エステサロンで中途契約を行う場合、注意点!
GWが終わると次の大きな休みは夏休みとなる訳で・・・
この夏どこに出かけよう?、夏に向けてダイエットや身体づくりをしよう、
など 個人的にも何か準備を始める頃ではないでしょうか?
ということで、今日も誰かの役に立つ情報を!と取材へ−−−
弁護士法人「田中ひろし法律事務所」代表弁護士で、
熊本県弁護士会所属 田中裕司先生にとある参考例をもとにお話を伺っています
【例文】Aさんが、エステサロンで20回 40万円のコースを契約しました。
やってみたら何かが違う、と違和感を感じ、中途解約を希望することに。
中途解約をする場合、違約金というのが発生すると聞きました。
また支払ったお金が戻ってくるのかも不安です。
田中先生→まずは3点の方向から見ていきましょう
1)このエステの契約の仕方が訪問販売やキャッチセールスだった場合、
契約から8日以内であれば「クーリングオフ」というのが適用されます。
*クーリングオフとは契約後 一定期間であれば、
契約を白紙に戻せるという消費者を守る制度です。
またエステサロンで契約を結ぶ時、必要な書類があるんですね。
(契約解除に関する説明書きやクーリングオフに関する記載がある書類です)
この書類が不揃いである場合、渡し漏れなどがあった場合は、契約が無効となります
2)続いて、Aさんが施術を受けていない状態で中途解約をする場合
施術料金を支払う必要はありません。
施術料金を前払いしていれば、
エステサロンに対して返還を請求することができます。
しかしエステ側は、違約金を請求しようとするでしょう・・・
(契約書内に)違約金の定めがある場合も、
違約金は「契約の締結及び履行のために通常要する費用の額」に
法定利率の遅延損害金を加えた額を超えることはできない、
と特定商取引法にも決められております。
エステサロンの場合、
二万円及びこれに対する遅延損害金を超えて違約金を請求することはできないと定められているので、
多額の違約金を払わないといけない…と心配しすぎる必要はないと思います。
3)施術を受けた後の清算という場合
これまでに施術を受けた分に関しては支払いが必要です。
料金を前払いしている場合、
まだ施術を受けていない分に関しては料金の返還請求をすることができます。
例えば、20回のうち12回済んで(残り8回がまだの場合)
1回あたりの料金が2万円と換算して・・・
・8回✖️2万円=16万 【まだ施術を受けていない分=返還を求めたい額】
ただし、先に述べました違約金もしくは遅延損害金の支払いが伴いますので
(法律で定められた違約金)2万円か、
契約残額16万円の10%である1万6千円を〝解除によって通常生ずる損害の額〟
としてエステ側に支払うかのどちらかになります。
2点を比較し、低い方の額1万6千円を収める場合
・16万円➖1万6千円=14万4千円
この14万4千円が返金を請求できる額となります。
先生、このように計算をしてみると、少し安心します
違約金と聞くとムチャクチャ高い額を納めなければならないのか・・・
という不安もありましたが、法律である程度守られているんですね。
このように消費者を守る制度があるということは知ってよかったと思います。
このように中途解約を行う場合、どういったところに相談すれば良いのでしょうか?
田中先生→市に「消費者センター」
県に「消費生活センター」という窓口があります。
http://www.city.kumamoto.jp/hpkiji/pub/detail.aspx?c_id=5&id=17
①市民局 市民生活部 生活安全課 消費者センター
電話:096-353-5757
ファックス:096-353-2501
shouhisha@city.kumamoto.lg.jp
②熊本県 消費生活センター
http://www.pref.kumamoto.jp/hpkiji/pub/List.aspx?c_id=3&class_set_id=1&class_id=1070
連絡先 |
電話:096-383-0999 FAX:096-383-0998 |
相談受付時間 |
月曜日から金曜日 9時から17時まで (※土曜日、日曜日、祝日、年末年始はお休みです。) |
所在地 |
〒862-8570 熊本市中央区水前寺6丁目18-1
|
契約をしてからすぐに解除したい場合、また契約途中で解除したい(したくなった)場合、
まずお電話で相談されてみてください。
それでも不安な場合 うまく解決できそうにない場合は、
私ども弁護士にご相談頂ければ、解決への手助けをさせて頂きます。
とにかく、決めたら早めに行動を起こす!ということが大事になってきます
田中先生、心強いお言葉ありがとうございます
エステサロンに限らず、
学習塾や家庭教師、各種教室など訪問販売やキャッチセールスなどで
継続的な契約を行った場合、
自分に合わなかった場合どのようにしたらいいのか不安になるときがありますよね。
そんな時にどのような対応をしたらいいかを、今回学んだ気がします。
皆さんも参考にされてみてください。
<取材・文 前園 絵吏>