トタン屋根のケーキ屋 ア・ラモート 新本高志さん
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「トタン屋根のケーキ屋ア・ラモート」
■所在地:〒860-0848 熊本市中央区南坪井町5−15
■電話:096-356-8988
■営業時間:9時~19時 / 定休日:月曜日・火曜日
●ホームページ http://www.aramoto.jp/
※月曜日・火曜日はお店は(店舗は)定休日ですが、お店で仕込みをして自転車で販売に出たり、また店舗が休みだと帰宅が遅くなっても良いため、普段より遠方に販売に行っている時もあります。
Q② まずは「トタン屋根のケーキ屋ア・ラモート」さん。
大変歴史あるお店だと伺いました。お店の開業から今年で何年か、またお店の名前の由来など、お店自体について教えてください。
約30年前、自宅近くのトタン屋根の小屋でア・ラモートはスタートしました。
新本のアラモトをとって店名を「トタン屋根のケーキ屋ア・ラモート」として歩みはじめました。
ベニヤの三角形パネルの手書きの店名、荷台のケーキ箱、コック帽、真鍮のアイスキャンデー売りの鐘、今と変わらない格好で、朝早くに踏み出しました。
当時、名もない青年を信じて支援してくださった方々のおかげ様で、夢がはじまった瞬間でした。
それから30年以上、毎日、同じ格好でペダルをこぎ、鐘を鳴らしながら、たくさんの皆様と出会い、パウンドケーキをお届けし続けることができました。
この30年を節目に、また新しい気持ちでペダルを漕ぎ続けていきたいと思います。
また僕は幼いころ、大変貧しい経験をし、その中で初めて食べたケーキの味が忘れられませんでした。
その時は漠然と「大きくなったらケーキ屋さんになりたい」と思っていました。
さらに、事情があり、親とも早くに別れてしまい、養護施設で育ちました。
そしてその時、街のケーキ屋さんが年に一回、クリスマスに「恵まれない子供たちに」とプレゼントしてくれるケーキ。
Q③ 続いて、このお店、「トタン屋根のケーキ屋ア・ラモート」を経営されている新本高志さんご自身について伺います。
いまのお仕事を始められたキッカケ、お菓子作りを始められたきっかけはどのようなものだったのでしょう?
そして自転車でパウンドケーキを販売されるようになったキッカケについても教えてください。
昭和50年、20歳の時にご縁があって大阪から熊本に来ました。
そして熊本で小さなケーキ屋さんで6年間修行させてもらい、その後は大手のケーキ屋さんで修行をしました。
そのあと、自分でケーキ屋さんを出そうとしましたが、当時はお金もない、それでまずはトタン屋根の小屋を借りました。
5kgのプロパンガスを室内に入れ、その場所でケーキを焼くことはできましたが、店構えとしては狭い場所の為、店頭での販売は難しい。
そこでまずは夜中から明け方まで8個くらいの焼いたケーキを調理機材も十分じゃない中で作り、それを1週間分作りだめをし、週に1回、自転車で外に販売に出歩くということを始めました。
これは決してパフォーマンスなどではなくて、自転車ならガソリン代もいらないし、純粋にいろいろな場所で売りたいからという思いでした。
そしていつか店頭販売も出来るお店を出したいという思いからでした。最初はお店が構えられるまでのあいだパウンドケーキを自転車で売り歩こうと思っていたのです。
これを2年ほど続け、店頭販売の出来るお店を持つことはできたんですが、やっぱりここまでこれたのはこのパウンドケーキのおかげだし、パウンドケーキの他にも今まで自分が修行したいろんなお菓子もありましたが、やっぱりこれからもこのパウンドケーキを主商品で頑張っていこうというのをこの時点で決意をしました。
この時点で店はもてた、でも自転車で売り歩くというのもなんだかやめられなくなってしまいました。
Q④ そんな自転車であちこちを廻る道中。
印象的だったこと、また特に大変だったことはありますか?
今までに行かれた場所についてやお客様との特に印象深い思い出があれば教えてください。
生身の体で売り歩き、売れるまでは帰れませんので、ケーキを自転車に積み込んだら今日は阿蘇まで、あるいは天草方面、はては菊池・八代、時には人吉にも。
毎日が印象的な出会いで、毎日がリアルなドラマです。
単純に自転車商いで売りに行くと言うよりもケーキだけではなくて、自分の気持ち・心までもお届けする。
行った先で出会えたすべての人との交流が喜びです。その出会いに一番感謝をしています。
お客様も「ここで出会えてよかった」とおっしゃってくれますし、お互いに元気と元気の交換をしています。
大変だったこと…当然天候に左右されますから夏の暑いときには熱射病になったことも。
ある時、阿蘇方面に出向いていた時、病院の玄関前で販売をしていると、その病院の先生が出てこられて「きみは熱射病の恐れがあるから中で休みなさい」と言われたことがありました。
しかしまだケーキを販売しないといけない、その旨を伝えてもその先生から「命とケーキとどちらが大事か」と怒られたんですね。
それでその病院で2時間半ほど点滴を受け、また自転車のところにもどると売れ残っていたはずのケーキが1本もない。そこで病院の先生の言われました。
「きみがこういう状況だから自転車を病院の中に入れて置いたら外来の患者さんや看護師さんが買ってくれたよ。安心して帰るんだよ」と。そんなこともありました。
また、遠くに販売に行くとき、少し自分が役者になったような気持ちになることもあります。
役者さんがドラマなどでその役になりきるように、自転車にまたがると「〇月〇日〇曜日、トタン屋根のケーキ屋ア・ラモート自転車商い出発!!」と、心の中でカチンコ(映画の撮影などで使うアレ)を鳴らして出発するようなそんな気持ちになることもあります。
Q⑤ 続いて「トタン屋根のケーキ屋ア・ラモート」さんの商品について教えてください。
現在販売中のものや、期間限定・季節限定のものなどもあれば教えてください。
●パウンドケーキ
ロングセラーのくるみのラムレーズン、スタンダードなりんご、世代を超えて愛される味のマロン
●季節限定販売「ショコラケーキ」
チョコレートをたっぷり使った生チョコを思わせる食感のオレンジ風味のショコラケーキ
*暑さに弱いので夏季(6月〜9月)はお休みです。
1本入りギフト~2本入ギフト~3本入りギフト等あり
●なめらかプリン
●フィナンシェ各種*マロン*くるみ*レーズン*りんご*クランベリー*ショコラ
●フルーツクッキー/ショコラクッキー/シナモン・アーモンドクッキー
●生チョコ
現在は季節的に生クリームのロールケーキなどは出していません。
Q⑥ 本日はお忙しいところインタビューを受けて下さり誠にありがとうございました。
最後にこの番組をお聞きのリスナーの方へメッセージをお願いします。
このラジオを職場や仕事中の車の中で聞いてくださっているみなさん。
お仕事本当にお疲れ様です。
それぞれが毎日一生懸命、家庭のため、子供のため、自分のため、自分の人生のために
日々、お仕事を一生懸命されておられることと思います。
そんな中、このラジオを聴いていただいて、私の話を聞いていただいてありがとうございました。
今あなたと直接会って話しているわけではないのだけれども、気持ちとしてはあなたの隣でこれまでの私の人生を話させていただいた、そんな気持ちで今日のインタビューを受けさせてもらいました。
今日は私の話を聞いてくださってありがとうございました。
これから先も自転車で販売中、どこかで見かけた時は是非お声掛けください。
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