｢FMK Morning Glory｣
毎週火曜日にお送りしています､｢ｷﾈﾏのｽｽﾒ｣｡
毎週､松崎ひろゆきが選んだ映画をご紹介しています｡
今日は､現在公開中の｢PAN〜ﾈﾊﾞｰﾗﾝﾄﾞ､夢のはじまり〜｣をご紹介しましょう｡
誰もが知っている､永遠の少年･ﾋﾟｰﾀｰﾊﾟﾝの ものがたり｡
原作は､ｲｷﾞﾘｽの作家､ｼﾞｪｰﾑｽ･ﾏｼｭｰ･ﾊﾞｰﾘｰが1904年に書いた戯曲です｡
｢ﾋﾟｰﾀｰﾊﾟﾝ｣のｽﾄｰﾘｰは､これまで何度も､
舞台化､映画化､ｱﾆﾒ化され､世界中の子供たちに親しまれていますよね｡
でも､今回の映画は､全く違った切り口なんです｡
確かによくしられるﾋﾟｰﾀｰﾊﾟﾝの物語には､不明な点がいくつかあります｡
｢ﾋﾟｰﾀｰはどうしてﾈﾊﾞｰﾗﾝﾄﾞの住人になったのか？｣
｢ﾋﾟｰﾀｰはなぜ飛べるのか？｣
｢ﾋﾟｰﾀｰを宿敵と狙うﾌｯｸ船長､ふたりはどうやって出会ったのか？｣
今日ご紹介する映画｢PAN〜ﾈﾊﾞｰﾗﾝﾄﾞ､夢のはじまり〜｣は､
そんな疑問に答える映画です｡
ﾋﾟｰﾀｰﾊﾟﾝがどのようにして生まれたのか？
その不思議な力の秘密は何なのか？
という原作の描いた物語の前のｴﾋﾟｿｰﾄﾞを描いたｵﾘｼﾞﾅﾙのｽﾄｰﾘｰが描かれます｡
いわば､｢ﾋﾟｰﾀｰﾊﾟﾝ ｴﾋﾟｿｰﾄﾞ･ﾜﾝ｣的な作品と言えばわかりやすいでしょうか？
まず､映画の冒頭に最初に登場するﾋﾟｰﾀｰは､
｢空を自由の飛べる｣私たちがよく知っているﾋﾟｰﾀｰﾊﾟﾝではありません｡
映画に登場するﾋﾟｰﾀｰは､ﾛﾝﾄﾞﾝの孤児院に暮らす､12歳の普通の少年｡
生まれて間もなく置き去りにされた彼は､母親の顔も名前も知りませんが､
母がのこしたﾈｯｸﾚｽを肌身離さず､いつか迎えに来てくれると信じていました｡
ある夜､ﾋﾟｰﾀｰは海賊たちによって､ﾈﾊﾞｰﾗﾝﾄﾞに連れ去られてしまいます｡
そこは､僕たちが良く知っている妖精の国･ﾈﾊﾞｰﾗﾝﾄﾞではなく､
恐ろしい海賊･黒ひげが支配するﾀﾞｰｸな世界でした｡
そこで､自分には不思議な力があることを知ったﾋﾟｰﾀｰは､
仲間たちの力を借り､黒ひげと対決することを決意します｡
ここで､ﾋﾟｰﾀｰの仲間として登場するのが､
勇敢なお姫さま･ﾀｲｶﾞｰﾘﾘｰと､あのﾌｯｸ船長！
彼は､ﾋﾟｰﾀｰのせいでﾜﾆに腕を食べられてしまったため､
恨みをもっているｷｬﾗｸﾀｰとして知られていますが､
この映画では､なんと最初は仲間だったという意外なｴﾋﾟｿｰﾄﾞが語られます｡
さらに､妖精ﾃｨﾝｶｰﾍﾞﾙとの出会いや､
ﾋﾟｰﾀｰの母と父に関する秘密など､見逃せないｴﾋﾟｿｰﾄﾞが満載です！
一番､驚くのは､映画の中には､｢ﾋﾟｰﾀｰ･ﾊﾟﾝ｣以外にも
｢ﾊﾟﾝ｣が登場してくるという設定です｡
｢ﾋﾟｰﾀｰ･ﾊﾟﾝ｣の｢ﾊﾟﾝ｣は､ﾈﾊﾞｰﾗﾝﾄﾞの世界で｢勇者｣という意味で､
｢ﾋﾟｰﾀｰﾊﾟﾝ｣というのは｢勇者ﾋﾟｰﾀｰ｣という意味｡
ﾈﾊﾞｰﾗﾝﾄﾞには､ﾋﾟｰﾀｰ以外の｢ﾊﾟﾝ｣が君臨しています｡
少年じゃなく､かなりﾏｯﾁｮな｢ﾊﾟﾝ｣です｡
本当の｢勇者｣の称号をかけて､｢ﾊﾟﾝ｣対｢ﾊﾟﾝ｣の対決が行われたり･･･と､
いろいろ驚くｼｰﾝが用意されています｡
監督は､｢ﾌﾟﾗｲﾄﾞと偏見｣や｢つぐない｣など､
これまで純文学作品の映画化で高い評価を受けている､ｼﾞｮｰ･ﾗｲﾄ｡
これまで､大人向けの文芸大作が多かった監督ですが､
今回は､そのﾛﾏﾝﾁｯｸな描写を子供の世界で見事に表現してみせます｡
ｲﾏｼﾞﾈｰｼｮﾝあふれる美しい映像と丁寧な心理描写で
大味なﾌｧﾝﾀｼﾞｰ映画とはちょっと違う､見ごたえのある作品となっています｡
製作は､｢ﾊﾘｰ･ﾎﾟｯﾀｰ｣ｼﾘｰｽﾞを手掛けたﾜｰﾅｰ･ﾌﾞﾗｻﾞｰｽﾞ｡
当然､ｼﾘｰｽﾞ化も狙っているでしょうね｡
ちなみに､恐ろしい海賊･黒ひげを演じているのは､あのﾋｭｰ･ｼﾞｬｯｸﾏﾝ！
余談ですが､ﾋｭｰ･ｼﾞｬｯｸﾏﾝの黒ひげがあまりに迫力あったので､
ｼﾞｮｰ･ﾗｲﾄ監督は､ﾋﾟｰﾀｰ役のﾘｰｳﾞｧｲ･ﾐﾗｰ少年に慣れてもらうために､
かなりの時間を､ﾋｭｰ･ｼﾞｬｯｸﾏﾝとﾐﾗｰ少年に一緒に過ごしてもらったそうです｡
おかげですっかり仲良くなった二人は､撮影で見事な演技を見せてくれます｡
馴れる時間が必要なくらい黒ひげは迫力満点です！
今日ご紹介した｢PAN〜ﾈﾊﾞｰﾗﾝﾄﾞ､夢のはじまり〜｣は､
■ＴＯＨＯｼﾈﾏｽﾞ 光の森
■ＴＯＨＯｼﾈﾏｽﾞ はません
■ＴＯＨＯｼﾈﾏｽﾞ 宇城
■ｼﾈﾌﾟﾚｯｸｽ熊本
■ｲｵﾝｼﾈﾏ熊本
で､現在公開中です｡
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｢PAN〜ﾈﾊﾞｰﾗﾝﾄﾞ､夢のはじまり〜｣
2015/11/03 10:25
