クロペディア「ニキビの正体」
ニキビの正体
出典:パンゲア百科事典『クロペディア』
目次
1.新説(RN:本名希望 西 直也さん)
黒木所長こんにちは。肉筆で書かれたものを見ると、体の奥の熱い高まりが抑えられなく なる私が、慈愛に満ちた顔をしながら考えた仮説をご紹介します。 思春期を迎えた十代男女は、性ホルモンの分泌が活性化することにより、毛穴から皮脂が 分泌される量が増え、それが毛穴に詰まってしまうことによりニキビが発生する。 十代男女といえば、第二次性徴期となり体の変化が著しいため、皮脂に限らず色々なものを分泌するのだ。 特に十代男子には、その傾向があり、皮脂のような自分の意志と関係ない分泌もあれば、 自らの熱い高まりをクールダウンさせるための分泌など、複数の分泌が認められる。 この 現象から、医学用語で十代男子のことを「分泌家」(ぶんぴつか)と呼称している。 思春期に分泌された皮脂から生成されるニキビ、自主的に分泌される液体。 この正体は、 この時期特有の不安、羞恥心、興奮、欲望などの抱えきれない思いが形となって現れたものであり、これらを総称して「クレアラ汁(クレアラシル)」と呼んでいる。 一部の学校では、クレアラ汁による皮膚疾患を防ぐため、スキンケアを徹底し、生徒の健全な育成を目的とした部活動「プロアクティ部(プロアクティブ)」が存在するという。 規則正しい生活と充分なスキンケア、適度な分泌を続けていくことで、「健全な精神は健 全な肉体に宿る」。 未来に向かって進む若人よ、栄冠は君に輝く!
2.諸説(RN:イチハラ ガクさん)
ニキビの原因とはアクネ菌である。 アクネ菌とは常在菌であり、ほとんどの人の皮膚や毛穴に存在し、そして皮脂を好む。 皮脂とは毛穴が開く事により多く分泌される。 つまり、アクネ菌の繁殖を抑えるためには皮脂の分泌を抑えれば良い。 その為には結論毛穴を塞いでしまえばよいのである。 私はファンデーションとボンドを混ぜ合わせた 物、名付けてファンデーションボンドを作り、綺麗に顔に塗りたくった。 そうすると毛穴が物理的に埋まっただけでなく、なんとアクネ菌とファンデーションボンドが何かの化学反応を起こし、「アクネ菌」が「アカナイネ菌」に見事変化したのだ! このファンデーションボンドを塗りたくり、アクネ菌をどんどんアカナイネ菌へ変化させて行けばニキビは消える! 私もこの方法で何個かニキビを消すことに成功しました! しかし、このようにガチな研究仮説を提出してしまうと、紹介はおろか問答無用で左遷になってしまう。 過激な下ネタを使わず、上手いオチが出せるように私はなりたい。 3.諸説(R.N.かぎしっぽの黒猫さん)
気がつくと僕は知らない港に立っていた。 だけど僕にはここが夢の中だとすぐ分かった。 港にいる漁師が全員パンツスーツの女性ばかりだ。きっと夢に違いない。 堤防の方に目をやると先端に誰かいたのが見えたので行ってみることにした。 近づいて行くとどうやら釣り人のようだ、いやただ の釣り人ではない。あれは…… 「オニさん?」 「やぁ、お邪魔しているよ。」 「オニさんがどうして僕の夢の中に?」 「ちょっと釣りを、撒き餌を撒く練習をしにね。」 「どうして夢の中なんですか?」 「実際の海で練習すると狙った場所と違うところに撒いてしまった時に魚がそっちに寄ってしまって失敗してしまうんだよ。 家でやろうとすると嫁さんに釣具を捨てられてかねない。 もう嫌なんだ…無くしたと思っていた自分の釣具をメルカリで見つけるのは。 だからこうして誰かの夢の中の海でいつも練習してるのさ。人それぞれ夢の中の海は違っていてね、とてもいい練習になるんだ。」 「だからってなんで僕の夢の中なんですか、黒木所長の夢の中じゃダメなんですか?」 「もちろん行ってみたさ、だけどあそこはダメだ。 海には無数のパンティの群れが泳いでいてそれをモッコリブーメランを履いた黒木所長が泳いで追いかけている。とても釣りにはならない。」 「大変でしたね、僕はルアー釣りしかしないけどせっかくなのでウキ釣り僕にも教えてください!」 「もちろんだよ、今日の撒き餌の配合はチヌスペシャルとグレパワーとオキアミと米ぬかとパン粉のオニさんスペシャルブレンドだ!」 こうして僕はオニさんと一緒に釣りを始めた。 時折僕らの前を横切る漁船、そこに乗るパンツスーツの女漁師がとてもいい光景だった。 パンツスーツに見惚れたのか撒き餌を撒くオニさんの手元が狂い、撒き餌が少し僕の顔にかかった。 「ちょっとオニさん、何やってるんですか〜!」 「いやー、すまないすまない手元が狂ってしまって。こんなことで心を乱されるなんて釣り師として私もまだまだだな。」 2人で笑い合っていたその時、オニさんのウキが沈み竿が大きくしなる。 「おお!これは大物だ!すごい力だ!」 「大丈夫ですかオニさん!」 海に引き込まれそうになるオニさんの体を僕は必死に支えた。しかしものすごい力に耐えられず2人揃って海に落ちてしまった。 気がつくと僕は自分のベッドの上にいて外はすっかり明るくなっていた。 やっぱり夢だったか、でもとても楽しい夢だった。 顔を洗おうと洗面台に行き、ふと鏡を見ると僕の顔に夢の中でオニさんが撒いた撒き餌が…いやこれはニキビか。」 夢だけど、夢じゃなかった。 ニキビの正体、それは夢の中でオニさんがぶつけてくる撒き餌。 今夜オニさんが訪れるのはあなたの夢かもしれませ ん。