毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。
松村奈央が選んだ映画をご紹介しています。
今日ご紹介するのは、今週金曜日、10月2日から公開される「ソワレ」です。
この映画は、俳優の豊原功補、小泉今日子などが、日本だけでなく、世界に通用する作品を作ることを目指して設立した映像プロダクション、「新世界合同会社」の第1回作品。
2010年に発表した短編「此の岸のこと」で「モナコ国際映画祭短編部門」の最優秀作品賞など、5冠に輝いた、外山文治監督がメガホンを取り、若手実力派俳優の、村上虹郎と熊本出身の新進女優、芋生悠がダブル主演しています。
では、その内容を少しご紹介しましょう。
主人公の翔太は、俳優を目指して上京したものの、全く芽が出ず、オレオレ詐欺に加担して何とか食いつないでいます。
ある夏、翔太は、生まれ故郷の和歌山にある高齢者施設で演劇を教えることになり、この施設で働く女性、タカラと出会います。
感情を抑え、毎日を淡々と過ごしているように見えるタカラ。
数日後、夏祭りに誘うためにタカラの家を訪れた翔太は、そこで刑務所帰りの父親から暴行を受けるタカラの姿を目にします。
とっさに止めに入った翔太は、タカラの手を取り、夜の街へと駆け出していきます。
行くあてもなく、町をさまよう2人。彼らが行き着く先は、どこなのでしょうか。
若い男女の逃避行、という話だけに、見どころはなんといっても主演2人の演技。
ともに行きづらさを抱え、社会から取り残された立場にある2人が、逃避行を続ける中で、感情をぶつけあいながら、自分の中にある弱さや強さに気づいていく姿が、繊細に描き出されていきます。
2人とも素晴らしい演技を見せているんですが、特に注目したいのが、ヒロインを演じる、芋生悠。
100人以上のオーディションから抜擢されたそうですが、一見儚げで、折れてしまいそうながら、力強さも感じる独特の存在感に驚かされます。
熊本出身の彼女、7月に公開された「#ハンド全力」にも出演していましたが、その時に演じたハンドボール部のエースとは、全く違う表情をみせてくれますよ。
なお、この作品「ソワレ」は、今週金曜日、10月2日から開催される「くまもと復興映画祭」のフィナーレとして、10月4日、18時40分から、上映され、芋生悠と監督の外山文治監督、豊原功補プロデューサーをゲストに迎えます。
本人から実際に質問に答えてもらえるチャンスですから、ぜひこの機会をお見逃しなく!
なお、「くまもと復興映画祭」では、10月2日金曜日の、行定勲監督作品「劇場」の上映や曽我部恵一のライブなどのイベントからスタートし、10月3日、4日には、「ビューティフルドリーマー」、「タイトル、拒絶」といった、注目の新作映画から「真夜中の五分前」、「劇場版 夏目友人帳〜うつせみに結ぶ」などの人気作まで、多彩なラインナップとゲストを迎えて開催されます。
俳優・高良健吾がプロデュースした復興映画祭のTシャツも販売されます。
今年の映画祭は、先日の「令和2年7月豪雨」へのチャリティーともなっています。
ぜひこの機会にご参加くださいね!
今日ご紹介した映画、「ソワレ」は、
■Denkikan
で、今週金曜日・10月2日から公開、
10月4日(日)には、Denkikanで舞台挨拶が予定されています。
同じく10月4日(日)、「くまもと復興映画祭」で熊本城ホールにおいても上映、その後ティーチインが行われます。
以上、キネマのススメでした。
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