毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。
毎週、松崎ひろゆきが選んだ映画をご紹介しています。
今日ご紹介するのは、現在公開中の「ジャック・リーチャー NEVER GO BACK」です。
いまや「映画スター」という言葉が相応しい俳優が少なくなったと言われています。
でもこの人、トム・クルーズは間違いなく現代のトップ「映画スター」です。
そして、映画スター・トム・クルーズの最新作が、
この「ジャック・リーチャー NEVER GO BACK」です。
この映画は、2013年に公開された、トム・クルーズ主演作「アウトロー」の続編になります。
「アウトロー」をこのコーナーで紹介した時は、「笑顔がまぶしい誰にでも愛されるトム・クルーズ」が、これまでとはまったく違った「男臭い」ハードな役を演じています。」とご紹介しました。
このシリーズは、イギリスの作家リー・チャイルド原作の小説「ジャック・リーチャー」シリーズを実写映画化したもので、現在21作発表されているうち、前作「アウトロー」は、原作の9作目を。
今回は18作目を映画化しています。
待望のトム・クルーズの新作の公開という訳です。
主人公のジャック・リーチャーは、元アメリカ軍のエリート秘密捜査員。
しかし閉鎖的な軍の体質を嫌って自由を選び、現在はたったひとりで街から街へと放浪の旅を続けています。
基本的に「流れ者」で家族や「安住の地」とは無縁の男のリーチャー。
定期的に「軍」の担当者に居場所を教えることになっています。
現在の担当者は、保守的な軍にあって、女性にもかかわらず少佐という地位にあるスーザン・ターナー少佐。
定時連絡を繰りかえすうちに、リーチャーとターナーは、お互いを信頼する友情を育んでいきます。
ある日、ターナーに会うため、久しぶりに軍の施設を訪れます。
しかし彼女はスパイ容疑をかけられ、逮捕されていました。
ターナーを救い出したリーチャーは、軍の内部に不審な動きがあることを知り、真相を確かめるため、動き始めます・・・。
自分に厳しいルールを課して生きるジャック・リーチャーという男。
彼には、自分に課している「掟・7か条」というものがあります。
その1:職には就かない。
その2:住居はもたない。
その3:わずらわしい物(携帯電話、免許証、クレジットカードなど)は持たない。
その4:人とは絶対につながらない
その5:証拠は信じない。
その6:法律は関係ない。
その7:悪は決して許さない。
素手で相手を倒せるほどのスキルを持ち、戦場では数々の功績をあげながら軍を離れ、一匹狼を選んだリーチャー。
今作では、そんな彼の軍人としての意外な過去が明らかになります。
そして、この「掟・7か条」が、さまざま形でリーチャーをピンチに陥れることになるのが、面白いところです。
また前作は、正義のためなら手段を選ばず徹底的にクールになれる、いわば「ゴルゴ13」的なハードボイルドなヒーローでしたが、今回は、ターナーという女性の相棒ができ、リーチャーの人間味を感じるシーンがちょこちょこ観られるのも楽しみのひとつ。
監督は、前作のクリストファー・マッカーリーから、「ラスト・サムライ」でもトム・クルーズとコンビを組んだ名匠エドワード・ズウィックにバトンタッチ。
人間ドラマに定評のある監督だけに、アクションだけでなくジャック・リーチャーの内面にせまり、彼の新たな魅力を引き出しています。
今後もシリーズが続くことを期待させてくれる1作ですよ!
「ミッション・インポッシブル」シリーズだと、スゴイアクションを決めた後に、トム・クルーズお馴染みの「ニコッ」としたスマイルを決めるのが定番だと思いますが、この「ジャック・リーチャー」シリーズのトム・クルーズは笑いません。
ちょっとやくざ映画時代の「高倉健」が入っている感じがするくらい、無口で不器用で、めっぽう強いという男臭いキャラクターです。
50代になり、渋い男の魅力が増してきた新たなトム・クルーズの魅力が炸裂しています。
ふと、思ったんですが、この「ジャック・リーチャー」シリーズって、現代を舞台にした西部劇なんです。
流れ者が悪人を退治して、また去っていくという西部劇の王道パターンです。
思えば、トム・クルーズは、長い役者生活で、いわゆる「西部劇」には出演していません。
「ラスト・サムライ」が一番西部劇に近い世界観ですが、舞台は、日本でした。
この「ジャック・リーチャー」シリーズなんかを観ると、今後、本格西部劇のトム・クルーズを観てみたいなぁ・・・と思ってしまいます。
ガンマン姿で馬に乗り荒くれ者と対決するトム・クルーズ、見たくないですか?
そういう意味でも、トム・クルーズのプロフィール上で重要な作品になるかもしれない
この「ジャック・リーチャー」シリーズです。
今日ご紹介した映画「ジャック・リーチャー NEVER GO BACK」は、
■TOHOシネマズ 光の森
■TOHOシネマズ 宇城
で、現在公開中。
また、11月23日(祝)からは、
■ユナイテッド・シネマ熊本(旧シネプレックス熊本)でも公開されます。
今日は「ジャック・リーチャー NEVER GO BACK」をご紹介しました。
「ジャック・リーチャー NEVER GO BACK」
本日オンエアのこのコーナーをポッドキャストでも配信中。
詳しくはここ↓

FMK