毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。
毎週、松村奈央が選んだ映画をご紹介しています。
今日ご紹介するのは、現在公開中の「天気の子」です。
日本映画では、「千と千尋の神隠し」に次ぐ、歴代2位の興行収入を叩き出し、国内の観客動員数1928万人を記録した新海誠監督のメガヒット作「君の名は。」
日本国内にとどまらず、アジア各国でも大ヒットを記録しました。
それから3年、新海監督の新たな長編アニメーション作品が、今日ご紹介する「天気の子」です。
今回の映画のテーマは、ズバリ天気!
新海監督が、今作の構想を練り始めたのは、ちょうど「君の名は。」が大ヒットしていたころ。
美しさや日本らしい情緒をもたらしていた天気が、恐ろしさや備えるべきものに変わってきたのではないか、と感じ、天気の怖さのようなものをエンターテイメントの中で描きたいと思ったんだそうです。
その思いは設定にも反映されていて、舞台となる東京は夏なのにずっと雨が降り続いています。
奇しくも、今年の東京は映画さながらの記録的な雨続きです。まるで映画の世界が現実になったような・・・・。
主人公の森嶋帆高は、離島から家出をして東京に出てきた高校1年生。
着の身着のまま出てきた彼は、すぐに生活に困り、行き場も失くしてしまいます。
そんな時、ひょんなことから出会った怪しげなオカルト雑誌のライターをしている須賀と出会い、アシスタントの仕事にありつきます。
そんな中、彼は、ある事情を抱えて小学生の弟と2人で暮らす少女、陽菜と出会います。
彼女はなんと、祈るだけで少しの間だけ晴れにできる、不思議な能力を持っていました。
「100%の晴れ女」という訳です。
それを知った帆高は、陽菜と”あること”を始めるのですが、やがてそれは思わぬ方向へ動いていきます。
「君の名は。」と同じく、今回も音楽はRADWIMPSが担当。
音楽と映像がリンクし、物語が展開していく、というのは同じですが、今回は女性ボーカルをフューチャーした楽曲もあるのが大きな特徴です。
楽曲の爽快感と映像の晴れ間の描写が見事にリンクして独特の世界観を作り出しています。
主役2人の声のキャストには、オーディションで新人俳優の醍醐虎汰朗と森七菜を抜擢。
思春期の繊細な心の動きを、フレッシュな演技で聴かせてくれますよ。
また、怪しい中年男・須賀を、小栗旬が演じて、見事な大人の色気を見せてくれます。
また、「君の名は。」の主要なキャラクターが、ちょっとだけゲスト出演しているのもファンには嬉しいところです。
ちゃんと「赤いリボン」をしていますので、要注目です。
今回、新海監督は 高いクオリティを追求するため、公開ギリギリまで手を入れ、関係者への試写会も行われなかったとか。
監督自ら結末には”賛否両論あると思う”と語っていますが、みなさんはどう感じるでしょうか?
ぜひ、スクリーンで確かめてみて下さい!
今日ご紹介した映画「天気の子」は、
■TOHOシネマズ 光の森
■TOHOシネマズ はません
■TOHOシネマズ 宇城
■ユナイテッド・シネマ熊本
■イオンシネマ熊本
で、現在公開中です。
「天気の子」オフィシャルサイト
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