「訪問診療 まどかペットクリニック」松村まどかさん

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月曜日
最近話題のあんな人・こんなもの・お店・イベントなどをPICK UPして、
わたくしマッキーが詳しくお話伺う、「Macky Talks」。
今日は、自宅に来てくれる獣医さん。
「訪問診療 まどかペットクリニック」の松村まどかさんにお話を伺いました。

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Q① この度はMackyTalksへのご出演ありがとうございます。
まずはご自身の自己紹介からお願いします。
 
私は熊本市出身です。
3人兄妹の真ん中で、祖父母と両親7人家族の中で育ちました。
(真和)高校卒業後、神奈川県にある麻布大学獣医学部に進みました。
初めての一人暮らしで、ホームシックのなか、家族のありがたみや熊本の良さを痛感した大学生時代でした。
2月で45歳になりました。現在は二人の男の子の母親です。
去年、柴犬の男の子をむかえたので3兄弟?になりました。(女の子がほしかったですが・・。笑)
長男は中学生です。次男は小学1年生で、支援学級に通っています。
まだ一人で登校できないので、毎朝一緒に付き添っています。
まさかこの年で、母校の小学校に登校することになるとは思ってもいませんでした。
子どもを通じて、人として、母として、本当にたくさんのことを教えてもらっています。
ゆっくりペースの次男のために、ミドリーズの“つばめ”の振り付けを練習中です。
みんなと同じようにはできないけど、踊りたいという彼のやる気をのばしてあげたい一心でやっています。
趣味はテニスです。
週1回ですが、テニスの仲間と汗を流す時間が何より楽しみです。
皆さん素敵な方たちで、テニス以外でも人生相談にのっていただいたり、この出会いにも感謝しています。
コーチには元気が良すぎるとよく注意されますね。
休日は家事や子どもの習い事、仕事の事務業務に追われています。
男の子は本当に散らかす天才で、家はなかなか片付かないですね。
 
Q② 今回ご出演お話を伺う松村さんは獣医師さんとのこと。
そもそも松村さんは何故獣医師さんになられたのでしょうか。獣医師を目指されたキッカケや、今までの活動(たとえば何年間動物病院などで勤務され、その後独立されたのか)など、こちらも差し支えない範囲で教えてください。
 
ありきたりの理由になりますが、小さい頃から動物が好きでした。
金魚からはじまり、インコを飼ったり。
セキセイインコはつがいで2羽から飼い始めましたが、どんどん卵を産んで大家族になりました。名前を考えるのが大変なほどでした。
卵からかえって雛になり、巣箱から顔を出すひな鳥の可愛さとあの感動は忘れられません。
(鳥の診察はできないんですけどね(笑))
小学生になるとどうしても犬を飼いたくて、祖父母や両親を説得したのを覚えています。
それからはずっと犬がそばにいる環境で育ちました。
両親が医師という環境もあり、自分は動物のお医者さんになりたいと思いました。
神奈川県の獣医大学で6年間学び、熊本で働きたくて、熊本県庁に入庁しました。
阿蘇家畜保健衛生所に配属になり、牛・馬・豚・鶏・ミツバチの病気の予防に携わりました。
ちょうどその頃、飼っていた犬が心臓病で亡くなり、それをきっかけに小動物の臨床を学ぶことを決めました。
北九州の動物病院で4年間臨床経験を積み、その後は千葉県で動物病院を開業して13年間
副院長として務めました。
そして2021年の11月に熊本市で往診専門獣医師としてペットクリニックを開業しました。
 
Q③ さて、そんな松村さんは「訪問診療」、往診のみのペットクリニックを開業していらっしゃいます。
この開業の経緯について教えてください。
 
往診診療をはじめたきっかけは、これまでの人生の自分自身の経験にあります。
私の次男は、緊急帝王切開で、24週と5日、出生体重606gという超未熟児で生まれました。
肺も未熟で、呼吸すら自力ではできない状態で生れてきました。
この日から自分自身が医療的ケア児の母となりました。
1歳の時に退院しましたが、まだ呼吸器が外せない状態で、24時間看護の生活が始まりました。
日中も夜中も呼吸器のアラームが鳴ります。
慢性的な寝不足の中、肉体的にも精神的にも疲労困憊でした。
このような生活が長期に及ぶと、社会からの孤立感を感じました。
取り残されるような不安感にかられました。
慢性的な寝不足が、人格に影響を与える怖さも知りました。
さらに、酸素ボンベや医療機器を抱えての通院は大変でした。
病院での待ち時間は長く、酸素ボンベの酸素の残量に冷や冷やしながら待ったことを覚えています。
そんな生活の中で、訪問看護やリハビリ、訪問歯科などのサービスを受けることができました。
看護師さんや理学療法士の方、歯科医師の先生が来てくださり、自宅で、子供を診てくださいました。
日常の様子を見てもらい、不安なことや心配事をきいてもらうことで、子供はもちろん、私自身が救われたことは忘れません。
この経験を通して、獣医師として自分が貢献できることは何か考えました。
動物病院勤務中、なかなか病院に連れてくることが難しいというご相談がありました。
乗り物酔いがひどい子、寝たきりとなった大型犬、移動手段を持たない方だったり、小さいお子様の子育て中のご家族だったり、いろいろな理由で通院の難しさを感じられている飼主様がおられました。
そこで、そのような患者様におうちにいながら獣医療を届けることができるよう往診獣医師をやることを決心しました。

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Q④ 続いてまどかペットクリニックさん、医院について伺います。
診察して頂ける動物について、また診療・治療して頂ける範囲、内容、予防接種等や検査等の可否など、まどかペットクリニックさんでお願いできる診療内容について教えてください。
 
