武田流騎射流鏑馬 第45代・竹原家14代宗家師範 竹原宇治宿禰浩太惟愛さん
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最近話題のあんな人・こんなもの・お店・イベント等に付いてマッキーがお話を伺う「Macky Talks」。
今日は、武田流騎射流鏑馬 第45代・竹原家14代宗家師範 竹原宇治宿禰浩太惟愛さんに
お話を伺いました。
Q① プロフィール
武田流騎射流鏑馬の第45代・竹原家14代宗家師範。熊本市出身在住の50歳。妻・子供4人(娘2人・息子2人)の6人家族と猫1匹と暮らしています。趣味は子育て・晩酌で「明るく前向きに楽しみながら生きる」がモットーです。医療法人に勤務。現在は社会福祉法人ケアハウスに出向勤務中。元気な高齢者の方々とのふれあいを通じて命の大切さや人間の魅力を感じながら日々を過ごしており「人が大好き」です。休日は流鏑馬の行事を中心に行っています。門人とのお稽古(木馬・弓道・乗馬)や「やぶさめ少年塾」の指導を通じて次世代を担う子供達への愛情を注いでいます。自称イクメンパパで子供達それぞれとのふれあいも欠かしません。社会人・大学生・高校生となり幼少期のスキンシップはなくなりましたが自主性を尊重する子育ては妻との共通認識です。『『家業(流鏑馬)を生業にしてはならない』との家訓にも従っています。年中4時半に起床し新聞を1時間掛けて斜め読み。白川河川敷をウオーキング&ジョギング。流鏑馬の事務処理後に出勤。帰宅後は晩酌をするため思考回路が衰え早寝。平日・休日の境目はあまりなく毎日を楽しくなるように過ごす「超ポジティブ人間」だと思います。
Q② 流鏑馬とは、そもそもどんなものなのか?「武田流」とは、どんな流派なのか?教えてください。
弓の道には地上で射る“歩射”と馬上で弓を射る“騎射”とがあります。騎射は「天下泰平・万民息災・五穀豊穣」を祈願して三つの的を射る流鏑馬、戦勝祈願として懸けた笠を射る笠懸、犬を追って射る犬追物の“三つ物”がよく知られています。中でも流鏑馬は騎射の代表であり平安時代には朝廷で公家の儀式として、鎌倉時代以降は武士の武技の修練として盛んでした。武道としての流鏑馬は、源氏の流れを汲む肥後の武田流(細川家)と小笠原流(徳川家)によってその正伝が護持されています。武田流騎射流鏑馬は今から約1100年前の900年頃の平安時代に清和天皇の皇子、貞純親王から源氏7代に伝わった後、武田・小笠原の両家に分かれました。武田流は惣領家の若狭武田家領家の若狭武田家24代の信直から婚姻関係にあった初代:細川藤孝(幽斎)を介して、家臣の竹原惟成に直伝されました。2代:細川忠興から3代:忠利が肥後に入国後は竹原家が宗家師範としてその一切を受け継ぎました。藩学の時習館時代には、武田流の流鏑馬は二条流和歌式や礼法と共に行われていました。昭和9年(1934年)以降は、熊本藩主細川家代々を祀る出水神社で奉納されており、今年で89年になります。
Q③ 流鏑馬を行なううえで大切なことや、重視されていることは、どんなことでしょうか?
流鏑馬を行ううえで一番大切なことは礼法・作法です。武道は「礼に始まり礼をもって行い礼で終わる」と言われますが、この礼は「礼法の礼」です。的に当たった外れたよりも、その淀みなその淀みない所作・佇まいが流鏑馬の精神です。 武田流の礼法「細川流礼法」は武田流流鏑馬と共に初代:竹原惟成が「弓馬軍令故実」の伝統の一切を継承せしめられて代々竹原家で受け継いできました。『礼法・作法は相手に対する尊敬の心・温かい心配り・物を大切丁寧に取り扱う等の作法は相手に対する尊敬の心・温かい心配り・物を大切丁寧に取り扱う等のゆかしい心を形に美しい流れで表されたもの』であります。現在、私の母が師範として継承しています。
Q④ 武田流流鏑馬保存会としての想いや目的、日頃の活動内容などを教えてください。
今年で保存会が結成して52年、NPO法人となって14年になります。その目的は個人や家族(竹原家)の努力だけでなく社会の責任としての伝統文化保存・継承を目指しています。その活動の一つが昨日開塾した「やぶさめ少年塾15期生」です。熊本県指定重要無形文化財武田流騎射流鏑馬の体験を通じ平和を願う『やぶさめの心と技』と日本に2流派しかない古武道としての流鏑馬の文化的・歴史的な価値を次世代に継承することを目的としています。その想いは、先人か先人から伝わる正しい技と精神(日本人の心:侍スピリッツ)を学び継承しさらに心技体を鍛錬し人間性を向上させていきたいです。「やぶさめ少年塾」などの次世代の後継者に正しく繋いでいくことが現代に生きる我々門人の使命であると思います。
Q⑤ 見学をしたり、体験したりすることは、できますか?
見学・体験は常時可能で、年々門人の数も増えています。ただしご承知の通り射手になるには容易ではありません。「馬上で手放しをして的を射貫く」わけですので危険が伴います。全くの素人から、礼法・作法・弓道・乗馬のお稽古をひたむきにしたとしても8~10年間の精進が必要です。私も入門・乗馬歴は40年です。 その中でも先ほど申しました通りに一番大切なことは「流鏑馬の精神を心に刻み、精神を心に刻み、礼法・作法を習得すること」です。技術はお稽古を重ねれば自然と身につきます。現在16歳の高校生から85歳の門人35名がお稽古を行っています。入門をご希望の方はご連絡ください。
Q⑥ 一般の方が実際に流鏑馬を見ることができる機会も、あるんですよね。
今度の日曜日 4月16日に出水神社春季大祭奉納流鏑馬。10月15日(日)出水神社秋季大祭奉納流鏑馬。10月末予定の秋のくまもとお城まつり流鏑馬演武。3月奉納流鏑馬。10月末予定の秋のくまもとお城まつり流鏑馬演武。3月17日(日)熊本県古武道演武大会木馬体配演武。10月予定の秋のくまもとお城まつり木馬体配演武などを行っています。その他、詳しくは当流ホームページをご覧ください。
Q⑦ ラジオをお聴きの皆さんにメッセージをおねがいします。
ラジオをお聴きの皆様は、「尚武の国:肥後熊本には、日本に2流派のみ残る正統古武道の『武田流騎射流鏑馬』が伝わっており、門人たちが命がけでその正しい流儀を守り繋いでいこうと精進しているんだよ」とお話し頂けますと幸いです。生誕100年を迎えた司馬遼太郎も述べています。「名こそ惜しけれ恥ずかしいことをするなという板東武者の精神は今も一部のすがすがしい日本人の中で生きている。」これはまさに流鏑馬の精神であり「人・ご先祖様・自分に対して恥ずかしいことをするなという意味で自分を律すること」の武士の美学が今を生きる日本人の心の中にも生き続けていることだと思います。
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