「ひと」「もの」「こと」に関わるさまざまなトピックを切り取っていくインタビュー「月曜対談」。
今日は熊本県警察本部 交通部 交通企画課の今村利恵さんに交通事故防止のために気を付けることや「春の全国交通安全運動」について電話で伺います。
●ご出演者のプロフィール
昭和61年に熊本県警察の職員になり、熊本中央警察署、熊本北合志警察署など9回の異動を経て、
令和2年3月より交通企画課交通事故防止総合対策室勤務。
Q@「熊本県警察本部交通企画課」の仕事内容を教えてください。
交通企画課の仕事内容は、熊本県内の交通警察運営のための企画調整や「交通事故を1件でも減らすため」事故の統計・分析を行って、事故防止対策を考えて各警察署と一緒に実施するといった内容です。
QA 今年度の交通事故の発生件数、死者数や負傷者数、どのような発生状況が多かったのかについて教えてください。
昨年の人身事故の発生件数は3188件と一昨年の同時期と比較して36件増加しましたが、負傷者数については僅かに減少しています。
死者数については39人の方が亡くなられ、統計を取り始めた昭和23年以降で最少となった一昨年を更新し、7人の減少となっています。
しかし、亡くなった方のうち高齢者の占める割合が約6割を占め、特に、歩行中に亡くなった方が10人と目立っています。
一方で、高齢者が第1当事者となる交通事故により亡くなった方も17人となっており、総合的な高齢者の安全対策が求められています。
QB 事故が発生しやすい場所や状況などはございますか?
やはり国道や県道など交通量が多い場所での発生が多い状況です。
特に、交差点付近での安全確認を徹底していただきたいと思います。
QC 交通事故を防ぐために自動車、自転車、歩行者など、それぞれの立場から気をつけるべきことはありますか?
ドライバーの方は、交通ルールをしっかりと守り、周囲をよく確認して、歩行者や自転車に対する思いやりのある運転に努めていただきたいと思います。
自転車利用者の方は、自転車は車両であることを自覚し、交通ルールを守るとともに、事故を防ぐために反射材の活用や、交通事故の際に少しでも被害を軽減できるようにヘルメットの着用に努めてください。
歩行者の方は、横断歩道を利用することや道路横断時に手を挙げる、また反射材を活用するなど、自らの存在をアピールして自分の身を守る安全な行動を徹底してください。
QD 最近のニュースで「飲酒運転」、またそれによる事故について報道されていると感じるのですが、「飲酒運転」の発生状況やそれによる事故の発生件数、傾向はどのような感じでしょうか?
昨年1年間の飲酒運転による検挙は364件となっています。
また、飲酒運転による人身事故は36件と一昨年と比較すると6件増加しています。
飲酒運転は重大事故につながる悪質・危険な行為です。「飲んだら、乗らない」を徹底しましょう。
QE 交通事故の発生状況について、年齢別にみると高齢者の割合はどれくらいでしょうか?
また、高齢者ドライバーが運転する際に気を付ける点などについて教えてください。
高齢者による人身事故件数は642件と全体の約20%を占めています。
中でも、亡くなられた高齢者は22人と全体の約6割を占め、そのうち14人が75歳以上の方となっています。
高齢ドライバーに限ったことではないのですが、十分な安全確認の後に運転動作を行うといった「初心に返った運転を心がけていただきたいと思います。
QF 今年の「春の全国交通安全運動」について、期間や呼びかけの内容、実施予定のイベント・キャンペーン等詳細を教えてください。
春の全国交通安全運動は、令和4年4月6日から4月15日までの10日間実施されます。
また、4月10日は交通事故死ゼロを目指す日となっています。
運動期間中の重点は、
1子供を始めとする歩行者の安全の確保
2歩行者保護や飲酒運転根絶等の安全運転の向上
3自転車の交通ルール違守の徹底と安全確保
の3つが設けられています。
イベントは、4月6日に県庁プロムナードで、「交通安全運動出発式」を実施する予定ですが、コロナの影響もあり、各警察署等で実施するキャンペーンにつきましては、現時点では確定しておりません。
QG 熊本県警察ではTwitterのアカウントを開設され、交通事故防止に関する情報も発信されていますね!こちらは毎日ツイートされているのでしょうか?
車、自転車、歩行者、それぞれに注意していただきたいポイントなどを平日にツイートしています。
例えば、「道路を横断する前に左右の安全確認をしている方は多いと思います。
では、渡り始めてからはどうでしょうか?
時速40キロの車は、1秒間に約11mも進みます。
渡り始め前には遠くにいた車も、あっという間に接近します。
「渡りながらの左右確認」も忘れずに!」などですが、文字だけでなく、たまにはイラストやチラシを掲載して、より分かりやすくツイートしています。
県警ホームページから見ることができますので、是非御覧になっていただいて、頭の片隅にとどめていただければと思います。
QH 今村さんのお仕事を通してやりがいを感じる瞬間や、印象に残っているエピソードなどを教えてください。
高齢者やお子さんに対する交通安全教育をすることが多いですが、うなずきながらしっかり聞いていただいたり、元気に返事を返していただきますと、こちらも元気をいただけますし、やりがいもあります。
QI 最後にラジオをお聴きの熊本の方へ、PRやメッセージ、交通事故防止に関する呼びかけやお知らせなどございましたらお願いします。
県内では、2月中6件の発生で7人の方がお亡くなりになっており、そのうちの5件は夜間に発生しています。
夜間は、ドライバーから自転車や歩行者が見えにくいことを、ドライバーだけでなく自転車・歩行者も意識して交通事故防止に努めましょう。
また、春は初めて車の運転、初めて自転車通学、初めて一人で歩いて通学するなど、これまでとは違ったかたちで道路を利用する方が多く見受けられる時期です。
ドライバーの方は速度を落として、交通事故に遭わないよう、より一層思いやり運転を心がけていただきたいと思います。
警察といたしましても様々な施策に取り組んでまいります。
交通事故を1件でも減らすことができるよう皆様の御協力をお願いいたします。
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