クロペディア「猫の手の借り方・使い方」
猫の手の借り方・使い方
出典:パンゲア百科事典『クロペディア』
目次
1.新説(RN:本名希望 西 直也さん)
黒木所長、こんにちは。「ベッドタウン」と聞くと、興奮が最高潮に達する私が、 Google ストリートビューで歓楽街ばかり検索しながら考えた仮説をご紹介します。 人間には、猫の手も借りたいときが、煩悩の数である108回あるといわれる。 猫の手が欲 しい、のどから手が出るほど欲しい!だが、猫に仕事をやらせるのは法律上限りなく黒に 近いグレーゾーンだ。場合によれば動物愛護団体からクレームが入るのは間違いない。 だが、借りるのは諦められない。 おいしいエサやマタタビ、猫じゃらしなどで猫を誘惑し、猫は陥落した。 そして手間暇をかけて私に懐いた猫の手を使い、私がやる事はただ一つ! 「自分の背中を かく」事だ。体の大抵の部位は、かゆくなったら自分の手でかける。 だが、背中は自分の 手が届かない。かゆい部分をバリバリかきたい。 人間は、背中をかくときには「孫の手」 さえも使う極悪非道な生き物だから、猫の手を使うなんざ造作もない。 そして私は、爽快感を期待しつつ猫を背中に誘導する。 この後に訪れる悲劇など、みじん も想像しない私であった。 そんな私は、好きなタレントは「藤田ネコル」、好きな番組は「ネッコにおまかせ!」好 きなお茶は「根こんぶ茶」という筋金入りの猫好きである。 この嘘がバレるのは、この後 すぐ!
2.諸説(RN:かぎしっぽの黒猫さん)
私は悩んでいた。 黒木所長の薄毛をどうにかしなければ。 頭頂部はもうあんなに地肌が見えている。 なんてこった、早く手を打たなければ。 しかしもうすでにさまざまな方法を試したが効果はなかった… 困った私はオニさんに相談した。 するとオニさんは何も言わず、昨日から釣ったのだろうか1匹のガラカブを私に手渡した。 このガラカブをどうしろというのだ。 するとそこへ1匹の猫がやって来た。 どうやら私が持っているガラカブが欲しいらしく、ずっとこっちを見ている。 私はその猫にガラカブを渡した。 猫はガラカブを美味しそうに食べると、また私の方を見ている。 しかし先ほどのガラカブが欲しい眼差しとは少し違うようだ。どうやらガラカブのお礼、私の黒木所長の薄毛対策に協力してくれるらしい。 しかしこの猫に何ができるだろうか。 猫パンチで頭皮を刺激する? いやその程度ではあの黒木所長の頭皮には刺激が足りなさすぎる。 逆にもっと下さいと興奮させてしまうだろう。 飲み会の次の日にポケットから出て来た釜飯の蓋を変わりに居酒屋へ返しに行かせる? いやそれは自分で行かせるべきだ。 じゃないとまた同じことを繰り返す。 というかこれは薄毛とは関係ない。 結局いいアイデアが浮かばず、また悩んでいると突然猫が苦しみ始めた。 食べたガラカブのトゲが胃に刺さったのか?猫は何かを吐き出した。 それはガラカブではなく猫の毛玉だった。 そうか、これだ! 猫よありがとう。 君のガラカブのお礼のプレゼントで黒木所長の頭は救われる。 私は吐きたてホヤホヤ、ドロドロの毛玉をバレないように、そっと黒木所長の頭に乗せた。 きっと黒木所長が借りたかったのは猫の手ではなく、猫の毛だったんだと私は猫と顔を見合わせて微笑むのだった。