「CHIKAKEN」代表 三城賢士さん 「Light It Blue Kumamoto」

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月曜対談
「ひと」「もの」「こと」に関わるさまざまなトピックを切り取っていくインタビュー「月曜対談」。
「竹あかり」の演出制作・プロデュース集団「CHIKAKEN」代表の三城賢士さんに毎週木曜日の夜、全ての医療従事者の方へ感謝の気持ちを込めて、県内各所でブルーのあかりを灯すプロジェクト「Light It Blue Kumamoto」についてお話を伺いました。

●ご出演者のプロフィール

名前:三城賢士みしろけんし
所属・肩書き:CHIKAKEN代表
崇城大学にて出会った、「ちか」と「けん」を中心としたユニット。共に師事した内丸惠一先生の提唱する「まつり型まちづくり」をベースに、竹に穴を開けてあかりを灯す「竹あかり」の演出制作・プロデュース集団「CHIKAKEN〈ちかけん〉」を、2007年4月に設立。
熊本を拠点に全国各地で「竹あかり」を灯し、その土地にしかない“風景”と“物語”を創りつづけている。
「人と人・人とまち・人と自然」を繋ぐ「竹あかり」が一過性の「事業」として消費されるのではなく、新たな日本の「文化」として受け継がれることを目指している。
2016年5月開催の伊勢志摩サミットでは、配偶者プログラムの夕食会場を演出。
また、地域と協働で創り上げるまつりを全国各地で手がけるほか、2019年10月には、中国初の竹あかりの祭り「開竹祭」の演出プロデュース、制作指導を行う。
 
Q① CHIKAKENについて詳しく教えてください。
 
◎これまでの主な演出
熊本暮らし人まつりみずあかり演出・制作指導(熊本・2007年~)
〈第16回ふるさとイベント大賞受賞〉
明治天皇百年祭(東京・明治神宮・2012年)
〈第32回経済産業省ディスプレイ産業優秀賞受賞〉
黒川温泉湯あかりプロデュース(熊本・2013年~)
ANA×みずあかり「そらあかり」プロデュース(熊本・2013年,2014年)
わーと日本橋(東京・日本橋三井ホール・2015年)
伊勢志摩サミット・配偶者プログラム夕食会場(三重県志摩市・2016年)
J-POPSUMMIT2017(米国サンフランシスコ・2017年)
第25代専如門主伝灯奉告法要協賛行事・西本願寺花灯明(京都・2017年)
みなとみらい竹あかりプロジェクト(横浜・2018年)
開竹祭演出・制作指導(中国・2018年)
スーパー耐久レース2019(富士スピードウェイ・2019年)
 
Q② 竹あかりをはじめられたきっかけや今までの実績について教えて下さい。
 
あかりを竹に灯す「竹あかり」僕ら池田ちかおと三城けんし(二人合わせて「ちかけん」です)は、あかりを竹に灯す「竹あかり」を10年以上、全国で制作してきました。
はじまりは僕らの学んだ崇城大学の内丸研究室で、大分県の臼杵で開催されていた「うすき竹宵」という竹灯籠のまつりと出会ったことでした。
みんなで汗を流して竹灯籠にあかりを灯すまつりが、人々の意識に変化を与え、結果、まちが活性化していたのです。
僕らが竹あかりを伝えることで生きていこうと決意し、起業するに至った一番のきっかけは、熊本城周辺で開催された「熊本暮らし人まつりみずあかり」というまつりに参加したことでした。
そこで大勢の、実にいろんな立場の人たちと上下なくつながり、フラットに広がっていく躍動感に魅力を感じたからです。
今では「みずあかり」は16回を数え、2019年にはボランティアとして述べ6,000人以上もの人々が参加して制作するまつりに成長しています。
この経験をもとに、自分たちのまちは自分たちで灯そう。
その想いではじめた竹あかりは、人とまちをつなぎ、人と人をつなぎ、人と自然をつないできました。
あかりを竹に灯すという行為を通じて、結果的に人を灯してきたんだろうと思っています。
竹あかりは荒廃が進む竹林の有効活用、具体的には竹林整備、竹炭や竹堆肥などへの再利用を通して、それぞれのまちに住む人々に活躍の場を生み、竹を資源とみなす可能性を提示してきました。
それは人と自然の共生を現代において具体化する一つの提案であり、竹を通した地域活性化の実現でした。
また、竹は日本において古来より、生活に必須の存在でした。
日用品のザルや籠はもちろんのこと、生活のありとあらゆるものに使われてきました。
そしてタケノコは食料にもなり、神事の際に竹は神聖な存在として結界に用いられ、お正月の門松など多くの使われ方をしてきました。
まさに生活に直結した文化の担い手だったと言えます。
 
