ラジオ局エフエム・クマモト「FMK Morning Glory」の番組ブログ
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Boulangerie Nuitetjour 大岡順子さん


2017/05/31 10:25

おいしい食べ物は人を元気にします。
おいしいものをおいしい季節に食べたいですね。
このコーナー『やさしいごはん』では毎回、季節にぴったりの食に関する話題をお届けしていきます。
5週目の今日はスペシャル・ゲスト・バージョン。
今日のゲストは、Boulangerie Nuitetjour の大岡順子さんです。

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●ご出演者のプロフィール
 
(お名前・ふりがな)大岡順子 おおおかじゅんこ
(正式店名)ブーランジュリー ニュイテジュール
(プロフィール)熊本県立大学卒業後、ドゥースフランス(ビゴの店銀座店)(東京・銀座)、イデミスギノ(東京・京橋)を経て、2007年に熊本市東区に夫婦でパン屋、ニュイテジュールをオープンしました。
パティシエ、管理栄養士。
最近はお菓子教室の講師や、ジャムの製造委託、技術指導もさせていただいています。
 
Q「Nuitetjour」の基本情報を教えてください。
 
Boulangerie Nuitetjour
熊本市東区東野2−8−12
TEL/FAX 096-368-6801
ブログ:アメブロ ニュイテジュール便り
https://ameblo.jp/nuit-et-jour/
 
Q「Nuitetjour」を開店したのは、いつですか?
オープンのきっかけは?お店の名前の由来は?
 
2007年7月7日にオープンしました。
主人がパン職人、私がパティシエで、ずっと二人でお店を開くのが夢でした。
主人は東京出身でしたが、私が故郷に帰りたい想いがあり、熊本でお店を開くことになりました。
店名のニュイテジュールは、夜も昼も、いつでもという意味があり、夜も昼もいつでもパンを食べていただきたいという思いと、主人と私のイニシャルがNとJだったことからつけました。
 
Q「Nuitetjour」のパンの特徴は?お店を代表するパンは?
 
手間と時間がかかり、職人の腕の差が明白に現れる、フランスの伝統製法のパンを主人が一人で焼いています。
当店を代表するパンはやはりバゲットやカンパーニュなどのハード系をはじめ、カヌレ、スコーン、クロワッサンなど、パリのパン屋さんに並んでいるようなパン達です。

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Q 大岡さんは、先日、海外のコンテスト「DAILMAINMARMALADEAWARDS2017」で受賞されたということですが、まず、このコンテストはどんな大会なんですか?
 
DAILMAIN(デールメイン)国際マーマレードアワードは、世界一のマーマレードを競う祭典です。
マーマレードの本場イギリスで、毎年2月に開催されていて、世界中から3000を超えるエントリーがあります。
アマチュア部門、プロフェッショナル(Artisan)部門、ホテルレストラン部門の3部門があり、さらにイギリスでは定番のセヴィル・オレンジを使ったマーマレードから、それ以外も柑橘、他のアクセントを加えたものなど、様々なカテゴリーがあります。
「色・香り・テクスチャー・味」それぞれに点数がつけられ、満点は20点です。
18〜20点で金賞、16〜17点で銀賞、14〜15点で銅賞です。
 
Q 大岡さんのジャムは、どんな賞を受賞したのですか?
また、どんな点が評価されたのでしょうか?
 
