あらゆるジャンルの注目の人にインタビューする「ヒューマン・ラボ」。
今日は、八代妙見祭保存振興会副会長の眞木誠司さんがゲストでした。
◆プロフィール
呉服屋を営む傍ら、八代妙見祭保存振興会に16年努められている。
妙見祭の振興の他地域に残る民俗芸能の保存継承にも取り組んでおられる。
現在68歳。趣味は山登りで体力つくり。
Q「八代妙見祭」の開催日時、お問い合わせ先、ホームページアドレスなど概要を教えて下さい。
開催日時11月22日14:00〜神幸行列(お下り)、
17:00〜御夜11月23日7:30〜神幸行列(お上り)
お問合わせ:八代妙見祭保存振興会 070-5819-8246
Q「妙見祭」の「妙見」という名前の意味、由来を教えて下さい。
妙見祭は、江戸時代、妙見宮と呼ばれていたお宮の祭礼であることから、妙見祭と呼ばれています。
今は八代神社といいますが、今でも、多くの人が妙見さんと呼んでいます。
妙見さんに祀られている神様は、北極星を神格化したもので、
天の中心にあって動かず、その周囲を星がめぐることから、
宇宙を支配する神と考えられていました。
北辰妙見、あるいは妙見菩薩、天御中主神(あめのみなかぬしのみこと)、
国常立尊(くにとこたちのみこと)ともいわれる霊験あらたかな神様です。
「妙見」というのは「よく見える」という意味で、
すべてを見通す力をもっている意味です。
古くは、目の病気に効く、なくしたものが見つかる、として信仰されたこともあったようです。
Q「八代妙見祭」の由来・由緒を教えて下さい。
妙見祭とは、妙見の神様が乗った神輿に、数多くの出し物がお供して、
行列をなして練りあるく神幸行列を中心とする祭礼行事です。
妙見宮のはじまりは680年といわれますが、
いつから祭礼が始まったのかはわかりません。
少なくとも16世紀の半ばには、神輿の神幸や流鏑馬、舞楽(ぶがく)があり、
桟敷を設けて見物するにぎやかな祭礼が行われていたようです。
関ケ原の合戦前後に祭礼も中断したようですが、江戸時代になり、世の中が落ち着くと、
八代城代加藤正方が妙見宮の社殿を再建、
続いて八代城に入った細川三斎が新しい神輿や祭礼衣装を寄進するなど、
妙見宮や妙見祭の復興が図られました。
三斎が神輿を寄進したのが、寛永13年(1646)のことで、
これ以降、次第に出し物が増え、約300年前には、獅子舞、笠鉾、亀蛇、飾馬などが出され、
現在の姿に近い祭礼になっていたようです。
こうした神幸行列のルーツは、
平安時代に京都ではじまった祇園御霊会(ぎおんごりょうえ)といわれ、
この祇園御霊会は現在も祇園祭として続いており、
豪華な山鉾が出る祭礼として有名です。
もともと京都を拠点としていた細川三斎が復興した復興した妙見祭で、
祇園祭の出し物に近い笠鉾が発展したことは興味深いことです。
Q主な行事をいくつかご紹介下さい。
11月23日(祝)神幸行列7:30〜塩屋八幡宮〜八代駅前〜妙見宮〜砥崎河原
11月15日(日)10:00〜八代市厚生会館にてちびっこ妙見祭を開催します。
11月22日(日)9:00〜妙見祭笠鉾組立見学ツアーを開催します。
Q「八代妙見祭」の「亀蛇」について教えて下さい。
まず、「亀蛇」とはなんでしょうか?形や由来について教えて下さい。
亀蛇とは、大きな亀の姿をした出し物で、北の方角を守る玄武(げんぶ)という霊獣が原型です。
この玄武は、亀に蛇がまとわりついた姿で表されます。
これは、妙見神が、北の方角の象徴である北極星を神格化した神様であることに由来します。
このことから、妙見神を守護する動物として、しばしば妙見神とともに表され、
海を渡ってくるとき亀蛇に乗ってきたともいわれています。
妙見祭の「亀蛇」は、八代城下町の出町から約330年前から出されるようになったもので、
長さ約3m、幅2.5m、重さが約100キロ以上ある甲羅を5人で担ぎ、
一人が頭を担当し、上下に伸び縮みされます。
亀蛇の頭には、海を渡るときについた貝殻があったり、
足回りの幕には、波の絵が描かれるなど、海を渡ってきたとの伝承が随所に活かされています。
甲羅の後に赤い毛をつけており、これを持っておくとケガをしないなどといわれています。
グルグルまわったり、首を伸び縮みさせたり、
海を渡る様子を表した上下運動など、ダイナミックでユーモラスな動きが人気です。
Qその他、獅子や神輿の制作年や歴史、特徴などを教えて下さい。
獅子は、元禄4年(1691)、八代城下町に住んでいた井桜屋勘七という豪商が、
創始して妙見祭に奉納したのがはじまりといわれています。
勘七は、商いで長崎に行くことが多く、
長崎諏訪神社の祭礼「おくんち」に出ていた「羅漢獅子」に感銘を受け、
自ら太鼓やチャルメラを習い、創意工夫を加えたといわれています。
今は中嶋町獅子舞保存会がその伝統を継承しています。
雄雌二頭の獅子が、中国風の衣装を着けた少年に玉を振ってあやされながら、
獅子舞を演じるもので、勇壮で表情豊かな獅子の動きが見どころです。
また、ドラやチャルメラなど異国情緒豊かなところも魅力です。
神輿は、寛永13年(1646)細川三斎が寄進したもので、
天井画の龍の絵は自ら描いたと伝えられています。
9基の笠鉾とともに、熊本県重要民俗文化財に指定されており、
現在、祭礼には平成10年に新調された新しい神輿が使われています。
Q11月23日に行われる神幸行列について、タイムスケジュールの概要を教えて下さい。
7:30〜塩屋八幡宮出発
8:30〜やつしろハーモニーホール
9:00〜八代駅前
12:30〜砥崎河原
Q「八代妙見祭」の楽しみ方を教えて下さい。(桟敷席や前夜祭など)
22日17:00〜本町アーケードで御夜が開催されます。
今年は伝統芸能フェスティバルがあります。
八代市内の民俗文化財である貝洲加藤神社肥後神楽、
岩奥神楽、樅木神楽、新牟田雅楽の方に出演頂きます。
他にも恒例の獅子の打ち込みや八代妙見紅道中、獅子や笠鉾、亀蛇など出し物の展示等もあります。
Qその他、みどころやPRポイントがあれば教えて下さい。
9:00〜八代駅前、12:30〜砥崎河原で演舞が披露されます。
約200年前の祭礼絵巻を再現した豪華絢爛な時代絵巻をご覧いただけます。
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