あらゆるジャンルの注目の人にインタビューする「ヒューマン・ラボ」。
今日は、熊本を中心に活躍する劇団「ゼロソー」をご紹介します。
お話を伺ったのは、代表の河野ミチユキさんと吉丸和孝さんです。
Q@劇団「ゼロソー」の概要を教えて下さい。
2001年に熊本大学演劇部出身者と公募メンバーによって旗揚げした劇団です。
現在約10名で活躍しています。
QA熊本でも一番活発に活動されている劇団と思いますが…
今月前半には作・井上ひさし「父と暮せば」を上演されました。
丁度、映画「母と暮せば」に合わせての上映ですよね、このフットワークの軽さ…
実際、作り上げていくのは大変なことだと思うのですが、この辺の流れは代表が決めていくんですか?
最終決定は代表の河野が行いますが、イベントのアイデアは日常会話やミーティングの中で出てくることが多いです。
「父と暮せば」は以前からやりたい演目として劇団内で話が上がっていて、
戦後70年という節目に合わせて上演しました。
QB河野さんは作家であり、演出家であり、役者としても活動されていますが、どのスタンスが一番好きですか?
一番嫌いなのは?
得意かどうかは別として、一番好きなのは演出家の立場です。
「芝居がいい時は俳優が褒められ、悪いときは演出家が責められる」というかなり厳しいポジションですが、
新しい俳優さんとの出会いは本当に面白い。
市民参加型の舞台の演出で、一般参加者の初めて出会う人たちと
一緒に舞台を作ったりすることの面白さは何物にも代え難い。
嫌いなポジションはというのはないんですが、敢えて苦手なことを上げるとすれば作家です。
筆が遅くてメンバーに迷惑をかけることもしばしば。
QC作品によってポスターなど、ビジュアルの仕上がりも随分違いますね?
この辺りはどうやって決めているのですか?
これは演出アイディアで、担当が毎回変わるといった感じです。
以前は河野がデザインを担当することが多かったのですが、
メンバー内の他のデザイン担当がいることによる積極的な分業という意味もあります。
外部アーティストに委託することもあります。
ゼロソーという劇団名は「ニュートラル」を意味する電気用語から取っています。
作品毎にビジュアルの色が全く違ってもいいんじゃないかというのが劇団の方針です。
QD先日、常設の稽古場「花習舎」が出来ました。
ローカルの劇団で常設の稽古場を持つのは大変じゃないですか?
正直大変な部分もありますが、やはりメリットが俄然大きいと感じています。
稽古場所の時間的制約がないとか。
先程「ローカル」という言葉がありましたが、例えば県外から見ても
「本拠地があそこのある劇団」と覚えてもらえるということは大きい。
また、健軍商店街がすぐなのでご近所さんと仲良くなったり、
地域に混ぜてもらえてる実感もあるので、稽古場があってよかったなぁとよく思います。
QEその稽古場「花習舎」で、先月、演劇祭が開催されました。
これもゼロソー主催ですか?開催のきっかけを教えてください。
ゼロソー主催ではなくて、今年度は劇団の制作母体サルカンバ!を中心とした実行委員会形式でした。
花習舎のお披露目が主な目的です。
僕らだけでなく、花習舎の使い道を外部の方にも一緒に考えていただけるといいなと思いました。
僕らだけで使うのはもったいないので広くご利用いただけるように。
QF今後の予定を教えてください。
年明け2月に丸-ship主催イベントが花習舎で。
3月11日・12日は熊本市男女共同参画センターはあもにい多目的ホールで新作「竜宮都市ゴーヘイ」を上映します。
他にも演劇体験教室や子どもたちと作る舞台、出張公演、
花習舎での人狼ゲームイベントなど絶え間なく行っています。
もちろん来年も花習舎演劇祭「カシューナッツ」は予定しています。
劇団「ゼロソー」:http://www.zero-so.com/zeroso_web/welcome.html
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