KASANERU株式会社 代表取締役 ワル・マックスさん
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Q① ご出演者様ご自身について、プロフィールや経歴など、教えてください。
平成元年スウェーデン生まれ、子供の時から日本の漫画やアニメをはじめ、
日本の文化が好きで、2011年(22歳)の時に留学で初めて来日しました。
語学留学で2年間京都に滞在し、日本で働いてみたいと決意しました。
2013年にスウェーデンに帰国し、ウプサラ大学に入学し、
社会福祉やソーシャルワークを専門で2018年卒業しました。
2018年の10月から就職で再び来日し、DHE株式会社のスタッフとして、
阿蘇の南小国町にあるSMO南小国という会社に出向しました。
SMO南小国では主にインバウンド向けの取り組みやガイドなどを担当し、
Satoyama Journeyというツアー事業を立ち上げました。
コロナのステイホームがきっかけで、子供の時に趣味だった「絵」をまたたくさん描くようになり、
SNSなどで投稿したら、イラストの依頼も入るようになりました。
2022年から独立し、KASANERU株式会社を立ち上げ、
アートと観光を繋ぐことを長期的な目標で、イラストと観光の仕事を両方受けています。
家族構成は北海道出身の妻(29)と娘(2)と息子(0)で一緒に南小国に暮らしています。
Q② スウェーデン人のマックスさん。日本に来たきっかけは?
子供の時(10)におばあちゃんに買ってもらったドラゴンボールの本は最初に日本に興味を持ったきっかけです。
当時はハリーポッターを読んでいて、「漫画」を卒業していたつもりではいましたが、
日本の漫画はスウェーデンでみてきたものと全然違っていて、猛烈的にハマりました。
そこから日本への興味が増していって、いつか日本語を学びたいと思うようになりました。
高校生の時はスウェーデンで日本語の授業を受けてみましたが、スウェーデンで限られた時間だけ勉強し、
使う機会が全くない環境だといつまでやっても実際話せるようにならないと気づき、留学を決意しました。
Q③ 日本の中でも南小国町なのはなぜ?マックスさんから見た小国の魅力を教えてください!
元々九州がとても好きで、九州の里山に住んでみたいという思いはありました。
その中で南小国になったのは正直いうとたまたまです。
日本での就職先を探していたときに、知り合い(当時DHEスタッフ)がSMO南小国の立ち上げをお手伝いして、
大阪で2人で食事をしたら、南小国の話を色々教えてくれました。
「もしかして仕事のチャンスもあるかもしれないから興味あれば一回遊びに来ないか」と誘ってもらい、
早速次の日から南小国へ行きました。まさに僕が夢見ていた環境でとても運命を感じました。
南小国の大きな魅力はたくさんあるけど、阿蘇の一部であり、
火山の影響で遠い昔から育まれてきた独特な草原を中心にした里山文化や小国郷特有の林業文化など、色々あります。
人の良さ、景観の美しさ、食べ物の美味しさ、どれも間違いなく素晴らしいけど、
小国郷で一番ユニークだと思うのは「挑戦する心」かなと思います。
年齢関係なく、びっくりするぐらい取組をする人々がたくさんいて、
そういう新しい挑戦を歓迎する姿勢があると思います。
そのおかげで割と若い人たちが集まってきたり、UターンやIターンが多いだと思います。
もちろん、僕も、この環境だったからこそ、ほぼ諦めたイラストを仕事に変えることができたと思います。
Q④ マックスさんの今のお仕事・活動について教えてください。
ちょっと話が被ってしまいますが、元々は観光の仕事をするために、南小国に移住してきて、
もっというと、インバウンド向けのツアー事業を立ち上げることが目標でした。
立ち上げたSatoyama Journeyというツアー事業はAdventure Travel(AT)という分野で注目を集めて、
2019年から主にATに特化して、インバウンド観光の様々な取組をしてきました。
ガイドももちろんしますが、九州のみならず、北海道などにアドバイザーとしてツアー造成の支援もしています。
イラストや絵に関しては、子供の夢でもあったのですが、学校で絵を学んだことがなく、
若い頃は一度挫折して、「絵は趣味だけでいい」 と自分で決めて、
結果として夢を諦めた悔しさで、長い間ほとんど絵を描かなくなりました。
コロナのステイホームをきっかけで、水彩の絵具を買い、また描くようになりました。
インスタなどで投稿したら、それが後に仕事の依頼に繋がりました。
改めて絵の楽しさを実感しましたし、この気持ちを大事にし、
せっかく仕事のチャンスもあれば、絵を追求したいと強く思いました。
さらに、第一子も2021年に生まれて、その子の良いロールモデルになるために、
妥協せずに夢を追いかけるお父さんの姿を見せる責任もあると思いました。
Q⑤ マックスさんが物語からイラストまでを手掛けた、絵本「森のおくりもの 杉の子ジュウちゃんの大冒険」。
どんな絵本ですか?どんな内容ですか?どんな思いが込められていますか?
