「月曜対談」。
熊本高等専門学校の清田公保先生、山崎充裕先生、東田洋次先生がゲストです。
小学5年生から中学3年生までを対象とした「高専ハカセ塾」について伺いました。

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●ご出演者のプロフィール
 
名前:清田公保(きよたきみやす)
所属・肩書き:企画運営部(人間情報システム工学科)教授:熊本キャンパス教務主事
 
名前:山崎充裕(やまさきみつひろ)
所属・肩書き:熊本キャンパス共通教育科(数学)准教授
 
名前:東田洋次(ひがしだようじ)
所属・肩書き:八代キャンパス拠点化プロジェクト系教育連携コアグループ(物理)准教授
 
○清田公保(きよたきみやす):熊本キャンパス教務主事教授
専門は、感性工学、福祉情報工学、博士(工学)、現在、IoTを使った防災・減災に関する地方創生など、防災科研などと連携して熊本地震の復興などを支援、昨年度まで、熊本県警察本部のサイバー―犯罪対策課にて、情報セキュリティテクニカルアドバイザーなどを担当。
 
○山崎充裕(やまさきみつひろ):熊本キャンパス共通教育科准教授、科学技術教育支援室副室長、博士(理学)
専門は、代数幾何学。
地域の子どもたちを対象とする実験教室を開催する中で、高専生の科学教育支援活動を通したリーダー人材の育成に向けた取り組み、最近では、小学校プログラミング教育の教材開発を展開中。
 
○東田洋次(ひがしだようじ):八代キャンパス准教授、科学技術教育支援室室長、博士(理学)
授業担当科目は、物理と数学、専門は、素粒子物理学などの理論物理学や物理教育。
主に県南部の子供達の科学教育に携わるとともに、高専サイエンス支援ネット長として、九州沖縄地区の高専と協力して学生主体の共同実験講座を実施。
以前は香川高専でも子供達の科学教育に従事していました。
パーソナリティの長木様には結婚式での司会をしていただきました。
その際には大変お世話になりました。
 
Q① 熊本高等専門学校の概要について教えてください。
 
○熊本高専は、熊本の南に位置する八代キャンパス(電話:代表0965-53-1211)が、八代市平山新町2627
北に位置する熊本キャンパス(電話:代表096-242-2121)が、合志市須屋2659-2にあります。
学校のHPは、https://kumamoto-nct.ac.jp/です。
熊本高専(正式名称:独立行政法人国立高等専門学校機構熊本高等専門学校)は、2つのキャンパスに6学科・2専攻を有し、ICT技術を共通基盤とし、電子情報系と融合・複合工学系分野を特徴とする高等教育機関であり、国際的に通用する実践的・創造的技術者の育成と科学技術による地域社会への貢献を使命としています。
国立高専は全国に51校ありますが、2キャンパスを有する高専は全国に4校しかなく、熊本高専はその中の一校で、キャンパス間の距離は60kmと、その中でも一番距離があります。
 
Q②「高等専門学校」とは何年制のどんな学校ですか?修了後はどんな進路・進学の道があるのでしょうか?
 
「高専」とは高等専門学校の略称で、未来の技術者(エンジニア)を育てるための学校です。
高専は、中学校の卒業生を受け入れ、5年間の一貫教育を行う高等教育機関として設立されました。
現在、熊本高専を含めて51の国立高専があります。
熊本高専には、5年間の本科の後、さらに2年間の専門教育を行う専攻科(4年生大学と同等)が設置されています。
少人数クラス編成で実験・実習を重視した専門教育を行い、大学とほぼ同程度の専門的な知識、技術が身につけられるよう工夫しています。
高専を卒業すると「準学士(工学)」と称することができ、卒業生の6割が民間の工業系を中心とした企業や公務員などに就職しています。
また、4割が、本校の専攻科(学士(工学))や国立の大学(3年次)に進学しています。
専攻科を卒業した学生は、大学院へも直接進学が可能です。
(平成30年度の大学院進学の実績:東京大、北陸先端大、京都大、奈良先端大、九大、熊大など)特に、熊本高専は、グローバル高専として、シンガポールやマレーシア、ハノイ、タイなど多くの留学生を受けている実績を有していて、本校の4年生は、海外研修として、シンガポールなどの包括協定している学校での、英語の授業、海外の企業との連携を行っています。
このような海外の学生との交流なども体験してもらい、海外でも活躍できるグローバルな傑出人材の育成を計画しています。
 
Q③ 熊本高等専門学校について学校の歴史や学科・専攻科等を教えてください。
 
昭和46年4月1日:国立学校設置法の一部改正により、熊本電波工業高等専門学校設立。
昭和49年6月7日:国立学校設置法の一部改正により、八代工業高等専門学校が設立。
平成21年10月1日:熊本電波高専が熊本キャンパス、八代高専が八代キャンパスとして、2キャンパスを有する、独立行政法人国立高等専門学校機構「熊本高等専門学校」が設置。
八代キャンパスには、融合複合領域を網羅する3学科、「機械知能システム工学科」「建築社会デザイン工学科」「生物化学システム工学科」が本科に、専攻科として「生産システム工学専攻」がそれぞれ、設置されました。
また、熊本キャンパスには、ICT系の3学科として、「情報通信エレクトロニクス工学科」「制御情報システム工学科」「人間情報システム工学科」、専攻科に「電子情報システム工学専攻」が新設され現在に至っています。
今年度で、再編後、創立10周年を迎えます。
 
Q④ 6月8日(土)から「高専ハカセ塾」を開校されるそうですが、「高専ハカセ塾」とは?
 