Q③ 竹あかりを行う際、大切にしていることを教えて下さい。
 
僕らは3つの「わ(輪・環・和)」を大事にしています。
一つは「人と人とのつながりの『輪』を広げる」こと。
もう一つは「持続可能な環境の『環』を広げる」こと。
そして最後の一つは「日本文化としての『和』を広げる」ことです。
この3つの「わ」を念頭にこれまで全国で竹あかりをつくってきました。
僕ら二人では日本中を灯すことはできません。
ましてや日本の文化と言えるような広がりや歴史をつくるのは難しい。
そこで、僕らはまちづくりの一環として「自分たちのまちは自分たちで灯す」ということを提案してきました。
それぞれがそれぞれの場所で、自分たちの手でまちを灯せたなら、それは日本を灯すことになるんじゃないか、そう思うのです。
僕らは竹あかりを日本の文化として100年後も残していきたい、そう思っています。
竹あかりはメッセージです。
竹あかりのデザインや制作方法が大事なのではありません。
だから竹である必要もないんです。
竹あかりはツールの一つに過ぎません。
日本中に、僕らの経験と思いを伝え続けていくことが、僕らにとっての新しい竹あかりであり、使命だと思っています。
竹はどこにでも生えて、誰でも切ることができ、加工できる素材です。
だから僕らのやっていることは誰でもできることなんです。
でも誰でもできることを誰よりも一生懸命する、それが僕らのスタイルですし、竹あかりのメッセージなのです。
それぞれがそれぞれの想いをかたちにしていく、そのツールとして竹あかりは各地で灯され続けて欲しいと思っています。
僕らにとっての成功ってなんだろうって考えてみました。
一つ挙げるなら、「竹あかり演出家になりたい」という人が出てくることだと思っています。
まちづくりや地域活性、言葉で考えると難しいし何がいいのかもわかりません。
でも自分たちのまちは自分たちで灯す、という竹あかりというメッセージを共に伝えていく仲間が生まれてきたら、それはきっと僕らの目指すゴールそのものだと思っています。
 
Q④ CHIKAKENさんも参加されている「#LightItBlueKumamoto」の取り組みについて詳しく教えてください。
 
コロナと戦う医療従事者へ向けて、感謝と応援と敬意を表すライトアップです。
何でも自粛ですが、僕らはもともとあかりを灯すことくらいはすぐできたのでやっています。
 
Q⑤ いつ、どこで行っているのでしょうか?
また、どうやったらライトアップを見ることができるのでしょうか?
 
毎週木曜日に上通りのオモケンパークで灯していますが、自粛ではあるので、木曜20時からフェイスブックで配信しています。朗読や歌もやりました。
 
Q⑥「#LightItBlueKumamoto」への参加方法を教えてください。
 
ブルーに灯すものがあればいいですが、なければ、フェイスブックの配信をみてもらって、その時に一緒に応援や敬意の気持ちを一緒に思ってくれたらいいなと思います。
 
Q⑦ 最後にラジオをお聴きの皆さんへメッセージ、PRをどうぞ。
 
何もできずとも、僕らは常に希望と創造力を持つことはできると思っています。
楽しい未来を作る方法を一緒に考えたいですね!

「CHIKAKEN」オフィシャルサイト
http://chikaken.com/
 
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