ラジオ局エフエム・クマモト「FMK Morning Glory」の番組ブログ
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映画「フォレスト・ガンプ / 一期一会」


2020/04/28 10:25

毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。
いつもは、私、松村奈央が選んだ映画をご紹介しているんですが、今は、”ステイホーム週間”ということで、家でもたのしめる、ネット配信で見られる映画をご紹介しています。
 
今日ご紹介するのは、「第67回アカデミー賞」で、作品賞のほか6部門を受賞し、主演のトム・ハンクスに、2年連続、2度目のオスカーをもたらした大ヒット作、「フォレスト・ガンプ/一期一会」です。
 
では、ストーリーをご紹介しましょう。
アメリカ・アラバマ州の母子家庭に育ったフォレスト・ガンプ。
他の人より知能指数が低く、幼い頃は背骨の障害から補助器具をつけて生活していて、周囲に馴染めなかった彼ですが、小学校で優しい少女ジェニーと運命的な出会いを果たします。
ひょんなことから補助器具無しで走れるようになったフォレストは、実は誰より早い足を持っていました。
その俊足を買われ、アメフト選手として入学した大学では、スター選手として大活躍!
卒業後には軍隊に入り、ベトナム戦争へと出征します。
そこで仲間を救ったフォレストは、勇敢な行為を讃えられ、勲章を受賞。
さらにベトナムの病院で覚えた卓球が天才的にうまく、なんと世界大会に出場します。
除隊後は、卓球で得た資金をもとに、軍隊時代の上司と始めたエビ漁が大成功。
彼の会社は知らぬものはいないほどの大会社へと成長します。
 
とんとん拍子に進むフォレストの人生ですが、これは1960年代から80年代のアメリカの表の出来事を象徴しています。
公開当時、最新技術を使って、ジョン・レノンやケネディ大統領と共演したことも大きな話題になりましたね。
最近では珍しくもない手法ですが、過去の映像に違和感なく現代の俳優を入れ込んでみせる技術は、当時としては画期的なもので、観客を大いに驚かせ楽しませました。
 
アメリカの近代史をたどるように物語が進行するのが、この映画の面白さですが、フォレストと対照的な人生を送るのが、幼なじみの少女ジェニー。
少女時代に父親から性的虐待を受け、心に傷を負っていた彼女は、歌手を目指すものの落ちぶれてストリップ劇場で働いたり、ヒッピーとなって反戦活動をする中で、薬物中毒なったりと、根無し草のような生活をしています。
しかしフォレストは、そんな彼女をずっと思い続けるんです。
フォレストがアメリカの明るい部分の象徴だとしたら、ジェニーはアメリカの歴史の負の部分。
表裏一体、2人で一つのアメリカ現代史を表しているんですね。
この2人のピュアな恋の結末も、見どころの一つです。
 
さて、トム・ハンクスといえば、映画撮影のために滞在していたオーストラリアで、新型コロナウイルスに感染したことを公表し、世界中に大きなショックを与えました。
彼が感染を公表した3月初旬は、欧米ではまたそれほどウイルスへの危機感がなかった頃で、彼の勇気ある公表によって、一気に意識が高まったと言われています。
彼の告白の翌日からブロードウェイのすべての作品が上演中止となり、人気映画も続々と公開延期になりました。
アメリカでの、トムの影響力の大きさに驚かされますね。
また、つい先日は“コロナ”という名前のせいでいじめられている男の子に、粋なプレゼントを送った事も話題になりました。
コロナウイルスが収束し、彼の新作映画を映画館で楽しめる日が、早く来て欲しいものです。
 
 
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