2018年10月13日「第11回 徴兵検査」
初めて教職に就いた大正5年5月、四三は郷里熊本の菊池で徴兵検査を受けた。適齢の20歳はとっくに過ぎ、数え年26歳。一緒に検査を受けた青年たちをはじめ、軍医や兵士もマラソンの金栗を知っていて、「お前が金栗か」と、鍛え抜かれた見事な体を見て目を細めた。
口頭試問でも、四三には「兵隊は1分間に何歩歩くか」、「オリンピックで、外国人の体格はどうだったか」など特別な質問が出て、面接は普通の2倍近くも時間がかかった。
検査が終わり、結果が発表されると、兵隊としての素質十分と思われた四三は、どうしたことか第一乙種、つまり不合格だった。
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