「森のおくりもの」は森と水の関係をはじめに、
森が環境を守るために果たしている大切な役割をテーマにした本です。
この本の種になったのは僕自身林業ツアーを作る時に聞いた話です。
高齢化で林業従事者の方が手に回らなくなった森などに、漁師さんが自ら森の手入れをするようになり、
そうすることで、森から流れる川の流れを安定化させて、
その延長線で、海によりいい水が流れて、魚の環境も良くなるからです。
他にも地下水を蓄える力や土砂崩れの防止など、
一目ではわからないけど、実は森が我々の暮らしを守ってくれているんです。
でも我々が森の環境を守れなくなってしまったら、
その輪、いわゆるその関係が切れてしまい、森もその役割を果たせなくなってしまいます。
この本では、主人公のジュウちゃんが人が入れなくなった森を一生懸命に自分で何とかしようとしているところで、
足を滑らせて、川に流されて、海まで流されてしまうところから始まります。
自分の森に帰ろうとすると、道中に様々な人々に会って、
色々な場所と自分の森の関係を改めて実感し、新しい仲間を見つけて、森の元気を取りもどうとする物語です。
環境問題に関する意識は年々高まっていくのですが、
最近毎年のように降る異常な大雨などで見るように、既に気候変動の影響が出ています。
環境問題は自分から遠く離れていることに感じるかもしれませんが、
この本で大人も子供も、もう少し身近なこととして感じてもらえると嬉しいです。
まずは自分の周りから。自分たちの森は元気ですか?
ローカルな木材でできたものを買ったり、活動の支援をしたり、
森に還元する方法はたくさんあるはずなので、そういうことを考えるきっかけになると幸いです。
今マックスさんからご紹介いただいた絵本「森のおくりもの」ですが
熊本県内を中心に限定100冊無料配布中で、絵本の語り手(配布先)を探しているそうです!
絵本の語り手として、町の子どもたちに読んで頂ける方は、どなたでもお申込み下さい。
図書館などの公的な図書スペースはもちろん、読み聞かせ活動を行う団体や企業、
森や水に関わる学習を行う団体や企業など絵本を活用して頂ける方は是非お申込みください。
原則個人への配布は原則行っておりませんのでご注意ください。
詳しくは小国森林組合のHPをご覧くださいね♪
Q⑥ おしまいに、ラジオをお聴きのみなさんにメッセージをお願いします。
本日は本当にありがとうございました。
森は当たり前になってしまいがちな存在ですが、
実は人が関わり続けているからこそ、密かに我々を守ってくれているんです。
皆さんも是非これをきっかけに自分が住んでいる近くの森などにちょっと興味を持ってもらい、
小さくてもいいので、何らかの形で森と関わるきっかけになったなら嬉しいです。
絵本も、先に紹介して頂いた通りに、語り手を募集しているので、
「ここで使いたい」という方がいらっしゃったら是非お申し込みください。
▼現在、道の駅小国ゆうステーションで「もりのおくりもの」原画展を開催中です!