当院の診療動物は犬と猫になります。
訪問可能な地域ですが、熊本市内を中心としております。ご要望があれば可能な限り熊本県内を対応しております。
診察時には、診察のサポートを飼い主様にお願いしています。
狂犬病ワクチンや混合ワクチンなどの予防接種が可能です。
ノミ・ダニやフィラリアの予防も行っています。
診察内容としては皮膚の診察や消化器疾患、泌尿器疾患、内分泌疾患など、緩和ケアなどの内科治療を中心に行っています。
必要に応じて、血液検査や超音波検査、尿検査、細胞診検査などを行います。
高齢の患者様が多いですが、動物行動学の分野も好きで、子犬や子猫のしつけのご相談も対応しております。
子犬・子猫の時期をどう過ごすかが要なので、ペットたちが、人の社会で、人と幸せに生活できるようお手伝いができればと思っています。
往診でできることには限りもあります。
レントゲン検査や入院処置、手術はできません。
急性期の肺炎などの呼吸器疾患や、重度な心不全の患者様も対応が難しい場合があります。
入院管理や手術が必要なケースは、動物病院をご紹介させていただいています。
いい先生が多くおられるので、連携の部分でも大変ありがたく思っています。

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Q⑤ 今までまどかペットクリニックさんを利用された方、また現在も利用されていらっしゃる方からの反応はいかがでしょうか?
また今までの診療・診察などで印象的なエピソードなどありましたら教えてください。
 
まず一番は驚かれます。まだまだ往診専門の獣医師は珍しいので。
荷物の多さにも驚かれますね。余りの重さに、皆さん心配してくださいます。
そして何より喜ばれます。
往診だと、診察にかける時間も長いですし、ゆっくり時間をかけてお話しするので、お一人お一人が印象深いですが、飼主様が車いすが必要になられて、2年間動物病院に連れて行けていない
という猫の飼主様のお宅にお伺いしました。
高齢の猫ちゃんですが、トイレの場所を間違えたり、動きたがらないとのご相談でした。
その子は、伸び過ぎた爪が肉球に刺さっており、肉球が化膿している状態でした。
肉球に刺さっている爪を切らせていただき、化膿止めの注射をうちました。
爪切の処置後、しばらくして、いつものトイレで間違えずにすることができました。
痛くていけなかったのだと思います。
診察後、飼主様から安心したとの言葉をいただき、とても嬉しかったです。
痛みを抱えていた猫に、必要な治療をとどけられたことも嬉しかったです。
末期癌の犬の患者さんで全身転移してしまっていた子がいましたが、鎮痛剤や処置をすると表情が和らいだり、好きなものを少しでも口にすることができたり、痛みや辛さを緩和できたときにはほっとしました。
 
Q⑥ 松村さんが獣医師さんとしてやりがいを感じられるのはどんな時でしょう。
また、これから獣医師を目指そうとされているリスナーの方へのメッセージ、是非伝えたい想いなどありましたら是非教えてください。
 
診察をして、ペットの体調が良くなることはもちろん嬉しいですが、病院に連れて行きたいけど、様々な理由でつれていけない状況ですと、飼い主様は大きな不安や心配を抱えておられます。
お伺いして診察・治療を進めていく中で、飼主様の不安が和らいで、笑顔になる瞬間にやりがいを感じています。
人の医療と同様に動物医療も専門性が高まっており、これからは獣医師も専門性を高めて行くことが必要だと思います。
私もまだまだ未熟者で偉そうなことは言えませんが、ずっと変わらず大切なものは心だと思います。心ある獣医師として活躍して頂きたいです。
 
Q⑦ 本日はお忙しいところインタビューを受けて下さり誠にありがとうございました。
最後にこの番組をお聞きのリスナーの方へメッセージや、まどかペットクリニックさんからのご案内などありましたら教えて下さい。
 
ペットが幸せに日々過ごすために必要不可欠なものは、飼主様が与えてくださる安心感です。
心配な表情や不安な空気感はペットに喪失感を与えてしまいます。
飼主様が元気であることがとても大事ですね。
ペットに関してご心配なことがあれば、私でもいいですし、動物病院の先生やスタッフのかた、ペットシッターの方など、誰かに相談していただきたいです。
一人で抱え込まず、チーム戦で乗り越えることが重要だと思います。
ペットが与えてくれるパワーについても知っていただきたいです。
ペット同伴の高齢者施設では、入居者の方の血圧が下がるというデータもでています。
小児病棟で病気の子どもたちを支えるファシリティードックの存在。
自分の子どもを通じて、病院で病気と闘う子どもの辛さやそれを支える家族の大変さを知りました。
ファシリティードックは、きつい・つらい闘病生活に笑顔を運んでくれる存在です。
まだ限られた病院でしか活動できていませんが、ぜひ全国の病院に広まってほしいです。
ファシリティードックのハンドラーは医療従事者の方しかなれません。獣医師の私ではなれませんでした。(笑)
是非、存在を知っていただいて、目指す方がふえてくださると嬉しいです。
この素敵な笑顔の輪が広まっていってほしいです。
訪問診療をされている女性のドクターからご連絡いただいた時には本当に嬉しかったのですが、
医師や看護師などの医療従事者の方と、動物医療の獣医師などが、他職種連携で地域を支えていけたら素敵だなと思っています。

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本日は誠にありがとうございました。

●訪問診療 まどかペットクリニック オフィシャルサイト
https://madoka-petclinic.com/
 
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