「高専ハカセ塾」は、国立研究開発法人科学技術振興機構(通称、JST:JapanScienceandTechnologyAgency、科学技術振興を目的として設立された文部科学省所管の国立研究開発法人)のジュニアドクター育成プログラム」の採択事業のひとつです(平成30年度~令和4年の5年間の事業)。
国立高専のうち、久留米高専、有明高専、熊本高専(2キャンパス)の合同企画で、早期技術者育成のエキスパートである高専が、九州中部(中九州)の小・中学生を対象に、次世代化学技術を担う、傑出人材の発掘・育成を行うプログラムです。
熊本高専が通常実施している地域の子どもたちを対象とする実験教室等の活動は、小中学生の理科離れが指摘されている中で科学技術への興味・関心を促すことを目的としています。
これに対して、「高専ハカセ塾」は、科学技術に対する興味・関心が高い小中学生を対象とし、彼らの能力を更に伸長させることを目的としています。
 
Q⑤「高専ハカセ塾」のプログラムの特徴を教えてください。どんな内容が予定されていますか? 
 
去年のプログラムの例では、熊本高専では、micro:bitというマイコン(マイクロコンピュータ)を用いたお絵かきロボットを動作させるプログラミング、マトリックスLEDによる電光掲示板の製作、液体窒素による超伝導入門、霧箱を用いた放射線の軌跡観察、分光、偏光技術による光のスペクトル解析など、多岐にわたる実験を通して、科学技術の基礎と興味を持ってもらう内容を実施しました。
さらに、今年度はニワトリの解剖や液状化の実験など、熊本高専両キャンパスの特徴を活かしたプログラムを実施します。
また、自由研究を発展させた課題研究や研究内容のプレゼンテーションを通して、科学者や技術者に求められる能力であり、私たちが高専の学生にも求めている、課題解決能力やビジネスマインド、コミュニケーション能力といったスキルの育成を目指しています。
 
Q⑥「高専ハカセ塾」の開催情報を教えてください。
 
日程:令和元年6月~12月、全16回程度
(主に土曜日および長期休みを利用し、月に1・2回程度、1回あたり3時間程度実施予定)
会場:熊本高専熊本キャンパス、熊本高専八代キャンパス、有明高専、久留米高専
対象:小学5年~中学3年生、全40名(各キャンパスから10名程度)
*保護者の方も自由に見学可能です。
今年度の第1回(開校式)は6月8日(土)13時~15時半有明高専にて開催予定
 
Q⑦「高専ハカセ塾」の申し込み方法を教えてください。
 
専用申込用紙(ホームページからもダウンロード可)に必要事項を明記し、受講を希望する高専に郵送・FAX・E-mail(用紙を添付)でお送りください。
申込期間:令和元年5月7日(火)~5月14日(火)17時必着。
詳しくはホームページの募集要項をご覧ください。
 
Q⑧ 事前に「高専ハカセ塾」の体験説明会も予定されているそうですね。
 
・開催日時:5月11日(土)13時半~15時半
・場所:有明高専一般教育北棟一階物理実験室
・内容:高専ハカセ塾の概要説明、講座体験、申込用紙の書き方(一緒に書きましょう)
・申込方法:開催日の3日前までにお子様の氏名、学年、連絡先をホームページ内にあるフォームよりご連絡ください。
・ご家族や友人の見学も可。上記日程はいずれも同じ内容で行います。
 
Q⑨「高専ハカセ塾」熊本高専会場受講希望者の申し込み先を教えてください。
 
熊本高専会場(熊本キャンパス、八代キャンパスとも)
〒861-1102熊本県合志市須屋2659-2
熊本高専総務課研究・社会連携係内高専ハカセ塾事務局
FAX:096(242)5503
TEL:096(242)6433
E-mail:sangaku@kumamoto-nct.ac.jp
 
Q⑩ 最後にご出演者それぞれからPRやメッセージ等ございましたらどうぞ。
 
高専は、全国にある技術者育成の高等教育機関です。
身近ではない方には、敷居が高いように思われますが、本校に在籍している学生は、中学校を卒業後、自分の興味があることやチャレンジしてみたいことを見つけて、自由に勉強をしています。
非常に自由な校風であることが特徴です。
8月には両キャンパスで、学校を開放したオープンキャンパス、10月には文化祭を開催していますので、高専にお越しになり、いろいろな実習(3次元CAD、生物化学実験、液状化の実験など)や設備(電波暗室、無響音室、大型3Dプリンタ、精密工作機器など)も体験してもらえればと思います。
来週末の5/18(土)には両キャンパスで「おもしろサイエンスわくわく実験講座」も実施します。
子どもから大人まで楽しめる実験工作教室を多数準備していますので、そちらにもぜひお越し下さい。
両キャンパスで実施場所や実施方法も異なりますので、詳しくは本校ホームページをご覧下さい。

「おもしろサイエンスわくわく実験講座」
詳しくはこちらのホームページを御覧ください。
 
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