不知火とマダガスカル産のブラックペッパーのマーマレード、甘夏のマーマレードの2つで、銀賞をいただきました。
色、香り、テクスチャー、味それぞれに点数がつけられますが、甘夏においては、色、香りで満点を、味は9点中8点で、ゴージャスなカラー、優れたフレーバーというコメントをいただきました。
不知火は、色で満点、その他は1点ずつ減点で、魅力的で素敵なオレンジ色、甘く、楽しいフレーバーというコメントをいただきました。
どちらも、もっと煮詰めるように、とのコメントもいただきました。
 
Q ジャムが完成するまでのエピソード、苦労した点、味わってほしいポイントなどあればお願いします。
 
昨年の秋に、師匠であるイデミスギノのシェフとマダムとお食事した際に、コンテストがあるようだから出品してはどうかと、勧めてくださいました。
よし、と心に決めたものの、普段の仕事で手一杯でしたし、英語が得意ではないので、エントリーシートを書くのも私にとっては骨が折れました。
今回は、とりあえず出品することを目標に、熊本の柑橘でチャレンジしたいと決めて、不知火、甘夏、晩白柚、金柑でマーマレードを作りました。
これまでの受賞作品を研究したところ、自分が作るものより煮詰めたものが好まれているようでした。私がこれまで作り続けていたコンフィチュール(ジャム)は、フランスのレシピが元になっていて、さらりとしたテクスチャーとフレッシュさを残した香りと色が特徴だったのですが、強く煮詰めるとそれが失われるので、どうやって美しい色と香りを残せるか、もっと美味しくするためにはどうしたらいいか・・・専門書や料理本やインターネットで調べまくっては実践しました。
また、日本では、甘いものが好まれるので、皮の苦味をあまり残さなかったりしますが、ヨーロッパでは苦味こそ旨味として好まれるようですので、どのくらい苦味を残すか、悩みました。
不知火は特に、甘夏や、ゆず、オレンジなど、マーマレードとして馴染みのある柑橘の皮と違って難しく、皮が薄くて、苦味が強すぎるので、皮をスライスして水にさらしてみたり、茹でてから切ってみたり、ゆでこぼす回数、スライスの厚さなども試行錯誤を繰り返しました。

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Q このジャムを、どんな風に味わってほしいですか?
美味しい食べ方などあれ場ご紹介ください。
 
バターやクリームチーズと一緒にパンに乗せて。
フランスパンに、マーマレードを乗せた上からEXバージンオリーブオイルをかけるのも美味しいです。
ヨーグルトやアイスクリームのソースにしたり、紅茶に入れたり、パウンドケーキの生地に混ぜたり、炭酸で割って飲んでいただくのもおすすめです。
ドレッシングの隠し味に使ったり、スペアリブの煮込みなどのお料理にも使えます。
私はカレーの時にチャツネがわりに加えたりもします。
 
Q これまでの活動を通じて、印象的なエピソードなどあれば教えてください。
 
お客様から、「美味しくて感動しました、幸せな気持ちになりました」とか、妊婦さんが「つわりがひどい時にこちらのパンなら食べられました」とか、「美味しすぎてワインが1本空きました」とか、笑顔でお話しいただいた時は、とても嬉しい気持ちになります。
 
Q 今後の夢などありますか?
 
マーマレードアワードでは、金賞の中でも特に優れた作品にダブル金賞が与えられるのですが、いつの日か受賞できるように毎年チャレンジしたいです。
また、熊本の皆さんの食卓にもっとフランスパンを取り入れていただけるように、美味しい食べ方をもっと知って、提案できたら、と思っています。
より多くのみなさんに、美味しいパンがもたらしてくれる、ささやかな幸せを味わっていただけたら、と思います。
 
Q PRしたいことなどあれば、お願いします。
 
震災後、クローズしていたカフェをやっと今月の22日に再開しました。
サンドイッチやクレームブリュレなどをはじめ、受賞したマーマレードと一緒に楽しんでいただく、自家製酵母パンのジャムトーストや、スコーンなどもございます。
ゆっくりお茶を飲みにお越しください。
これからの季節、桃やマンゴー、すもも、ブルーベリー、栗など、コンフィチュールに最適なフルーツが豊富ですので、色とりどりに店頭に並びます。
ぜひ当店のフランスパンやカンパーニュと一緒に味わってください。
また贈り物にも大変喜ばれておりますのでご利用いただきたいです。
 
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