ラジオ局エフエム・クマモト「FMK Morning Glory」の番組ブログ
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映画「罪の声」


2020/11/03 10:25


毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。
松村奈央が選んだ映画をご紹介しています。
今日は、現在公開中の「罪の声」をご紹介します。
 
この映画は、「2016年の週刊文春ミステリーベスト10」で国内部門第1位に輝き、「第7回 山田風太郎賞」を受賞した、塩田武士のベストセラー小説を、小栗旬と、星野源という人気俳優2人の共演で映画化した話題作です。
 
では、そのストーリーをご紹介しましょう。
舞台は平成が終わりに近づいた頃。新聞記者の阿久津は、昭和最大の未解決事件を追う特別企画班に選ばれ、30年以上前の事件の真相を求めて取材を重ねる日々を送っていました。
一方、京都でテーラーを営む曽根は、家族で幸せに暮らしていましたが、父の遺品の中から古いカセットテープと手帳を見つけます。
なんとなく気になり、テープを再生してみると、幼い頃の自分の声が聴こえてきました。
その声は、あの未解決事件で犯人グループが使用した脅迫テープの声と同じものだったのです!
やがて、阿久津と曽根は運命に導かれるように出会い、ともに事件の真相に立ち向かうことになります。
 
新聞記者の阿久津を小栗旬、京都でテーラーを営む曽根を星野源が演じるほか、松重豊、古舘寛治、市川実日子など、実力派のキャストが顔を揃えます。
監督は、「今、会いにゆきます」や、「映画 ビリギャル」などで知られる、土井裕泰。
脚本は、ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」や「アンナチュラル」などの作品でいま一番注目の脚本家・野木亜紀子が担当しています。
 
この映画のモチーフになっているのは、”劇場型犯罪”として、今もテレビの特集番組などで紹介される、かい人21面相による「グリコ・森永事件」。
戦後の未解決事件として、いまも多くの謎を残す事件です。
1984年に発生した誘拐事件からスタートした一連の事件、その後、放火や複数の食品会社を対象にした脅迫、毒物混入など、いくつもの犯罪を重ねてマスコミを賑わせましたが、結局犯人は捕まらず、2000年に時効が成立しています。
当時、新聞やテレビに犯人の似顔絵として掲載された「キツネ目の男」の似顔絵など印象に残っている方も多いんじゃないでしょうか。
 
原作者の塩田武士は、元新聞記者で、この作品も緻密な取材のもとに描かれています。
映画の大切な要素となる子供の声の脅迫テープは、実際の事件でも身代金受け渡しの指示書代わりに使われていて、3人の子供が関わったとされているそうです。
この作品はもちろんフィクションなんですが、“実際の事件もこうだったんじゃないか?”
と思ってしまうほどのリアリティに満ちています。
上映時間は2時間を越える長さで少々長めですが、興味深いストーリー展開には、時間を忘れて引き込まれますよ。
 
芸術の秋にふさわしい、骨太な社会派作品です。
ぜひ、映画館でご覧になってください!
 
今日ご紹介した映画「罪の声」は、
■TOHOシネマズ 光の森
■TOHOシネマズ はません
■TOHOシネマズ 宇城
■TOHOシネマズ 熊本サクラマチ
■イオンシネマ熊本
で、現在公開中です。
 
「罪の声」オフィシャルサイト
https://tsuminokoe.jp/
 
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